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第三十話 試験とその後
第三者視点

 「それではぼーやの弟子入り試験を始める!条件は分かってるな。貴様が茶々丸に一撃加えられたら合格、その前にくたばったら不合格だ。」

 ヨーロッパ風な時計塔が十二時を指す、エヴァと茶々丸、ネギと仲間達が世界樹の広場に集まり、エヴァが試験内容を再確認する。

 「ハイ!よろしくお願いします!」

 ネギは拳を合わせ中国拳法の礼をする。対する茶々丸はよく見るメイド服や制服姿ではなく、動きやすいラフな姿でいる。

 「それでは始め!」

 エヴァが開始を宣言した。

 「行きます!」

 茶々丸はネギに突進し、左ストレートを放つ!

「契約執行!90秒間ネギスプリングフィールド!」

 ネギは自分に魔力供給をし左ストレートを防ぐ。
 パカッ!茶々丸の右肘が開きブースターが飛び出し、強烈な右ストレートがくるがネギは紙一重でかわす。
 それからはお互い攻めて防ぐ状態になる。

 「自分への魔力供給、よく考えたな。・・・・さてどう見る、シン。」

 エヴァは二人を見ながら隣にいたシンに試験の様子を聞く。まだ始まったばかりだが、二人は激しい撃ち合いを始めている。

 「長期戦はネギの負け、無作為に突っ込んでもネギの負け、勝つとしたら短期でのカウンター位しかないだろうが」

 「ああ、茶々丸もそんなこと重々承知だ。まあ茶々丸は、多少手を抜いているから行けるかもしれんがな・・・・チッ、あのボケロボ」

 シンは客観的に二人を見る、長期戦ではジリ貧になるだけだ、短期決戦で決めるしかない。
そんなこと分かっている茶々丸だが、何の気なのかその隙を与えている。その理由を知るのはもう少し先の事である。

 「ケケケ、ゴ主人ニ似タンジャネーノカ?最近丸くナッチマッテヨー、アーソレトシン、オ前の頭貸セヤ、コッカラジャ、ミエネー」

 エヴァの一番最初の従者で、従者の中で唯一エヴァにタメ口なチャチャゼロがエヴァを冷やかす。
かつて闇の福音などと呼ばれたエヴァだが今では半ギャグキャラ化である。

 「あいよ」

 ポンとシンは動けないチャチャゼロを頭に乗せる。いつも茶々丸に乗っているチャチャゼロは今回はチシンの頭である。

 「オッ見エルゼ見エルゼー、妹ヨリ眺メイイジャネーカ、ヨシ!ココハ私ノ特等席ニ決定ダ!」

 「姉さん!?」

 チャチャゼロはシンの頭を気に入ったようである。それを聞いていた茶々丸はちょっとショック。

 バキッ!

 「うわっ!」

 「きゃああ!」

 ショックを受けながらも、着々とネギを痛めつけている茶々丸。ネギは狙いのカウンターをかわされ、魔力供給もなく、ボロボロである。それでも立ち上がるネギを観客も見ていられない。

