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やっとこさプロローグが終了した作者です。
最近は睡眠時間が短くなってきて昼がとても眠い……
いつまで一日一話投稿が出来るだろうか。
出来るだけ毎日投稿出来るように頑張ります。
第1章 王国編
1.現状把握
 俺がキレてから十数分位経っただろうか。
 部屋の中にいる人間は皆、意志を宿した瞳で俺を見る。

「まず最初に言っておく。この世はギブアンドテイクで成り立っていると」
「「「「「ぎぶあんどていく??」」」」」

 ありゃ、通じなかったか。

「すまん、持ちつ持たれつって意味だ」
「「「「「「なるほど」」」」」
「俺は最後の“救帝者”として働く代償にあんたらには二つほどやってもらいたいものがある」
「なんじゃ? 出来るだけ意に沿うようにしてみせよう」
「一つは俺の衣食住の提供」

 まぁこれがなかったら人間は生きていけないからな。

「それは当然じゃな」

 おっさんもさっきとは打って変わってハキハキと喋る。

「二つ目、これが難しいだろうが俺が元いた世界に帰る方法の模索または創造を頼みたい」
「帰る方法……か」

 俺の言葉におっさんは難しい表情を浮かべる。
 やっぱり現在ではそんな方法は確認されていなさそうだな。

「ないんなら創れ。召喚する魔法が出来たってことは送還する魔法だって理論上では可能な筈だからな」
「うむぅ……。確かに理論上では可能かも知れんが……おそらく膨大な時間が掛かるぞ?」
「別にいい、帰れるんならな。その間に俺はこっちの世界を変える手伝いをするからな。特に問題はない」

 とりあえず帰れるって事を実証させなくちゃどうしようもないからな。下手するとこの世界に骨を埋めなくてはならんかも知れないし。

「そうか……。わかった、そちらの方もなんとかしてみせよう」
「あぁ」

 これで俺の交渉は終わり。
 後々困ったことがあればその度におっさんに聞いてみよう。それなりの優遇はしてくれる筈だ。

「とりあえず俺の方はこんなもんだからこっちの世界について考えようか」


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 とりあえずあの後に決まった事柄をいくつか纏めておくか。

①“救帝者”はこれが最後の召喚になると世界中に告知する

 まぁこれは絶対にやらなくちゃいけないことだが、一番難しいことでもある。なんせ下手したら暴動、または戦争が起こるからな。慎重に進めないと。

②平和不可侵協定を平和不可侵条約としてより強い制約として四大国家の間で取り決める

 これによってもう二度と戦争をしないという風に他の国にも承諾させないとな。魔物についての事も話したりするのもいいだろう。
 この時に“救帝者”についての事を世界中に告知するのがいいかも。

③今まで“救帝者”で成り立ってきたこの国の考え方を変える

 今までは“救帝者”が象徴になっていたが他の人物がこれを補えるようにする。今のところの俺の考えでは王と重鎮達が国の政治を取り仕切り、この国の妃、または姫巫女を象徴とすることだな。
 何故かこの国の王家では女の子しか生まれないそうだし。
 まぁ王を決めるのは前王が指名するらしいけど……
 いっそのこと王政から民主制に変えるか? それなら象徴もいらなくなるだろうし……
 これは話し合いが必要だな。

④ ①と②と③がうまくいったことでようやく始動するこの問題。この世界から“救帝者”をいなくし自分達でこの世界を平定することを民に納得させること。

 他の三つをうまく取り決めたり変えたりするのは難しいかも知れないがやらなくちゃいけないことだ。そしてこの四つを全てうまくいくことが出来れば、この世界は異世界の人間に頼らずとも自分達で世界を守っていける筈だ。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 さて……ここはどこだ?

