第二部 第二十六章 日記 その三(未記入)
ぷかぷかと波間に漂うような感覚。
温かな液体に包まれて、私は一人心地よい別世界でその感覚に浸っていた。
そう、それはまるで胎児にでもなったような気分。もしかしたら、羊水の中とは、こんな感じなのかもしれないなどと、私は思ったりなんかする。
ぷかぷか。
ぷかぷか。
そして、その心地よさにまどろむよう、私はぼんやり目を閉じていたが……。
まばゆい光が天から降ってくる。
その光へと向って、私の体が徐々に、徐々に浮いてゆく。
そう、まるでその光に導かれるように。
為すがまま、体をその動きに任せていると……。
ああ!
どんどん浮かび上がってゆくたび、その光は強くなる。あまりに強くて正視していられなくなり、思わず手で目を遮っていると……。
一九二五年八月十五日 時刻、不明。
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