第二十三話 襲撃
第三者視点
「ごめんね木乃香、刹那さん運ぶの手伝ってもらって」
「別にかまへんよ。」
風呂で一騒動あった後、明日菜達が刹那を見ると真っ赤になって目を回していた。
どうやらシンがいなくなった時、照れとか緊張とかそう言う感情が一気に来たらしい。
さすがに中学生にはきつかったようだ。そして、みんなが寝室へ戻る時、明日菜と木乃香で刹那を運んだのだった。
「さあて、もう寝よ」
ゴン、明日菜の頭に何かが当たったようだ
「痛~何なの?」
何かが部屋から出ていたようだ。それは
「石像?」
「刹那さん!」
「ネギ先生!」
ネギと刹那もまた、異変を感じとっていた。二人は急に人気が無くなった屋敷を走る。
「明日菜さんとお嬢様は!?」
「分かりません!」
しかし、たった二人でこの広い屋敷から明日菜と木乃香を見つけるのは、いささか骨が折れる。
「そうだアニキ!パクティオーカードだ!」
ネギの肩に乗り今後のことを考えていたカモがパクティオーカードの念話の機能を思い出した。
「そ、そうか!えっと・・・明日菜さん、明日菜さん」
ネギは懐からパクティオーカードを取り出し念話を始めた。ネギが連絡を取っている間、刹那は辺りを警戒している。
「はい、・・・・はい・・・・、それでは木乃香さんをお願いします。刹那さん、木乃香さんには明日菜さんがついているそうです。後二人が・・・・石化したここの人達を見つけたと・・」
「そ、そうですか、良かった。しかし石化の魔法はかなり高度な魔法です。敵もそれほどの実力者かと。」
木乃香の安全を知り、ほっと胸をなで下ろす刹那。しかし、敵が高位の術者とわかり、警戒を強める。
「ネギ!刹那!」
そんなとき三つ目の声が二人の背後から響く、二人はいきなりの呼び声に身構えるが、声の主を知り構えを解く。いつも声を聞き慣れている刹那も構えてしまった。
「シンさん!それに・・・・長!」
シンは下半身が石化した詠春に肩を貸しながらやってきた。
この協会でも事実上トップの詠春がやられたことを知り、二人は驚愕する。シンには見たところ石化などの症状は見られない。
「すまん油断した。」
それは少し前
「どうですか、どうですかこの巫女さんは!」
シンは飲み足りないのか詠春の部屋で飲んでいた。・・・・がいつの間にか詠春の巫女講座となっていた。
「黙れ、お前結婚したんだから、こういうのもう止めろよ」
「何を言う!せっかくシンという趣味を共有できる友が来たのに」
「俺は共有したくない、あんまりうるさいと奥さんと木乃香に言うぞ」
「頼む!それだけは!」
瞬動術の応用の瞬間土下座である。なんて技術の無駄遣い。
「なかなかの土下座だな、そんなことよりもう日本酒はないのか」
「お前も飲み過ぎだ、前はワインばかりじゃなかったか?」
「あれは魔法用------後ろだ!」
ボフゥと煙のような物が詠春の後ろの障子から吹き出す。しかもこれは只の煙ではない。
「くっ、これは石化の」
パキパキパキと詠春の足の先が石化していく。
「やあ、またあったね、シン・ファナリス・ハント。」
煙が晴れるとそこにはシネマ村で会った白髪の少年悠然と立っている。
「貴様!」
「そう言えば自己紹介がまだだったね、僕の名前はフェイト・アーウェルンクス、君の予想通り僕は完全なる世界の者だ。」
「何故、お前がこんな所で」
シンは大戦での最後の敵であり、魔術を知っている敵に敵意をあらわにする。魔術は魔法ほどの火力はない、シンが使う魔術は特別製であり 普通の物には扱うことが出来ない。しかし、普通の魔術でも凶悪な物は存在する、誰にでも使えて、カード一枚で1000度もの炎の剣をつくり出すことも出来る。
故に魔術はあまり広められない。
「それは言えないね、ヴィシュ・タル・・・」
しかしシンの質問には答えず、詠唱を始める。また石化魔法をする気のようだ。
「チッ、天罰術式!」
バシャア!とフェイトは水になり、部屋を水浸しにする。また水による分身だったようだ。
「クソッ、またか!」
シンはまた同じ事をしてしまい憤りを感じる。
「シン、木乃香を・・」
それをよそに詠春の石化は進んでいく、もう太腿の辺りまで石化している。
「詠春、今助けを呼ぶ!」
そして今に至る。
「アイツは強い、下手をしたら天ヶ崎千草よりも、・・・・早く木乃香を!」
シンは焦る、二人には言っていないが完全なる世界の者がいる、それだけでシンが特別警戒する理由になった。
「はい!二人は今お風呂に!」
念話で二人は風呂に逃げ込んだと聞いているネギは答える。
「シン私はもうダメです、木乃香を」
パキ・・・・詠春は完全に石化した。シンは顔を伏せ、すぐに上げる。
「くっ、行くぞ刹那、ネギ!」
「「はい!」」
「も、もうダメ・・・」
「大丈夫ですか明日菜さん。」