 話し合いが終わった後、俺はレイラに手を引かれこの部屋へとやって来た。
 この部屋に来る途中にレイラからはすごい勢いで謝られた。

「本当にすいませんでした……。私はわかっていませんでした。私達のわがままのために異世界の人の人生を狂わしてしまっているなんて……」

 レイラは俯きながら話す。
 その声は震えていて、今にも泣きだしてしまいそうだ。

「本当にすいません……」

 たくっ、謝るなら最初からするなって言うんだよ。
 しかもせっかくさっき許してやってる筈なのになんで蒸し返すかな……

「なぁレイラ、お前が召喚したことはもう取り返しのつかない事実なんだ」
「ッ!」

 レイラは体をビクッと振るわせる。
 そう体を震わせるなよ。俺が何か虐めているみたいだ。

「だからこそお前は何か許しの証が欲しいんだろう?」

 罪を犯した人間は大抵そうだ。
 証がなければ何も出来ない。それも優しい人間ならなおさらだ。

「は…い……」
「けどな? この世界に罪を許す証なんてものはないんだ。それは自分自身の中で一生消えない傷として残る。だからな? それを抱えて生きろ。何か行動を起こせ。俺が言えるのはこのくらいだ」

 そういう過ちは一生見えない傷として残る。だからこそその傷は抱えて生きなくちゃいけない。
 それが人間。そしてせめてもの償いとして何か行動を起こす。
 それは許しには決してならない、自己満足なんだろうけど、それでも何かをしなくちゃいけない。その人に笑ってほしいのなら。

「わ、かりました……。私はこの傷を抱えて生きていきます。だから……」

 レイラは俺の手を握る。
 その手は温かく、俺の体に染みわたっていった。

「あなたがもとの世界に帰れるようになるまで、私はあなたを支えます」
「そうか……。けど、それは許しにはならないぞ?」
「わかっています。これがただの自己満足だということ位は。それでも私は何かをしなくちゃいけないんだと思いますので……」
「そっか……。なら頼もうかな」
「はいっ!」

 レイラは俺の手を握り続けながら微笑む。
 その顔は今まで生きてきた中で一番素直な笑顔だと思った。




「んでレイラ、ここは何の部屋なんだ?」
「ここはですね、魔導室です。魔法に関連するものはだいたいこの部屋にあって、今からここで一也さんの魔力測るんですよ」
「なるほど」

 周りを見渡してみると、それっぽいものがたくさん置いてある。中には中身が緑色の液体が入ったビーカーっぽいもの何かも置いてある。
 それにしても魔法か。俺は使えるんだろうか。
 おっさんの話しでは一応異世界から来た人間は皆魔法は使えたらしい。まぁ初代より強いやつはいないらしいが。
 なら俺だって魔法が使えるわけだ。
 そう思うとわくわくしてくるな。魔法って男の憧れだからな!
 そんなことを考えているとレイラは他の人を一人引きつれて俺の下に戻ってきた。

「ん? あんたは?」
「こちらは私の魔法の師匠でこの国一番の魔法使い、クレウィス・アスカルド・ペリオン様です」
「ほぉっほぉっほぉ、よろしくな、坊主」
「俺の名前は坊主じゃねぇよ。御薙 一也だ。そっち風で言うと一也 御薙だ」
「なら一也と呼ばせてもらおうかの」
「あぁ」

 どこか捉え難い爺さんだな。なんか家の爺さんみたいだ。

「さて、一也の」
「何だ?」
「王達にいちゃもん付けたという話しは本当かの?」

 爺さんはおもしろそうに俺に問いかける。

「あぁ、ブチギレてやったよ。ついでに説教も」
「ほぉっほぉっほぉ! おもしろいやつじゃな。王にそんな事を言える人間なんてお主くらいしかいないんじゃないかの」
「そうだろうな。まぁ俺はこの世界の人間じゃないから知ったこっちゃなかったけど」

 俺もおもしろそうに爺さんに返す。
 何かこの爺さん捉え難いけどおもしろいな。

「そんな話より早く俺に魔力があるか測かってくれないか? 早く魔法って言うのを使ってみたい」
「そう急ぐな。もうすぐ準備が出来るからの」

 爺さんはそういいながら細長い板に針がついたものを持ってきた。その先には手に付けるであろうブレスレッドみたいなものもあった。

「これは?」
「これは魔力の大きさを測るための測定器じゃ」
「ふ~ん。ちなみに爺さんとレイラの魔力は?」

 俺は気になっていたことを問いかける。
 確か現在最高の魔導師で500万位だっけ?

「儂で370万じゃったかの~」

 おお、ほとんどトップクラスじゃないか。

「レイラは?」
「私はまだ80万ほどしか……」

 80万でほどなのか……?

