真夏の恐怖 【二百文字小説】
心臓の弱い方はご遠慮ください。
それは真夏のある日のことだった。
ふとパソコンから窓へ視線を移すと、外はもう真っ暗。執筆に夢中で、いつの間にか夜になっていたようだ。
「母さんたち遅いな」
一人呟き、自室の扉を開ける。すると、なだれ込んでくる纏わりつく熱気。
「うわ、ベランダ開いてんじゃん」
急いでガラス戸を閉め、クーラーをつけた。すぐに冷気が降り注ぐ。
しかしその瞬間、それとは違う悪寒が背中を走った。
ブレーカーが落ちた。俺の三万字が消えた。
ホラーっちゃホラー。