第四十三話 決戦の場
第三者視点
「贋作能力?一方通行じゃなくてか?」
百合子の能力はシンの予想を大きく外した。
シンは百合子の風貌から、能力は完全に一方通行だと思っていた。
「一方通行?それも出来ますよ。この髪はそれの副作用ですし。」
百合子は自分の脱色されきったような髪をさわりながら言う、しかしその髪は絹のようにサラリと百合子の手から逃れる。
「なんで超に加担する?」
シンは聞いた。
「利害の一致、これにつきます。超に口止めされていたのは計画だけなのでいいでしょう。私は学園都市の人間です。第三次世界大戦のずっとずっと後の」
「なに?」
シンは怪訝な顔をする、エツァリが来たのは第三次世界大戦の前、しかし百合子はそのずっと人間だと言うからだ。
「話しはここまでです、これ以降は計画に加担してから・・・・・と言いたいですが大出血サービスです、今日明日にかけて学祭でまほら武道会というお遊びがあります、それの本選で私に勝ったら無条件で教えて差し上げましょう、負けたら計画には加担してもらいますが情報は教える、悪く無いと思いますが?」
「それでお前のメリットは?」
そう、これはあまりにもシンに有利すぎる、勝っても負けても最終的には情報はもらえるのだから。
シンにとってはまほら武道会に出るだけで情報が手に入る。
「私は確かめたいんですよ、科学とオカルト、どっちが強いかを。」
さっきの妖艶な笑み、その笑みと共に現れた、紅いモノそれは科学者の目でそれは狂人の目でもあった。
本来の鈴科百合子が一瞬だけ姿を現した。
ゾクリ・・・・・・とシンの背筋にナニカが走る、それは豹変した百合子への驚きか、超能力と戦うことが出来る事への武者震いか。
「いいだろう」
シンは立ち上がる。
「オカルトの力、見せてやるよ。」
「いいでしょう、楽しみにしてますよ。」
シュン!と百合子は消えた。
「まほら武道会・・・・いいだろう、ならば・・・アレだな。」
「シンさん!ここにいたんですか?」
シンが百合子の対策を丁度思いついた時、刹那とネギがシンを見つけた。
2人はかなり探したようで、一般人を大きく上回る体力の持ち主の2人が息を切らしていた。
「あの、さっきの白髪の女性は・・・」
刹那は百合子が見当たらなく、きょろきょろと辺りを見る。
「アイツはもう行った。それより刹那、俺も急用が出来たから行ってくる、何か起きたら電話してくれればいい。」
「え、ちょっと、シン「悪い!」あ、行っちゃった。・・・」
ズーーーーーーン
と刹那が沈む、
(私って魅力ないのかなぁ・・・)
「刹那さん!元気出して下さい!」
「そうだぜ!旦那もさっさと用事終わらせて、姉さんと一緒に学祭回るためかもしれないぜ!」
「ありがとうございます・・・・」
そんなことも知らないシンは
『はい、僕の世界では学園都市最強は一方通行でしたし、能力も贋作能力等という能力じゃありませんでしたよ?』
シンは、仲間の中で唯一学園都市のことを知っている魔術師、エツァリに百合子のことを聞いた。
『鈴科百合子・・・・全く聞いたこともありません、第一位と言うのですからレベルは5だと思いますが、・・・・やっぱり僕は力になれませんね、申し訳ありません。』
「いや、悪かった、こっちは俺だけで何とかする。」
『しかし、一方通行を使えるんでしょう?それもチョーカーなしで、それじゃあ勝ち目なんて。それこそ幻想殺しがないと』
彼は最強状態の一方通行の能力への対抗策を挙げる、それは最弱であり最強でもある能力、しかし歴史上一方通行に対抗できた戦法は3つある
一つは先述した幻想殺し
二つ目は無意識に反射するベクトルを選別していることを逆手にとった垣根提督の未元物質
そして一方通行のAIM拡散力場を解析し尽くした木原数多の戦法だった。
「大丈夫だ、それじゃあそっちも情報収集頼んだぞ。」
電話を切る。
シンの携帯の画面は黒一色になる。
「さて、エヴァの別荘に行くか。」
シンはある業を修得するため、この学園で最も修行するにふさわしい場所に行く。
「えーーーシンさんどっか行っちゃったん?」
「はい、何でも急用が出来たと。」
刹那はネギとのどかのデートを尾行している木乃香と合流してシンの事を説明する、学祭を一緒に回ろうとしていた木乃香はシンの失踪に不満顔だ。
「こんな時に、でも刹那さんにも言わないなんて、・・・・また魔術師が・・・」
