FuggirE...脱走
姫との秘密の挨拶を終え、いつも通りの定位置、何畳あるのかわからないくらいの王室のドアの前に立つ。
そこにはカズハの父でこの国の王が、執事でもある俺の親父と話をしている。
昔馴染みらしいけど…
ドタドタ
ガヤガヤ
廊下から騒がしい声と、王室へ向かってくる数人の足音が聞こえる。
全員女で、カズハの世話係の人たちや。
カズハになんかあったんか…?
「王室やで、静かにしイ」
「も、申し訳ございませんッ」
不安な気持ちを隠し、冷静に。
「かまへんよ、ヘージ」
陛下の言葉を聞き、一歩下がる。
「ほんで何があったんや?」
「国王さま…」
彼女たちは少し躊躇った。
まさかと思うが…
「カズハ姫が城から抜け出しました…」
はあー…
またか。
陛下も周りにおる家来たちもみんな、ため息をついた。
カズハは城下町がめちゃくちゃ好きで、時折城から抜け出し、街に行く。
街に行く自体はかまへんけど、小さい頃抜け出して、誘拐されたとか。
それから少し厳しくなった。
お供を付けて行くのは許可しとるのに、どこか窮屈らしく。
今月何度目やろ…
「ホンマかいな…しゃーない、ヘージ。探しに行ってくれや」
「はあ…」
少しやる気ない声が出た。
カズハがいなくなれば、いつも俺。
幼なじみやから、行きたい場所もわかるやろーみたいな糞親父の考えから始まった。
まあ…
そりゃそうやろなあ。
実際カズハが行く場所知っとるし…
この制服で行くのも気まずい。
普段着に着替え、足早に城を出た。
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