第二十九話 弟子入りのための弟子入り?
第三者視点
「ハント神父ー!」
最近エヴァの別荘にいることが多いシンだが今日は神父として教会にいる。
シンが教会の周りを掃除していると、制服姿の美空が来た。
「おお、美空、修学旅行ぶりだな。」
シンは修学旅行から教会に顔を出していない。
シンはフェイトとフェイトについている魔術師について調べるため、麻帆良を離れていた。
そして情報屋などを回って昨夜帰ってきた。
「ハント神父!今まで何してたんですか!?あんな凄いことがあって翌日からいなくなっちゃって、シスターシャークティなんて、「見捨てられたー!!」とかいって号泣でしたよ。」
どうやらシンが離れていた間にいろいろあったようだ。
「それはさっき見た、すまなかったな。・・ああ、あと京都では旅館を守ってもらってて悪かったな、何もなくて良かった。」
シンは美空がくる前にシスターシャークティに会っていた。その時はこいつ本当にシスター?と思う泣きっぷりで周りはみんな引いたらしい。
「お、おやすいご用でしたよ!これでもシスターですし!(ぐっすり寝てたなんて言えないぃー!)」
シン達が湖で死闘を繰り広げている間、他の魔法先生が守っている中で美空は一般の生徒に混じって眠りこけていた。
そんなこと言えない美空の額には汗がだらだらと。
「それより、ネギ先生が最近古菲に中国拳法を習っているらしいですよ。毎朝世界樹の広場で集まってるって。」
美空は急に話題を変える。ボロは出したくないからだろう。
「中国拳法か」
「ネギ君?エヴァちゃんに弟子入りするためにしてるって言ってたよー」
シンは美空の話を聞いてから、気になってネギの同居人である木乃香に電話で聞いてみた。
木乃香はシンからの電話に始めは焦ったが、普通に答える。
「エヴァに弟子入りするために何で古菲に弟子入りしたんだ?まあ本人に聞けばいいか。ありがとな木乃香、今度礼はするぞ。」
「そうか~楽しみにしとるわ~(デート!デート!)」
電話を切る
弟子入りのための弟子入り?とシンは思うがエヴァのことだからどうせ無理難題をふっかけたんだろうと結論づける。
「美空、ちょっと教会を空ける、留守番頼んだぞ。あと魔法の練習もしておけ。」
シンは電話を置き、修道服に着替えた美空に留守番を頼む。さすがに教会を空っぽには出来ない。
最近はシスター達の魔法を見てやる時間がなく、自主練がほとんどであり例によって今日もそうであった。
「えーまたですか、お気おつけて~」
美空は力なくシンを見送って、またシスターシャークティの愚痴を一人で聞かなくてはいけないとうなだれる。
「ぼーやの弟子入り試験か、内容はぼーやが茶々丸に一撃入れることだ。」
「無理だろ」
シンはエヴァの家に行き、弟子入りの試験についての内容を聞いた。シンはどうせ無理難題だろうと思っていたが、シンの予想の斜め上を行ったらしい。シンはソファーに座っているエヴァの対面でお茶を一口。
「しかし、ネギに勝機はあるのか?茶々丸は結構な使い手だろう。」
茶々丸は合気柔術を会得しているエヴァと、真帆良の最強頭脳と呼ばれ、古菲と互角に渡り合える中国拳法の使い手の超鈴音が作ったガイノイドであり、戦闘技術は計り知れない。
茶々丸とシンが戦えば、シンの聖人の力のごり押しで勝てるかも知れないが、そんな力がないネギには勝つ見込みが極端に低い。
「茶々丸の計算では勝率3%らしいがそんなものに負けるようじゃ、私の弟子になる資格はない。しかし、もしぼーやが弟子になれなかったら貴様の元に行くかもな。ククク」
茶々丸の計算はおおよそ正解だろう、付け焼き刃の中国拳法で勝てるわけがない。
エヴァもまた茶を一口。
「試験は今夜だ。今頃最後の練習でガキ共と楽しく修行中だろうさ。世界樹の広場だろうから見に行ってみろ。」
エヴァは広場を指さし、言う。
「ああ、そうするよ。」
