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プロローグ②

次話投稿~♪

しかし、これが続くとは限らないので期待はしないでくださいね^_^;

さて、何故彼が畑違いの魔法師科にいるかだが直球で言うと彼が天才児であるからだ。・・・本当の天才児なら劣等生の烙印を押されないって?それは一般的な天才の話である。


彼は騎士として最上位の才能を持ちつつ魔法師としても精霊に祝福されている、神に愛されし少年なのである。しかし、それと同じ位、いやそれ以上の怠け癖を持ってしまった少年なのである。


その前にこの世界での魔法の定義についてもう少し語ろうと思う。前回属性について少し話したと思うがアレには続きがある。髪の色はその色の属性の力を扱う素質があると説明した。そして、これで分かるようにこの世界には精霊が存在する。


とは言ってもこの精霊の格はピンキリで、例えば風属性だがそこらに居るそよ風を起こす程度の力しか持たないものも居れば、四大精霊と言われるとても力を持った精霊も居る。その中でも一般的に天才と呼ばれる人間でも四大精霊の下に居る中級精霊までしか契約できない。


因みに精霊の格は四大精霊>>>>超えられない壁>>>>上級精霊>>>中級精霊>>下級精霊>>>>大精霊>>>小精霊となっている。その事から精霊との契約はとても大事で、契約してない状態で魔法を行使すると同じ魔法でも、魔力の消費量や展開スピード、威力などが大きいと数倍もの差がついてしまうこともある。


だから、魔法師にとって自分がどのレベルの精霊と契約できるかは重要な事で、極例だが契約できる精霊のレベルによって婚約者を決める家まである。


そんな中で、騎士の家系ながら精霊に愛されている彼は本来ならば引く手数多の筈なのだが・・・ここで彼の生来の怠け癖が悪い方向に発揮されてしまった。


生まれて物心ついた時から彼の周りには精霊が集まっていた。その時は決して強い精霊ではなく良くて大精霊が1匹居るくらいで小精霊が沢山居る程度だった。・・・まあ、小精霊が沢山居る時点で規格外なのだがこの時は本人も良く分かっていなかったのでまだ良かった。


しかし彼が貴族としてある程度の一般教養を学び始めた頃だ。彼が自分の周りに居る精霊たちを精霊と認識してから、こんなに居るのは可笑しいと自分で気付き両親に相談した。両親は精霊が見えないが、息子が嘘を吐いている様には見えなかったのでどうするか迷っていた時に、四大精霊全員・・・・・・が精霊が見えない筈の両親にも見えるように具現化して現れた。


これには驚き、彼と母親が声を上げてしまう。その時に近くを歩いていた兄と執事長が現れ四大精霊を見呆然とした。その間に何事も無かったかのように四大精霊が話しかけてくる。


(我らは貴様ら人間が四大精霊と呼ぶ存在だ)


(そこに居る小さき人間は、我ら精霊との繋がりがとても強い)


(ここまで繋がりが強いのは遠き昔我ら全員と契約したあの男以来だ)


(そこの小さき人間よ。貴様は我らの力を望むか?)


そこで四大精霊は一度黙った。シャレイルがどう答えるか待っているようだ。そこに居た全員がシャレイルに目を向けている。しかし当の本人は凄く面倒くさそうな顔をしている。


「そうだな・・・。力を望むかと聞かれたら、望むと答えるよ」


(ならば、その力をどのように使う?)


(我らと契約すれば、そこらの有象無象の精霊と契約した人間どもとは比べ物にならない力を得られる)


(その気になれば貴様ら人間の集団なんぞ簡単に滅ぼせよう)


(さあ、我らの力をどのように使うのだ?小さき人間よ)


四大精霊はシャレイルを試すかのように質問を投げかける。後ろで見守る両親や兄、執事長は後ろでハラハラしてどう答えるのかを見守っている。


そんな視線の中でシャレイルは何時もの調子を崩さずに酷くダルそうな顔をして口を開く。


「何をするかね・・・。正直、契約した所であんた達の力を振るうつもりは全く無いんだがな」


彼は、四大精霊を含め彼以外がとても驚く発言をした。


「シャ、シャレイル!?何を言っているんだ!?」


「そ、そうよ!こんな所で貴方の怠け癖を発揮しないで!?」


「おいおい!そんな解答して大丈夫なのかよ・・・?」


「・・・どうでしょうか。私には全く理解できない分野ですのでお答えしかねますね」


後ろで見守っている4人が思い思いの発言をした。そこで四大精霊が口を開いた。


(・・・我らの力を、何にも使う気は無い。そう、申すのか?)


