アリエッタ...(4/6)縦書き表示RDF


アリエッタ...
作:かなん



AmicO...親友




「やっぱ寒いな…」


城の門を潜って発した一言目。
桜を舞い散らす風はまだ冷たい。



「ったく…いくら幼馴染やからって、毎回毎回なんで俺やねん…」

…最近の親父はなんか変や。
絶対俺らの関係に気づいとる。
たとえ気づいていなくても、俺がカズハのこと好きやって絶対わかっとる。


厄介やな…


そう思いつつも、顔がにやけてしまう。




やって、うれしくないわけないやんか。

街に行けば俺を知ってるやつはおらん。
せやから、「普通」に話しとっても、「普通」の男女としかみんな思わん。






姫と家来。


せめて友達になりたかった。
だから、みんなの「普通」の視線がうれしい。


恋人に思われなくたっていい。

ただ、「普通」にいられるのなら。


ただ、「普通」に君を愛せるのなら。



















街に出て、にぎやかな空気に眩暈がした。
人々はみんな楽しそうに笑っている。
自然と、自分の顔も笑ってしまっている気がして、一応仕事中、と自分に言いかけて歩いた。



小川にかかる橋を渡り、果物がなってる木を見つけた。

これが、人騒がせな姫がいる場所のしるし。
「果物屋のランちゃん」と呼ばれるカズハの親友の家。
カズハは城下町に出るたびに、この家を訪れている。






ひとつ、ため息をついて、モーリ家のチャイムを鳴らした。





















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