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「アトモスフィア」 佐藤健志 短編集 作者:佐藤 健志
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その7 靴

やだ、ちょっと親指赤くなってる。うーん、サンダルのサイズイマイチ合ってないのかなあ。
フェラガモだけあって、いい皮だからなんとかなると思ったんだけど。だって食べられる皮だよ?
靴の味しかしないらしいけど。
テレビで見たもん(※真似をしないでくださいだったけどさ)。

靴って凝りだすと止まらないのね。お玄関が「この家、何人家族だ?」って状態になっちゃう。
私、一人暮らしなんだけど。
病的に集め始めて、パタとやめちゃう。やめなきゃとまんないから。そんな自制心は十分にあるのよ。
しばらくするとまた集めだしちゃうけれど、まあそれはね。
結局履くこともなく、人にあげちゃったりしてる。
あげちゃうなら、履きつぶしたのだと申し訳ないし、なるべくきれいなうちにって思ってる。

うーん、わたしって太っ腹。

ちゃんとお店に行って、いくつか履かせてもらって選んだり。
他の方法で手に入れることもあるのよ、たとえばオークションとか物々交換とかね。
物々交換ってエコじゃない? 誰かとのコミュニケーションにもなるし、素敵よね。

あとね、作るときもあるのよ。
キット売っててね。ゴムソールがついてて、皮の部分は自分で選んだり、
上手に布をはりつけたりするやつ。わたし、結構器用なんだから、さくさく作っちゃう。

皮を染めるのは、ちょっとむずかしいけど染料売ってるし。便利になったものね。

最近はなめすことにもチャレンジしてるの。
なめすってのは、なんていうかな、皮を加工しやすくするために手をいれることなんだけど。
はじめは毛皮の毛を引っこ抜いたりいろいろやってみたりしてたのよ。本格でしょう(笑)。
今考えれば本当初心者、ぶっつけ本番そのままだったわねぇ。無茶してたわ。

ネットではいろいろやりかた紹介してあるし、それを参考にしてるの。
もう、なんで気づかなかったかなあ。本で探すより検索の方がよっぽど楽なのにね。


さあてと、今日も皮を調達してこなくちゃ。
街へでかけよう。
やっぱりね、結構若いのがいいの。ほら、牛さんの皮でもハラコなんてしなやかじゃない?
それも男よりも女の子。

あーあ、男は連れ帰るの楽なんだけどな。やっぱさ、女の子つかまえられたらイイナ。


今日も街の誰かが、わたしの靴になるために歩いてる。

ウフフフフ。楽しみだわね。

そしてわたしは、柔らかい革のサンダルを履き、玄関の扉を開けた。
明日もどうぞよろしく。
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