四大精霊の一人、赤い髪の身長が彼の母親ほどでプロポーションがとても魅惑的な女性が代表して話しかけてきた。彼女こそが、火を司どる精霊である。


「ああ・・・。正直俺ってかなり面倒くさがりなんだよね・・・、いや怠けてるって言った方が良いかな?そんな強大な力を貰ってもさ、俺はそれを自分が死ぬ可能性が起きない限り使う気は全く無いよ。あ、例外としてこの家の誰かが死ぬ可能性が出てきたらバンバン使うけどね」


(・・・つまり、自身やその周りの人間が死ぬ可能性が出てこない限りは我らの力を使う気がないと?)


青い髪を後ろで括るポニーテールにしていて、身長が父と同じ位高いスレンダーな女性が話しかけてくる。彼女は、水を司る精霊だ。


「そう言う事だ。たとえ俺が侮辱されたからといって使う気は無い。敵討ちや自分の私欲の為に使う気は今の所は毛頭無いよ」


(まだ私欲の為に使う可能性が無いとは言いきれないんだな?)


短い緑の髪、身長が兄と同じ位の少女が話しかける。彼女は風を司る精霊だ。


「そりゃそうでしょう。俺はまだ10にしかなって居ない若造だよ?たったそれだけの年で考え方が変わらないって保証できるわけ無いじゃん。・・・まあ、そもそもこんな喋りが出来てて考えれてる時点で普通じゃないんだろうけどね」


(恐らくそれは神に愛されているからだろう・・・。その恩恵で、周りより早熟なんだろう)


腰元まである黄の髪、身長は父と同じ位で他の精霊とは違い母性を感じさせるオーラを放っている女性。土を司る精霊だ。


「うん?・・・俺が年不相応なのは神様のせいなのか?」


(そうだな。我らと交信できるように、感受性が高い子供の時に大人の考えが出来る知能を与え物事を多角的に見れるようにした)


(結果、我らを認識しその存在を認めた)


(しかし、その存在を否定せずにありのままを受け止めた)


(コレには我らも驚いた。だから決めたのだ)


そこで言葉を一度きり4人がシャレイルの前に跪いた。これにはシャレイルも驚きの顔を隠すことが出来なかった。


【我らは汝、シャレイル・ド・フランブルグと契約を交わそう。今汝が我らを認めたこの瞬間より、我らの力は汝の物だ、どのように振るうかは汝の好きに。我らは汝の僕となろう】


そう言いきり、頭を垂れたまま動かなくなった。シャレイルは少し考えた後、口を開く。


「・・・分かった。【我、シャレイル・ド・フランブルグが命ずる。汝ら我が力となり我の周りに仇なす者その悉くを屠れ。そして、我が許可無く力を振るう事を封じる。我が平穏が乱される時、汝らが真価を発揮せよ】」


そこで一度言葉を切る。


「【契約にあたり、汝らに名を授け、その名で汝らの存在を縛ろう。火を司りし精霊の名はサンドラ。水を司る精霊の名はウンディーネ。風を司る精霊の名はシルフ。土を司る精霊の名はアース。精霊たちに祝福を与えたまえ】」


こうして、彼は四大精霊全員と契約した。この事はこの場に居合わせたものだけの秘密とした。そして、彼は魔法が使えることを秘密とし、天賦の才を誇る騎士の力のみを鍛え上げ精霊の力を隠すことに成功した。


そして、あの契約から6年の月日が流れ、精霊の力を行使したのは片手で数えれるほどだ。そして、彼の力は未だ多くの人間に秘密となっている。

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