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「アトモスフィア」 佐藤健志 短編集 作者:佐藤 健志
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20 あたし!

おひさまの周りを星が13回まわったら、こどもは親と離れて暮らすことになっているの。
それがあたしたちの当たり前だから。

13にもなれば、こどもだって一人立ちしなきゃいけない。
えっと、大人の保護圏から外れなきゃいけないってことで、あくまでも「守られない」立場におかれるってことで、一人っきりで生きていかなきゃなんないってわけじゃない。

だれかと一緒にいてもいいし、
集団をつくってもいいし、

そこらの制限はなくって。

次におひさまを5回周り終わるまで生き延びれば大人として認めてもらえるの。

犯罪行為はNGね。その場で処刑される。
だから結構きびしくって、3分の1くらいはすぐ死んじゃう。
まじめに生きようにも、衣食住がなんとかなんないことが多すぎるから。


ついでにいうと魔法も禁じられてる。
こどもの時なら使いたい放題だったのに変な話でしょ?
なんか大人による安全装置みたいのに包まれて作動していたから、暴走する心配なかったんだって。知らんわ。

それなの保護圏と決別して、魔法を封印して
野っ原に放り出されて
どうしろっていうのよって思うんだけど?

なにこの厳しすぎる通過儀礼。

でも魔法を操る種族として存在しうるにはこの5年を無魔法で生き残るのは必須なんだって。
精神の成長を認められたものだけが大人になれるんだって。
時空管理機関に滅ぼされた魔法・異能を持つ種族は数知れない。
だからこの儀式は絶対。

認められるも何も、飢えて死んじゃったら成長もへったくれもありゃしないじゃんねぇ。

なんか納得できなーい。


でもこれがルールなんだから仕方ないよね。生きるためだもんね。

それでもたまに魔法が暴走して仲間巻き込んで殺しちゃう子も多いんだ。
危険を感じて反射魔法使った場合はどうなんだろ。それで暴走者を殺しても処刑されるのかな。……聞いとけばよかった。マズイかも。


森でも探して引きこもってようかなあ5年。

それとも強そうなグループに入れてもらうとか。



彼氏もできないまま死ぬのはやだしなあ。

ちょっとイイナって思う子はいたんだけど、その子があたしのことどう考えてるかわかんなかったんだよね。振られて傷つくのいやだったから告白しなかったんだ。
一緒にいられたら楽しいだろうなぁ、なんて想像はしたりもしたけれど。


あの扉超えたら、草原。大人の世界とは隔絶した、完全隔離の場所。
どっかの大陸らしいって噂だけど、大人は絶対教えてくれないんだ。
ただ、「生き延びろ」というだけで。


まあ、こんだけ大人がいるんだから結構な割合で生き残れるんだろうとは思ってる。
そう思わなきゃやってらんないもん。楽観主義者だって笑えばいいわ。
恐怖にかられて、魔法の扉をくぐる前に自殺しちゃう子もいるんだよね。
あたしはそんな柄じゃないし、なんとしてでも生き延びてやるんだぁ。うん。


背負ったリュックがちょっと重い。

向こうでいい出会いがあるといいな。
素敵な男の子や、可愛い女の子と出会えるといいな。
親友も作りたいし。


不安は山のようにある。

それでもあたしは大きな歩幅で進むんだ。


あしたへの夢や希望、しっかり前向きでいることはどんな魔法より強いって信じてる。


たとえあさって死んでしまうとしても。

最後の瞬間まで絶対あきらめないんだから。



それが、あたし。


絶対大人になってやるんだから。

またこの扉をくぐって帰るんだ。
どうだ(`・∀・´)エッヘン!!って!


あたしは絶対絶対あたしであり続けてみせる。
明日も生きてたら更新します。待っててね。
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