夕映はシンがどこかに行った理由を考え、行き着きたくない結論を魔法を知らないハルナに聞こえないくらいの声で口にする。
その結論はあながち間違ってはいない、それを聞いた明日菜と木乃香の顔は周囲の気温が五度は下がったかと思ってしまうほど青くなる。
「かもしれません、しかしそれなら私や学園長に避難などを要請するはずです、なので恐らくそれほどの危険はないかと。それにシンさんが何処に向かったかわからないので、探しようが。」
「ちょっと!何話してるの!?ネギ君とのどか行っちゃうよ!」
「待ってハルナ!」
一般人のハルナの言葉でみんなは2人の追跡を再開する。
「それでユリの能力まで教えたのカ?」
暗い空間、その部屋を照らすのは10枚近くあるモニターだけ、そして何百本ものコードが床を全て覆い隠す。その中で蠢く人影が4つ
「ええ、彼の目の前で空間移動を使って、この髪と目からも一方通行が使えると予想されていました、その時点で能力を複数使えると推測されますから。」
純白の髪を揺らし、外見からは予想も付かない言動で話すのは鈴科百合子。
「まあ、いいんじゃない?彼は大会に出るようだし、大会で説明不能で超常現象が起きれば。」
そう言うのは白衣を着た眼鏡の少女、葉加瀬聡美。
彼女は尋常じゃないスピードでキーボードを叩きながら話す。
「それにシンさんはマスター同様、私たちの計画には介入してこないかと、魔術や百合子さんの超能力には非常に厳しいですが、それ以外は基本的にノータッチです。」
耳飾りを付けた、科学と魔法のガイノイド、茶々丸も葉加瀬同様、キーボードを叩きながら話す。
「ようこそ麻帆良生徒及び部外者の皆様!--------」
「おヤ?そろそろ出番のようネ、じゃあ行ってくるヨ。」
中華風のドレスを着た少女、超鈴音は懐中時計を片手にシュン!と消える。
「フウ、超もなんであんな回りくどいことを?」
百合子は計画の回りくどさにため息をつく。
それを見た、葉加瀬はそれじゃダメですよと笑い、
「超は憎しみの連鎖を嫌うから、田中さんだってビームは服を吹き飛ばす程度だけど、その気になれば大量殺戮兵器にだってできたんだから。」
「甘い、科学者としてテロリストとして、革命家として・・・・・・私も行かなくては」
百合子も空間移動で予選会場に行く。
2人は外のまほら武道会予選を見る。
「そんな甘さも超さんのいいことですし、それでも計画は十分達成できます。」
「百合も分かってるのにね。それに超は私たちの同志であり、超能力者であり、・・・・魔法使いでもあるんだから。」
「ホントに父さんがこの大会に!?」
「そう言えばそうだったかなぁ~?」
超のひと言に予選会場にいるネギ達は騒然としていた。
「父さんが・・・・ここで」
ネギは拳を握る、その拳にはどのような思いが、決意が、気持ちが込められたのか分からない。
「それは事実だ、アイツが優勝してウェールズに帰ってきた時、俺が初めてアイツと会った。」
新たな声が響く、そっちの方を見るといつもの見慣れた神父服を着てはいるが、いつもの優しい目と違う目を持つシンがいた。
「シンさん!急用は大丈夫なんですか?」
「ああ、まあな。」
刹那はシンに急用のことを聞いたが、シンは何とも言えない返事ではぐらかす。
急用の全てがこの大会のためと言ったら刹那になんと言われるか分からない。
「何故お前がここに?、賞金などお前の魔術を使えば問題ないだろう。まさか試合観戦なんて言わないよな?」
エヴァは答えが分かりきった質問をする、質問と言うより確認と言った方がいいかもしれない。
それに答えるようにニヤ・・とシンは笑う
「もちろん、俺も出る」
「さあーーー!参加希望者はくじを引いて下さい!引いた人は中へどうぞーーー!」
司会である朝倉の言葉で、参加者は動き出す。
「サァ、行くかァ」
「さて、行くか」
「行きましょう皆さん!」
それぞれの思惑を孕み、まほら武道会が始まる。
「オイオイオイ、まさか一方通行まで来ちゃったかぁぁ~、こりゃあ我も黙って見てられねぇな~~。」
とうとう決戦の場が整いました。それぞれの思惑の中シンが戦います。これで当分禁書キャラは現れません。
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