第十二話 修行
「それじゃあ、始めるか。」
俺とシスター三人組は、教会の裏の広場にいる。今日は三人に魔術を教える日の初日だ。
「「「よろしくお願いします」」」
いい返事だ。
「それじゃあ前言ったように、十字架を使うまじゅ、魔法を教える。この魔法は聖マルガリタの伝承、
聖ルキア、聖クリストフの伝承、神の子処刑の際の伝承を元にした魔法だ。」
魔術って言う言い方も変えた方がいいかな?
「聖マルガリタと十字架と言うことは、悪竜に飲み込まれた際、十字架を巨大化させてその腹を内側から破った、と言う伝承、聖ルキアは千人の男と二頭の牛に縄で引かれても一歩も動かなかった、と言う伝承ですか?」
シスターシャークティが答える、まあシスターとして当然だろう。
「・・・・・聖クリストフは、怪力と呼ばれた若い頃に背負った神の子の重さに屈服しかけたと言う伝承。」
うんうん、こんな娘も分かるとは、ここのシスターは優秀だ。
「・・・・・え~と・・・」
一名を除いて。
「美空~~~」
「ごめんなさいっ!でも宿題が~~」
「そんなの、毎日コツコツやれば大丈夫でしょう!」
「まあまあ、そこまでにしてやれ最後の伝承はわかりにくいしな、最後の伝承は十字架の教史最古の使用方法、・・・・・処刑の道具だ。」
「え?神の子の処刑の際は手足を釘で打たれ殺されたのでは?」
「確かにそうだ、だがそれの少し前、処刑場に向かう時に神の子に、十字架を運べるほどの体力はなかった。」
「・・・・そのかわり、シモンという男が十字架を背負って処刑場まで運んだ。」
「そうだ、見てみろ。」
俺は懐から三つの十字架を取り出した。
そのうちの一つを投げる。
「十字架は悪性の拒絶を示す!」
そう言うと、投げた十字架は凄いスピードで巨大化した。
そして二つ目を用意した木の箱の上に投げる。
「十字架はその重きをもって驕りを正す!」
メキメキと音を立て、十字架が木の箱にめり込み、貫通した。
「そして最後は、シモンは神の子の十字架を背負う!」
「うおっ!お、重」
「最後のは、重力魔法に近い。美空には俺達四人の装備品の重さを上から加えている。俺は幾つも術式用の十字架を持っているからな、重いだろう。俺は魔法のための道具をかなり持ち歩いているからな。これがもし重武装した集団が仲間の時にやればかなりの重さだ、脳震盪もねらえるぞ。」
「凄い・・・」
「さあ練習だ、これらを使うコツは、十字架がそれぞれ、大きくなる様、重くなる様、仲間の重さを集める様を想像してやることだ。さあ!始めよう。」
それから個人での練習が始まった。
やはりシスターシャークティは筋がいい、一番信仰深いからな。
そして二時間後、
「今日はここまでにしよう、さあ、明日も学校だからゆっくり休め。」
「「「は~い」」」
やはり、この世界の人間に魔術を使うのは、少しこたえるようだな。普通より魔力の消費が激しい。
天使の力じゃないからか?