「まぁ魔力の量というのは20歳~30歳が一番伸びる時期じゃから大丈夫じゃろ。それからも少しずつ伸びていくしの」
「……はい」

 へぇ~。普通って若い時に伸びてだんだん衰えていくものだと思ってたけど、魔法の場合は反対なんだな。

「もう一つ聞くけど、レイラの年齢の一般的な魔力の量は?」
「私の学園の平均は40万~50万です。普通のところの魔法学校なら10万もあれば優秀な方だと……」

 てことは普通にレイラって優秀じゃね?
 平均より上回ってるじゃん。

「ちなみにレイラの学園のトップは?」
「生徒会長で120万ほどだったかと……」

 なかなか高いな。

「では一也の魔力を測ろうかの」
「あぁ」

 爺さんはそう言うとブレスレットみたいなものを俺の腕に填めさせた。どういうもので作ったかは知らないが俺の腕にピッタシと填まる。
 不思議だ。

「俺は何かしなくちゃいけないのか?」
「別になにもせんでいいよ。ゆっくりとくつろいどいてくれ」
「わかった」

 そう言うので俺は目を閉じた。
 すると――――――――

 バンッ!
 ビクゥ!?

「な、何だ!?」

 俺は目を開ける。
 すると爺さんが驚いた様子でさっきの板のようなものを見つめている。
 ……板のようなもの?

「どうしたんだ?」
「それがのぅ、検査機が爆発したんじゃ」
「まぁ音でだいたい予測していたけど……何で?」

 俺は疑問に思う。
 検査機ってそう簡単に爆発するもんなのか?

「多分じゃが……」
「どうした?」

 爺さんは言い難いような顔でこっちを見る。
 レイラも同じような感じでこっちを見る。

「お主の魔力の量に検査機が耐えられなかったんじゃと思う」
「はぁ?」

 マジで!?
 俺どんだけ魔力持ってんだよ!

「その検査機はどの位まで測れるものなんだ?」
「これはグレイア国で作られた最新の検査機で理論上1000万まで測れると言われておったんじゃが……」

 軽く1000万超えかよ……

「ま、まぁもしかしたら検査器が壊れていたかも知れないから他の事をしよう!」
「……そうじゃの」

 爺さんは納得出来ていない顔で奥に戻って行く。
 レイラはレイラでありえないものでも見たような顔をしてるし……
 俺も傷つくぞ……
 数分経つと爺さんは何やら水晶玉みたいな透明の玉を持ってきた。

「気を取り直してこっちは?」
「こっちは、何の魔力に適正があるかを調べるものじゃ。
 火なら赤、水なら青、風なら緑、土なら茶とな」
「へぇ」

 こっちなら壊れる心配もないだろう。

「よし試してみるか。どうやって使うんだ?」
「ただこの玉の上に手を置くだけでよい」
「わかった」

 そういうと俺は玉の上に手を置く。
 そうするとまたおかしな事が起こった。

 色が次々と変わる。
 赤、青、緑、茶、薄青、黄、黄緑、白、黒、灰、紫、銀、金……

 カラフル~(笑)

「なんなんじゃこれは!?」
「なんで白や黒の色が!?」

 爺さんとレイラは物凄く驚いている。
 やっぱりカラフルすぎたか?

「どうしたんだよ」
「一也さん……」
「なんだ?」
「光と闇は特定の人間しか発現しないって教えましたよね?」
「あぁ」

 確か光がこの国の姫巫女、闇がグレイア王国の王子のみだっけか。

「それなのにあなたにも光と闇が発現しているんです」
「へっ?」

マジかよ!?

「それになんですか! 灰やら紫、あまつさえ金と銀って私は見たことも聞いたこともありませんよ!?」
「いや、俺に言われても……」

 何? これって俺が悪いの?

「もしやすると灰、紫、銀、金は精霊魔法かも知れん」
「「えっ!?」」

 どんだけ俺反則なんだよ!
 まずそれって使い手がいないって聞いたんですけど!

「しかしそうとしか考えられるまい。儂達が知らない種類で4種と言えば失われし、時間、空間、創造、消滅くらいしかないしの」
「……これも保留にするか」
「……そうじゃな」
「……ですね」

 俺達三人は何とも言えない空気で部屋を片付け、部屋から出た。
感想、誤字脱字報告待ってます。


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