 「やさしい神父様は止めないのか?迷える子羊が痛めつけられてるぞ」

 エヴァは隣で静観しているシンに言う、しかしシンは顔色一つ変えず

 「アレが迷える子羊の目か、言うなれば千尋の谷に突き落とされたばかりの獅子だな。アイツはなんだかんだでナギの息子だ。アイツのあきらめの悪さ、知ってるだろう?」

 「ぐ・・・た、確かにそうだが・・・」

 シンは助けるつもりはないらしい。この試験がネギが決めたことで、その結果がアレならシンは関与しない。それにあの程度で負けるようなら元々ダメだと言わざる得ない。

 「ネギ君は大人なんだよ!今・・・今止めたらダメなんだよ!」

 シンが顔を戻すと、3-Aで最も子供っぽいまき絵がシンの向かいで言っていた、それをみんな聞き入っていた、茶々丸も・・・

 「っ!茶々丸!」

 「えっ?」

 パシ、弱々しい、触れるくらいの一撃、確かな一撃が茶々丸の顔に当たる。

 「へ・・へへ、い、一撃入れました。」

 ネギは安心したのか疲労故なのか、その場に倒れる。

 「マスター」

 茶々丸はネギを抱え、エヴァに判定を仰ぐ。

 「~~~~~!!!ネギスプリングフィールド、ご、合格だ」

 歓声が上がった。

 「くそ~~~あんな青い言葉に~~~」

 エヴァはまき絵の言葉に負けたも同然でかなり悔しがっている。

 「だが、まき絵の言葉も正論だ。」

 シンはニヤニヤしながらエヴァを見る。子供っぽいまき絵の言葉は中学生が言える言葉じゃなく、シンも感心していた。



 翌日

 「それで何のようだア・・・・・クウネル」

 「いやぁ~今度はちゃんと行ってくれましたね!」

 教会、ワインを飲んでいたシンにアルが訪ねてくる。アルはシンにちゃんと名前を呼んでもらったようで、上機嫌だ。

 「・・・・・・」

 「おいどうした!?今回はちゃんと行っただろう」

 シンに言葉にアルは反応しない。

「貴方も言って下さい」

 私ですか・・・・・教会、ワインを飲んでいたシンにクウネルが訪ねてくる。クウネルはシンにちゃんと名前を呼んでもらったようで、上機嫌だ。

 「OKです。」

 「なんのことだクウネル?」

 「いえ、こっちのことです。」

 なんだこいつ。

 「それで何のようだクウネル。わざわざ此処まで分身をよこして」

 シンの元に来たのはクウネルの分身だった、本体はドラゴンの守る地下にいるらしい。

 「私の元に来てみませんか?なかなか面白いものが見られますよ。」

 「面白い物?お前の面白いは怖すぎるぞ。」

 シンは今までの経験から特別警戒に入る。クウネルは笑顔のまま。

 「ははは、そう言わずに」

 グワッとシンの足下に穴が空き。

 「これは転送用の!クソォ~~~~」

 残ったのは、もぬけの殻の教会と空のワインボトルだけだった。



 「ドラゴン!?!?!?なんでこんな物がぁ~~!」

 「に、逃げますよ、夕映さん!のどかさん!」

 「ははは、こんな物がいる負けないじゃないですか。」
 
 「そうだよね~私初めて見た~」

 「二人ともーーーー!」

 「ネギ先生、逃げましょう。」

 「茶々丸さん!」



 「で、これが面白い物か・・・クウネル」

 「若き者のあふれる勇気!探求心!素晴らしいじゃないですか!」

 二人はドラゴンが守っていた部屋の中でネギ達のやりとりを見ていた。シンは呆れかえっているがクウネルは満足らしい。

 「もちろんこれだけじゃないですよ、昨日のキティの試験素晴らしいじゃないですか。」

 クウネルは話を変える、どうやら昨日の試験を見ていたらしい。

 「キティ?・・・「エヴァのミドルネームですよ」ああ、エヴァのKってそう言う意味なのか、まあネギにしては上出来だっただろう。」

 シンはエヴァのミドルネームに驚きながら、テーブルに置かれた紅茶を飲む。

 「あきらめの悪さは、ナギらしかったですね。彼の将来が楽しみです。フフフ・・・・・さて、本題ですが」

 シンの向かいに座るクウネルの目が変わる。その目は大戦の時の目だった。

 「シン貴方、シスター通信集めてますか。」

 クウネルが大戦時、シンにシスター通信を薦めた時の目だった。

 「・・・・誰があんなの集めるかぁぁ!!!」

 ドガァァ!

 「おお!これがジャパニーズ卓袱台返し!シン・・・まさか会得していたとは。」

 「お前・・・・巫山戯てるのか?」

 シンは大太刀を取り出す。

 「いえいえ、そうだと思って・・・・・シンの従者に送っておきましたよ。段ボールで」

 「は?」

 プルルルル
 シンの携帯電話が鳴る。名前を見ると真名からだった。

 「や、やあシンさん、今朝私と刹那に段ボールがふたつ来たんだ。差出人は書いてなかったんだが、君に届けてくれと書かれていてね・・・・・貴方は巫女服には興味ないかな?それなら私がっ!ちょっと待て刹那!」

「シンさん!私も袴姿が有りますよ!それに・・・シンさんがそんなのでも私は/////」

 ガチャ

 プルルルルル

 「シンさ~ん?なんかシンさん宛の段ボールがウチに届いたんだけど、開けていいん?」

 「フフフ、彼女には刺激が強いと思いまして、貴方宛にしておきましたよ。変な影響を与えたら詠春がうるさそうですし。」

 「木乃香!今から取りに行く!それを守れ!特に刹那と真名に!・・・・・クウネル、何時か殺す!」

シンは走っていた。

「パクティオーカードで召喚すればいいのに、此処は飽きませんねぇ~」


そのころの茶々丸

「ハカセ」

「おっ!どうしたの茶々丸!定期検査はまだだと思うんだけど。」

「あの・・・・頭を変えて下さい!」

姉思いの妹の一時。




どうも北中津です。
お陰様で三十話まで行くことが出来ました。
これからもとある神父と魔法先生をよろしくお願いします。
次回から悪魔襲撃編に入ります。


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