『お前なんて死ね』
『うざい…』
『消えろ…』
私が、いったい何をしたっていうのだろう?
いつもそんな事ばかり考えている…。
私は中学に入ってから、ずっといじめられてきた。
社会人になれば、いじめなんてなくなると思ってたのに…なくならなかった。
もちろん、理由なんて分かるはずもなく…。
そんな事もあって、私は自分の意思をなくしてしまったの…。
何を言われたって…ずっと我慢して生きてきた。
言いたい事もやりたい事もたくさんあったのに…。
でもね、ある日あなたに出会ったんだよっ。
あなたは、とても優しそうな人だったよ。一目でそう感じた。
私の存在をあなたは知っていたのかな…?
毎日、同じ時間に電車に乗ってたんだよっ。
あなたを初めて見かけた時、あなたは駅の売店で、順番を抜かされてたね…。
だけど、その人に何も言わなかったよね。
きっと私も何も言わなかったよ。ううん…きっと言えなかった…。
もしかして、あなたもずっと我慢して生きてきたのかな…?。
ごめんなさい…。
私…あなたに恋しちゃったみたい。
会社に行くのは嫌だけど、電車であなたに会えるのが…唯一の幸せだった。
でもね、もう耐えられないよ…。
今の会社を辞めたって、また同じ事の繰り返しだと思うから…。
だから決めたんだ…。
一日だけ、自分に素直に生きてみようって。
一日だけでいい…。
だってもう疲れたよ…。
―――…‥
「今日は遅いな…」
今日は素直に生きるって決めた日…私はいつもより早く駅に向かった。
あなたに気持ちを伝えたくて…。
それなのに、あなたは現れない…。
どうして…?神様お願い…意地悪しないで…。
すると、あなたは慌てた様子で走ってきた。
どうしたの?朝寝坊かな…?
電車はあなたを置いて進んでいった。
そして、あなたと目が合った。
恥ずかしそうに微笑んでるあなたの事を、私は愛しく思えた。
「遅刻ですね?」
私はあなたに歩み寄って、声をかけてみた。
すごくドキドキしてたんだよ…。気づかれてたのかな…?
初めて聞くあなたの声は…とても優しい声だった。 想像したとおり…。
あなたは、私の言葉にすごく驚いていたね。
本当はね…すごく怖かった…。変な女だと思われそうで…嫌われちゃいそうで…。
「いいよ…」
あなたは、私の言葉を受け入れてくれたね。すごく嬉しかった。
ありがとう…。
「名前は?僕は神咲春人」
そういう名前だったんだね…。あなたは『春人でいいよ』そう言ってくれたけど、春くんって呼ぶからねっ。
映画館に行ったね。
どうしてあの映画を選んだの?ずっと観たかった映画だったから…ビックリしたよ。
ありがとう…。嬉しかった。
「泣いてるの?」
映画が終わると…あなたは私の顔を覗きこんできた。
「泣いてないよ…」
私、嘘ついちゃった。
でも知ってるよ…。
本当は、あなたも泣いてたよね?言わなかったけど…。
「お腹空かない?」
そう言って、あなたが知ってるお店に連れていってくれたよね。
一緒にお昼ご飯食べたよね。ハンバーグ…本当に美味しそうに食べいたよね。
まるで子供のように…。
「あのぬいぐるみ、すごくかわいいね?」
私がそう言うと、あなたは夢中で取ろうとしてくれたよね。
私もチャレンジしてみたけど、ダメだった。
二人でプリクラ撮ったよね。まさか、あなたと一緒に撮れるなんて思ってなかった…。
二人して変な顔…。あなたといると、時間はあっという間に過ぎていく。
ずっとこのままでいれたらな…なんて思っちゃたりして…。
あなたと過ごす時間も…次第に少なくなっていく。
夕日も沈み、夜空には綺麗な星たちが輝きだした。
いつもより綺麗に見えたのは、隣にあなたがいたからかな…?
「携帯番号教えてくれないかな…?また会えるよね?」
本当に嬉しかったよ。でもね、もう会えない…。あなたの目…じっと見れない。
「ずっと好きでした…」
この言葉だけを伝えたかったの…。
どうしたのかな?涙が止まらない…。
いきなり…走りだして驚いたかな…?嫌われたかな…?
自分勝手だよね…?
ごめんなさい…。
私ね…昔、通ってた中学校の屋上にきてるの…。
すごく嫌いな場所…。
あなたは…今、何してるのかな…?もう寝ちゃった?
二人で撮ったプリクラ…やっぱり変な顔…。一枚くらい…真面目に撮ればよかったね?
自分が出した答えが間違ってるなんて、分かってるよ…。
私には…こんな答えしか出せなかった。
最後に春くんと一緒に過ごせて…本当によかった。
あなたからすれば、迷惑だよね…。
これからもずっと…あなたの事を見続けてもいいですか…?
どんな人と幸せになるのかな…?
あなただけは…ずっと幸せでいてね。
私、今までいじめられてきたけど…その人たちを恨まないよ…。
これは自分で出した答えだから…。
バイバイ…春くん…。
さよなら…。
ありがとう…。
最後の恋…。 |