風呂に行くと明日菜は全裸で、痙攣していた。男には目の毒である
「シンさん・・・・」
刹那はシンをじろりと睨む、この目も嫉妬故の物なのか。
「ごめんネギ、木乃香が・・・」
木乃香はさらわれたようだ。ネギと刹那が明日菜を診てると
「後ろだ!」
シンが叫ぶと、そこにはフェイトが
パン、ドッ
「カハッ!」
刹那の手を払い、腹に一撃を食らわす。
刹那は浴場の端まで飛ばされ、壁にぶつかる。
「刹那さん!許さないぞ!」
ネギは激昂するが・・
「フゥ、君にナギが出来ると思うんだい?ネギスプリングフィールド」
フェイトは用を済ませたようで、水を使ったゲートを使い、消えた。
「大丈夫か刹那!」
シンは刹那を起こし、安否を確かめる。どうやら問題はないようだがフェイトの格闘技術はそこら辺の格闘家よりはある。
「はい、何とか・・・しかしお嬢様が」
「名案を思いついたぜぇ!」
もっとも信用できない動物からの名案。
「刹那の姉さん!仮契約だ!」
「///えっ!???」
刹那は尋常じゃない赤さで赤面する。
「いいじゃね~か~、それで木乃香の姉さんを救えるんだぜ~」
狼狽する刹那をカモがじりじりと詰め寄る。
「し、しかし、・・・いえ、分かりました!」
刹那も覚悟を決めたようで
(よっしゃあー!これでアニキの戦力アップだー!しかも五万オコジョ$も)
カモは内心でガッツポーズを取る、しかし刹那はカモの喜びを軽々と打ち砕く。
「シンさん!お願いします!」
「はぁ!?俺かよ!」
「ちょ、ちょっと刹那の姉さんそこはネギのアニ「黙って下さい」はい」
カモは狙いがはずれ焦るが、刹那は気迫で黙らせる。
「シンさんお願いします。」
「それはお前が考えたことか、そこのオコジョが言ったからじゃないのか?」
「はい」
シンは基本的に人が考えて決めたことには口出ししない。もしその考えが、場に流されたりして出た考えや対して考えずに言ったことではそれをよしとしない。
「しょうがない、いいだろう。(何故か断れん?)」
ここにシンとテオドラを仮契約させた場の空気、再び。
「カモさん、お願いします。///」
「くそぉぉぉぉ・・・しょうがねえ、パクティオー!」
「んっ!!」
そして、シンと刹那は仮契約を果たす。
「/////行きましょう!、皆さん」
「「「おう!」」」
「よくやったやないか~、どうやって本山の結界を抜いたんや?まあええ、これでアレが」
天ヶ崎千草とフェイトは本山近くの湖に来ていた。
「待て!お嬢様を返してもらう!」
「チッ来よったか・・・しかし、これでどうや・・・・」
千草が詠唱すると
「「「「ギャアアアアアア!」」」」
軽く百匹を超える妖怪を召喚した。それは烏族、鬼等様々であり、昼間に月詠が見せた物とは違う正真正銘百鬼夜行だった。
「な、なによこの量」
「どうします、ネギ先生」
「僕が杖で飛んで木乃香さんを助けに行きます、その間皆さんは此処で」
「わかった」「はい」「了解した」
シンは本当は、フェイトにインデックスの世界の者について聞きたかった。しかし、この量では一般人に被害があると考え、此処に残ることにした。
「刹那、アーティファクトを」
「はい、アデアット!」
刹那がアーティファクトを出すと、それは二メートル以上ある日本刀になった。
「アーティファクトの名前は・・・天草の絆?」
そう、それはある十字教の宗派とある女教皇の絆、彼らが共通して持つモノ、剣だった。
「刹那、それは俺の知り合いが使っていた刀、七天七刀だ。」
シンは刹那の持つ七天七刀を見て語る。
「それを使っていた人はお前と同じで、特異な体質のため周りを遠ざけ、そして周りを信じることで真の仲間を得た、そして俺に七閃を教えてくれた人でもある。お前らしいじゃないか。・・・・・・しかし、その剣がアーティファクトなら名前は七天七刀となるはずだ、天草の絆と言うことは・・」
シンは七天七刀を手に取り、イメージする、教皇を待ち続け教皇代理として居続けた者の剣を。
「それは!」
シンが手に持った剣はフランベルジュとなった。
「やはりな、このアーティファクトは変化する機能がある、今は七天七刀だけでいいだろう。それは魔術が効率よく働く用になっている、夕凪と使い分けろ。」
「はい!」
シンもフルンティングを手に取り、
「行くぞぉ!」
駆ける。
それはこの先に待つ大きな戦いの始まりを告げる、小さな戦い。
どうも北中津です
刹那のアーティファクト登場です。
名前は天草の絆、
天草式がもつ太刀、洋刀、槍、斧などに変化する万能武器です。
特殊な能力はなく、強いて言えば武器が魔術向きに装飾されているという点です。
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