シンは立ち上がり、外に出る。古菲は一般人の中では最強クラスの人間だ、そんな者に一対一で教えられたネギの成長に興味を持ったシンだった。
「あ!シンさーん!」
シンが広場に行くと3-Aの何人かが夕食をとっていた。
その中の木乃香がシンを見つけて手を振って呼ぶ。
「頑張ってるようだな。エヴァから聞いたぞ、試験は難しいが100%負けるわけじゃないんだ。月並みだが、あきらめなければ勝てるさ」
シンは木乃香の隣に座りながらネギに励ましの言葉を言う。修学旅行の一件からシンはネギを多少評価しているようだ。
「す、すいません。あの春の時ありがとうございました。」
大河内アキラと和泉亜子がシンに礼を言う。春の時とはシンが二人をナンパから助けたことらしい。
シンは少し考えて、思い出したらしく。
「ああ、あの時の娘か。気にするな、アレは向こうが倒してくれと自分からアピールしていたようなものだ。」
確かにあの手のナンパは倒される以外の道がない。あれが運命なのだろう。
「そう言えばシンさん。なかなか出来そうアルネ、どうアルか?此処で一勝負。」
古菲は夕食を食べ終え、食後の運動代わりにシンに勝負を挑む。
ネ ギは夜の試験が控えているので戦えないので、高レベルの戦いを見せるだけでもしようと思ったのだろう。
「俺は我流だぞ?それでもいいなら構わんが。」
シンの戦闘は基本的に我流である。メイスの使い方はアックアから学んだが、格闘や大太刀やアスカロン、フルンティングは実戦で学んだ。それ故に非常に実戦向けで中国拳法のような形式美はなく、悪く言えば野良犬拳法である。
「もちろん、望むところアル。」
しかし、強い者と戦う事のみを求める古菲には関係なかった。
「それじゃあ、」
シンは立ち上がる。
「尋常に」
古菲は構える。
「「勝負!」」
二人がぶつかり合った。
「はっ!」
シンは正拳突きを叩き込む。まずは小手調べらしい。
「甘いアル!」
古菲は壁を貫通するほどの正拳突きに手を添えるようにかわし、そのまま肘打ちをする。
「ぐっ!」
肘打ちはシンの腹に当たるが、後ろに飛んでダメージを減らし、聖人の体によりほとんどダメージはない。シンは瞬動で距離を詰め回し蹴りを喰らわせる。
古菲は両手を交差させ防ぐ、そして至近距離での
「はああああああああ!」
「うらあああああ!」
ドガ!バキ!
殴る殴る殴る殴る!もはや拳法もあった物じゃない。殴り合いながら二人は次のアクションのタイミングを計っていた。
動き出したのは古菲だった、シンの腕を掴み。そっと、手を添える。
「きまった、アル」
バン!少し時間が経ってから、シンの体から巨大な音が。
「なかなかの浸透剄だ。だが・・・・・俺は普通の人とはちょっと違うんだ。」
ドン!
「かはっ!、・・・・・・ズ、ズルイアルよ。」
古菲の浸透剄を物ともせず、シンは油断した古菲に重い一撃を入れる。
「悪いな、戦闘技術だけじゃ完全に負けてたよ、俺も精進が必要かな?」
この勝負、シンの勝利。
「大丈夫ですか!?古老師!」
ネギが古菲に駆け寄る。
さすがにあの一撃の重さは一般人でもわかったらしく、みんなも集まっていく。
「ははは、弟子の前で情けないアル。シンさん、私の負けアルネ。」
「そうでもないけどな、技術だけならお前の方が上なんだからな。ネギ、いい師匠を持ったな。」
「ハイ!」
ネギは自分の師匠に誇りを持つ。古菲は中国拳法の師匠としては最高の師匠だろう。
「こらー!私だって!教えるのは上手いんだぞ!」
「どうかしましたか、マスター?」
「い、いや、何でもない」
空気を読んだ吸血鬼。
どうも北中津です。
今回は弟子入りのきっかけと、組み手です。
相変わらず戦闘描写は苦手です。
ちょっと今回は無理矢理文字数稼いだ感もありましてすいません。
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