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「アトモスフィア」 佐藤健志 短編集 作者:佐藤 健志
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39 くだらない凡人

いつからか、考えるようになった。
それは僕の役回り。人間の存在意義。意義なんてもんじゃないな、必要性っていうか何故にここにいるのか、在るのか、っていうか。

人の行き交うスクランブルで向こうへ渡っている際、自分の今見えている世界って実は幻なんじゃないか、作り物なんじゃないか。本当は病院かどこかの実験室で眠っていて、全ては夢なんじゃないか。そんな漠然とした不安。でもそれは「こんなに細かく世界設定をして、ストーリー(歴史)を編み出している天才な自分、だから目が覚めてもそっち方面で食っていけるな」と考え直して気持ちを切り替えたりしていた。

今は?

今はといえば、人は歯車にすぎないと。昔のSFみたいに「ネジ」にされる、そんな風に何かの役目を果たすわけでもない。
ってことは歯車ですらないか。

意味なく、ただ地球と僕らが勝手に名づけている惑星の上で、顔ダニのように存在しているのかな、とか思ってしまうんだ。顔ダニほどお役には立てていないのが残念だけれど。

誰か一人いなくなっても世界は回る。地球の歴史になんら影響しない。
周りの人は悲しむかもしれないけど、それはたった数年か数十年のことで、後はなんにも残らない。何にも。

僕は延命を望まないし、臓器は誰にあげてもいいけど、欲しいっていう人の神経はわからない。
だって延命しなければならない状況にあるってことは、世界が君を必要としなくなったってことだろう? それだけのことだろ。本当に必要だったらそもそもそういう状況に陥らないはずだ。
そもそも世界が君の存在に気づきもしてないだけかもしれないけどね。

大きな視点から見ればみるほど、人の存在なんて大したもんじゃないなあと気付かされる。
おそろしく世界は残酷だ。


生まれたからには何かの意味があるなんて偽善的なことをいう人は信用出来ない。


意味なんてないんだから。ただこれも僕らが勝手に呼んでる「生命体」の螺旋の一部なだけ。

地球が太陽に飲み込まれたらそれでおしまい。
隕石でも落ちてきたらおしまい。
でっかい太陽風に巻き込まれてもおしまい。

そんな僕らが何かにしがみついてるなんて愚かだ。



だから。

意味が無い毎日だからこそ僕らは生きているんだ。
逆説的じゃないかって批判はいくらでも受けよう。

全く意味がないからこそ、僕らは今ここにいる。


くだらない凡人だからこそ、ここにいるんだよ。


それがわかる日が、きっとくる。
意味のない世界で、意味のない僕らが、生きる理由。
あと10話。よろしくおねがいします。
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