俺は魔力もあるが、基本的に聖人の莫大な天使の力を使っている。(みんなには魔力と言っているが)
それでも一掃や天体制御はできない。あいつ等には天使の力も使わせてみるか。
そして夜、今夜は警備員の仕事だ。チームは刹那と龍宮真名という娘だ。なんでも四階音の組み鈴に所属していたらしい。こんな娘が・・・今は三人で担当の森を歩いている。
「刹那、お前の修行だが実戦の中でしてもらう、修行内容はお前が戦っているときに指示する。」
「実戦ですか・・・」
「確かに実戦で覚えるのが一番覚えやすい、より実用的だからね。それによい緊張感になる。」
「そうだな、それじゃあ早速。」
俺は刹那に今回の課題を渡す。
「ワイヤー?」
「ワイヤーですか」
「今回は、夕凪を攻撃に使うことを禁ずる。牽制などならいいが、攻撃にはこのワイヤーを使うんだ。一回だけ俺がやる。さあ、来たようだ。」
目の前には、何体かの鬼がいる。それを見ながら、影から大太刀を取り出す。
「ガアアア!」
「チョロいな、七閃!」
剣を振るように、七本のワイヤーで一体の鬼をバラバラにする。
「こんなとこだ、龍宮さんすまないけど此処の鬼は刹那に任せてくれないかな。」
「構わないよ、報酬がもらえて仕事が減るんなら大歓迎だ。それと真名と呼んでもらって構わないよ。」
「ああ、それじゃあ刹那頑張れ。」
俺は背後から迫ってきた鬼をかわし、真名を抱え後ろに飛ぶ。
「//!これじゃあ、お姫様」
「え!?ちょ、ちょっと!」
「グアアアァァァ!」
「ちっ!」
刹那は鬼の拳をかわし、夕凪を構える。あのワイヤーを俺ほどのスピードで操らなくてもいいが、操るのにはそれなりの力を使う。気で強化するもいいし、烏族の力を使ってもいい、さあどうする。
「そう言えばシンさんは神父だったね、私は巫女のアルバイトをしているんだが、一緒にいてまずくないのかい?」
何で少し顔が紅いんだ?
「確かに俺は神父だが無理矢理改宗させる気はない、信仰とは文字通り信じることであり無理矢理の改宗にそれはない。俺は所詮神の教えを説くだけだ。俺が宗教に関する魔法を使うのは知っているだろう、その中には神道や仏教にちなんだ魔法もある。まあ、俺の先生には異教の猿は死ね!とか言う人もいるけどな。」
「フフ、面白いねシンさんは、気に入ったよ。」
「それは嬉しいな、・・・・・さて、刹那はどうかな?」
刹那視点
「ガアアアア!」
「はあああああ!」
私のワイヤーでもがく鬼を縛り付ける。
動きを止めるまではできた。しかし中学生の私力ではワイヤーで切断までは行けない。気で体を強化しているが、まだ足りない!
ブチィ!
「ガアアアアアアア!」
ワイヤーをちぎった鬼がこちらに突進する。
「くそっ、どうすれば・・・」
このままではジリ貧だ。そのままやられるのか?ここで私が死んだら
「木乃香ちゃんも守れないぞ!」
「!!!!」
あの人は・・・そうだ、信じると、守ると決めたんだ。私が守るんだ、お嬢様を
「このちゃんをォォォォォ七閃!」
シン視点
その時の刹那の目は仲間を信じた一人の女教皇と同じ目だった。
「七閃!」
「ギャアアアアア!」
刹那のワイヤーは、三体の鬼を切り裂いた。そして力を使い果たしたのか刹那はその場で倒れた。
「真名、あれが信じる力、思いの力だ。別に神でなくても思いの力は強大な力となる。」
「ああ、刹那の思いしか止めに焼き付けたよ。しかしあのままでいいのかい?」
「残りは俺がやる。」
俺は大太刀を手に取り、
「いくぞ、鬼ども」
「・・・ん・・・ここは!?」
「起きたか、ここはお前の部屋だ、学校には真名が連絡してあるから今日はゆっくり休め。」
急に起きあがった刹那を寝かせる。刹那は不満そうだが布団に入る。
「シンさん、私はあの後。」
「急激な感情の爆発で、体内の気が増幅したんだろう。前より気が上がったはずだ。まあ、ソレよりも大切な物を手に入れたかも知れないな。」
そう言って、頭を撫でる。
「////・・・・・確かに、ありがとうございました。これからも御教授よろしくお願いします。」
「ああ」
どうも北中津です。
今回は修行編です。
シスターはビアージオさんの魔術を教えました。近々ローマ正教3人組の魔術も教えようかと思います。
刹那は七閃です。天草十字凄教の魔術も教えれられる物は教えたいと思います。
真名と刹那にフラグが立ちました。
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