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第四十一話 能力の影
刹那視点

 工学部に行ってから数日、シンさんは帰ってきていない、どうやらエヴァさんにも言ってないようだ、学園長は十字教の仕事で出張と言っていたが、そんなわけがない、シンさんは異世界の人間であり、この世界の十字教徒ではないからだ。

 私は今学園祭の出し物のお化け屋敷の内装の準備をしている、と言ってもベニヤ板に黒一色に塗るという単調な作業なので(複雑な部分は早乙女さんなどが描いている。)こんな事を考えてしまう。

 「刹那、まだシンさんから連絡は来ないのか?」

 私に声をかけてきたのはシンさんのもう一人の従者であり、仕事仲間の龍宮真名である、彼女もシンさんがいなくなったことについて知らなかったらしい。
これでシンさんがいなくなってから30回目だ。

 「全くだ、従者を置いて何をしているのか・・・・」

 「あの~~桜咲さん、」

 私が真名に愚痴っているとえっと・・・春日さんが声をかけてくる、彼女とはあまり交流がなかったのに・・・

 「実は、これを・・・・」

 春日さんが一通の手紙を渡す、差出人は・・・・・シンさん!?

 「なんでこれを春日さんが!?」

 「い、いやぁ~さっき校舎の前でシスターさんに渡してくれって(く、苦しい)、そ、それじゃあ私は行くから!(ボロが出ないうちにーーーー)」

 「そういうことか」

 「何がだ真名?」

 真名が何か納得したような顔をする。

 「いや、それより手紙を見てみよう、普通の手紙だしいいだろう」

 手紙は以前の映像が出るような物ではなかった。真名が促したので手紙を読む。

内容を簡潔にするとこうなる。



  真名、刹那、木乃香へ

 俺は今、北欧に来ている、もちろん魔術がらみだ

 何も言わずに出たので心配すると思うが問題ない、ちょっと北欧の魔法書を読みに行くだけだ、なる
べく原典に近い形で読みたくてな、学祭の前日には戻る。

 お土産は期待しないように、それじゃあ。

  シン・F・ハント



 「やけに短いね」

 「だが安心した、お嬢様にも読ませて差し上げないと。」

 お嬢様もシンさんを心配していた、明日菜さんがフォローしてくれていたがさすがに答えているらしい。

 「そうだな」

 私はお嬢様の元に走っていった。



 シン視点

 「おお!あなた様が中央のメシア!まさかこんな所までお越し頂けるとは。」
 
「いえ、それより手紙でも書いたように魔法書を見せて頂きたいのですが・・・」

 俺は今スウェーデンの魔法図書館にいる、ある魔術を使用するための知識を得るためだ。
今は司書の男に挨拶に来たところだ。

 「はい、こちらに揃えてあります、北欧神話についての本ですね。」

 「はい、ありがとうございます。」

 連れられたところは一人が作業するには十分すぎる広さの部屋だった。わざわざ俺一人のために個室まで、さすが英雄特典。

 「そんな滅相もない!あなた様の武勇伝はスウェーデンにまで行き届いております。あなた様の力になれるなら本望です!」

 ここまで来るとさすがに気まずいな~、まあもらえるの物はもらうが。
 
 「・・・そ、それとご無礼を承知でお頼みしたいのですが」

 なんだ?魔術とかなら即決でダメだが。

 司書の男は申し訳なさそうに

 「サイン!頂けないでしょうか?実は息子があなた様のファンで」

司書の男はどこからか色紙とペンを渡してきた。

 「・・・・え?あ、ああもちろんいいですよ。」

 サラサラと色紙にサインを書く、ヘラスでは日常茶飯事だったが此処でもするとは。

 「あ!ありがとうございます!・・・・それでは失礼します、何か用事がある時はお呼び下さい」

 「ええ、ありがとうございます。」

 司書の男は出ていった、俺は一人になった部屋の中心の机に積まれた魔法書を適当に取り、いすに座って読みながら学園での事を思い出す。





 「頼みだと?」

 俺は大太刀を降ろす。
 ここは情報を可能な限り引き出すのがベストだと考えた、さすがに中学生に拷問は出来ない。しかも、こいつが学園都市について知っているなら。

 「そう、私の計画に加担して欲しいネ」

 「計画?内容は」

 俺が計画に加担することのメリットが言われていないが、ひとまず計画の内容を聞く、報酬などは俺を動かすことができる代物だろう

 「内容は言えないネ・・・・・だけど報酬は何故ここで学園都市の技術が使われているか、でどうかナ?」

 言えないか、いかがわしいことだけは確かだな。

 「そんな不確定要素満載の計画に参加すわけがないだろう。」

 確かにその情報は知りたいが下手に契約を結べない。

 「やっぱりそうカ・・・・だけど私はあきらめない!また勧誘に来るヨ!」

 ここまでか、まあまた来るようだしその時に情報を引き出せばいい。

 「そうか、まあ内容を教てくれれば考えないこともないが?」

 だが少し探りを入れてみる。
しかし麻帆良の最高頭脳と言われる目の前の女、そう簡単には揺らがず、逆にこっちを揺るがす言霊を放った。

 「ソカソカ、それじゃあ・・・・私の能力は暴走回路(オーバーサーキット)って言うんだヨ」

 「能力だと!?」

 ゴゴゴゴゴ!と建物が揺れる、くそ!罠か!?

 「おヤ?茶々丸が暴走したかナ?娘が自立するのはいささか悲しいものネ。」

 茶々丸?あいつ等よけいなことを!

 「そんな事より!お前!」

 俺がさっきの事を問いただそうと突っ込む、しかしドガァッ!と天井が崩れ出す。

 「じゃあね、シンさん♪」

 崩れるガレキの隙間から超が笑顔で手を振るのが見える。

 「迎えに来ました、超」

 ガレキが崩れる音が全ての空気を振るわせる中3つ目の声が聞こえる。
 助っ人か?

 「お!ナイスタイミングネ!」

 誰だアイツは!?
 俺はガレキの隙間から超を迎えに来た誰かを何とか見ようとする。

 そして見えた物は

「!!!!!!!、アレは-------」

しかし、ガレキが治まった時には超はいなかった。





 俺は魔法書のページめくる

パチパチと暖炉の炎が揺れる。それに伴い部屋の壁から天井にかけて出来た俺の影が揺れる。

 あの時、超の後ろは行き止まりだった、
 つまり超の仲間、超に超能力を与えた人物は少なくとも空間系の能力者だ。

 しかし俺の記憶にはそれを結論づけられない事がある。

 あの時降り注ぐガレキの隙間から見えた物

 血のように紅く、ルビーのように輝く、全てを飲み込むような二つの瞳。

 超はエヴァから魔法に付いて聞いているはずだ、それに学園都市の技術、それこそ滞空回線(アンダーライン)のようなものがあればこの学園の魔法先生など観察し放題だ。



 もしあの瞳が見間違いではなかったら


 もし助っ人があの能力なら


 もしその能力者の自分だけの現実(パーソナルリアリティ)がファンタジーの世界まで拡張されていたなら


この世界の魔法使いでは・・・・・勝てない。



どうも北中津です。
とうとう出てきた超能力者、
原作のロシアで頑張ってるロリコンではありません。


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