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第三十七話 現在《いま》
第三者視点

 場所はエヴァの別荘、その屋上にネギ達はいた。
 空では大きな日が彼らをジリジリと見ろ降ろす。

 「「「「・・・・・・・」」」」

 シンの記憶を見た後、みんなはネギの時のように涙を流す者は無く。
 全員が口を閉じていた。

 「俺の記憶はこんなとこだ、まあ見てもらいたかったのは・・・・わかるよな。」

 沈黙の中、シンは口を開ける。
 その声は、反省した悪ガキを諭すような、優しいものだった。

 「最後の、学園都市ですか?」

 刹那がおそるおそる聞く、他のみんなも察しが付いていた。

 シンはそうと短く言い

 「そう、他の話は思い出話程度、本命は最後だ。」

 「おい、あの学園都市での二人、片方は上条当麻と言っていたな?」

 エヴァが立ち上がりシンに聞く。

 「よく覚えてたな、上条当麻、海原光貴は大切な人をあいつに任せた。上条当麻はあんな戦いをいつもしていた、イギリスのクーデターにも巻き込まれた、こっちの世界だけで起きたが第三次世界大戦にも参戦した。あいつは1年足らずで世界規模の戦いを幾つも経験したんだ、少し前まではただの高校生だったのに。海原がネギに明日菜を任せられず、大切な人をあいつに任せられた理由、わかっただろう?」

 「はい・・・・・」

 ネギは力なく答える。
 それにつられるように周りもどこか暗くなる、しかしシンは笑い

 「そう暗くなるな、上条当麻だって無力だったわけじゃない、それにアイツは自分の意志に従ったことだ、後悔してないだろうさ。俺が言いたいのはアイツのように自分の意志で行動しろって事だ、そうすれば・・・・お前等だって、主人公ヒーローになれるかもな。」

 みんなはその言葉にホッとした表情になる。
 そのまま、みんなはいつもの元気を取り戻す。

 「ナギだって、自分の意志で行動してた、まあ悪く言えば唯我独尊だったが。」

 ナギも自分勝手でお調子者だった、しかし自分の意志だけは曲げなかった。
 ネギも決意を新たにした。

 しかし、それで終わらない者も居た。

 「それよりも魔術の事なんてまったくなかったぞ!そっちも教えろ!」

 「あ~・・・いいけど」


 そのまま魔術講座に突入


 「才能の無い人間がそれでも才能ある人間と対等になる為の技術、か。」

 「ということは私たちにも・・・・」

 「「「シンさん!私たちに「断る!」なんで!?」」」

 魔法使い以外がシンに迫るがシンはそれを一刀両断した。

 「いっただろう、今まで何も知らなかったお前達に教えるわけにはいかん、そんなことをしたらこっちに本当に戻れなくなる。(シスター達はもう入っていたから教えたが)あきらめろ。木乃香達と違って何もしなければ問題ないんだから。」

 木乃香やネギは今のままでも様々な者に狙われる、しかし他の者は基本的に一般人だ。それを魔術という希少技能が使えることで危険は一気に跳ね上がる。シンが使う魔術は特殊だが魔術は普通発動するのに儀式場の準備や詠唱など非常に時間がかかる、そんな魔術では自衛にもならない。

 「ほら!これで終わり!明日も学校だろ、寝ろ寝ろ。」

 シンはどうせごねるだろうと思い、話を無理矢理終わらせた。



 そして夜

 「あ、あのシンさん・・・」

 「ん?どうした明日菜?」

 みんなが寝静まった夜、そこはさっきとは違う沈黙が支配していた。
 太陽と対をなす月は音もなく優しく下を見下ろす。

 シンは外で夜風に当たっていた、そこに明日菜がやってくる。
 海の方を見ていたシンは、振り向いて答える。

 「あの・・・海原君の事なんですけど。」

 シンには明日菜の話すことが分かっていたかのように、頷き明日菜の方を向く。

「海原か」

 「海原君、私のためにあんな事して、それで・・・・死んじゃって。シンさんはあの人の事を知ってるみたいで、教えて欲しいんです、あの人のこと。」

 明日菜は海原の事を唯一知っていそうなシンに尋ねた。
 明日菜はその場に座る。

 「海原か、そうだな・・・・俺の記憶に学園都市ってあっただろ、あそこは完全に科学だけの都市で魔術なんて考えられなかった。海原は俺の時のようにある人物を監視するためにあそこに訪れた。」

 「ある人物?」

 「ああ、記憶に出てきただろう、学園都市の最弱、上条当麻だ。あいつの右手は全ての異能を打ち消した、お前と一緒だな。そしてあいつの近くにいた海原の想い人、御坂美琴という少女と出会った。」

 明日菜は自分と同じ魔法無効能力者に驚きつつも、無言で話を聞く。
 今明日菜にとって重要なのは魔法無効化能力ではない。

 「上条当麻は何人もの敵と戦った、そいつ等は誰もが悪というわけじゃなかった、一人一人に正義があり、それに上条当麻は自分の思いをぶつけた、それに感化され今まで戦った敵は、何時しか上条当麻の周りに集まるようになった。それは一人一人が世界に通用する実力者であり上条勢力と呼ばれた、それを危惧した海原の居た組織は学園都市に海原を送り込んだ、そして上条勢力には御坂美琴もいた。」

 とうとう出てきた御坂美琴という存在に明日菜は緊張する。
額に一筋の汗が走る、しかし明日菜は拭こうとはせず、そのまま顎まで行き、雫となってい落ちた。

 「海原がなんで御坂美琴に惚れたのかは分からない、とにかく御坂美琴に惚れた海原は上条勢力が他の魔術結社に攻撃されて御坂美琴が危険にさらされるの防ぎたかった、損得ではなく感情で動く上条勢力を止めるにはその中心である上条当麻を殺せば良かった。」

 シンの口から出た『殺す』、その言葉に明日菜はこの世界の残酷さを再認識する。

 「そして海原は負けた、そして頼んだ、御坂美琴と彼女の周りの世界を守ってくれと。・・・・お前と時とほとんど一緒だよ。」

 「・・・・・・」

 明日菜は何も語らない、シンは続ける

 「まあそんな奴の願いだ、これからもネギと一緒に戦ってくれ。」

 「・・・・はい!そうですよね、私が出来るのはネギと戦うこと!ありがとうございました!」

 「ああ」

 明日菜は寝室に戻っていった。
 場は再び沈黙に支配される、そこには2つの人影が。

 一つはシン

 「お前も寝たらどうだ、・・・・・真名」

 柱から出てきたもう一つの人影

 「夜戦も出来ないとやっていけないよ、一晩寝なくても大丈夫。」

 真名だった。

 「シンさんと話しがしたくてね。」

 長い夜を丸い丸い月は妖しく見下ろす。
どうも北中津です。
本日はこれと言って進みません。
まだ過去編は続きます。


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