「蘭ねぇちゃん!はやく、はやく!!」
コナンは蘭の手をグイグイ引っ張る
「コナン君、そんなに急がなくても花火はまだ始まらないよ?」
ここは 米花公園
でも、今は公園ではなく、夏祭りの開催場となっている
コナンと蘭はその夏祭りに来たのだ
蘭は、青に赤い金魚の模様がついた浴衣をきて、コナンも紺色の浴衣を着ている
「ねぇコナン君、何処に行くの?」
「花火会場だよ♪」
「えっ?でも、まだまだ30分はあ………」
蘭はいきなりピタッと立ち止まる
「ど、どーしたの??蘭ねぇちゃん」
「あっ、ううん。なんでもない!ゴメンね、行こ♪」
そう言いながらも、蘭の視線はチラチラと【金魚すくい】の方に向いている
「蘭ねぇちゃん、金魚ほしいの??」
蘭はしきりに首を横に振る
「ううん。ちょっと昔の頃のことを思い出してただけだから………」
そう言って蘭は、ニッコリ笑う
コナンには、そんな蘭の顔が無理に笑顔を作っているように見えた
「………………僕がとってきてあげる」
「え???」
「金魚♪」
コナンはそう言うと、金魚すくいの方にかけていった
「お兄さん、一回やらせてっ!!」
「おぅ!いいぞ、坊主 ガンバレヨ」
「うん!」
蘭はコナンの隣につく
コナンの姿を見ていて、蘭はある昔のことを思い出していた
それは………
【まだ、たった6つの2人の思い出】
☆☆☆☆☆☆
「新一、しんいちぃ〜!はやくぅ」
「悪りぃ〜蘭!!」
新一は、ハァハァと息を切らせながら蘭のところへ向かう
「悪い、遅れちゃって………」
「ううん、別にイイヨ!!行こ♪」
「……あぁ」
新一は、ポッと顔を赤くする
蘭のサラサラな長い髪の毛は、2つのおだんごにされていて
ピンクに花火の模様が入った浴衣を着ている
(蘭、可愛い………)
新一は歩きながらも前を見ずに、ずっと横にいる蘭の方を見ていた
「どうしたの?新一」
「え?あ、あ〜いや………べ、別に」
まだ、たったの6つ
ポーカーフェイスは保てない
「あっ!!」
蘭は真っ直ぐに目にはいったものを指差す
「金魚すくい??」
「うん…………」
「金魚、ほしいのか?」
「うん…………」
蘭はほんのり顔を赤くさせて、新一の顔を見る
「たくっ……しょーがねーな、俺がとってやるよ!」
「本当!?ヤッタァァァァ♪♪」
そのまま2人は金魚すくいの所までかけていく
「お兄さん、一回やらせてっ!!」
「ほいっ、坊主♪ガールフレンドのために、ガンバレヨ!!」
「へ??………………………あ、はい」
「新一、がんばってネ!!!」
「おうっ!」
新一は、真剣な眼差しで金魚を見る
「トリャッ!!」
新一はバッと金魚にめがけてあみを……………さす
そして、あみが破れる
「あぁ〜」
新一と蘭の、2人の声は綺麗にそろう
「坊主、いいか?あみはな、さすもんじゃなくてすくうもんなんだぞ!!上手く金魚をすくうコツはな、ここをこーして……」
持ち方から、細かな色々な部分まで直される
「よしっ!!これでバッチリだぁ、坊主」
「うん!」
新一はまた、真剣な眼差しで金魚を見る
(絶対、絶対にとってやる…………)
パシャッ
今度は何も声を出さずに、ゆっくりとあみを水の中に入れ、パッと金魚をすくう
新一と蘭の顔は、パッと明るくなる
「と、とれたぁぁぁぁぁぁぁ♪♪♪…………………………けど、コレ何??」
とれたのは、真っ赤な金魚ではなく黒い金魚
「何コレェェェー」
新一と蘭の顔が、少しゆがむ
「それも、立派な金魚だよ!坊主、嬢ちゃん」
2人の様子を見て、金魚すくいのお兄さんが口をはさむ
「お兄さん、本当?」
初めて蘭が、金魚すくいのお兄さんに話しかける
「あぁ、本当だとも!!そいつはな、 デメキン っていうんだ」
「デ、デメキン!?」
また、2人の声は綺麗にそろう
そう言いながら、お兄さんは新一がとったデメキンをビニール袋に入れ、新一に渡す
「ほらよ、坊主」
「あ、ありがとうお兄さん」
新一はデメキンを受け取ると、蘭の顔の前に突き出す
「ほらっ!ヤルヨ、ほしかったんだろ?金魚」
「う、うん………ありがと」
蘭は、苦笑いを浮かべながらデメキンを受け取る
(本当はデメキンじゃなくて、真っ赤な金魚が良かったけど………新一がとってくれたのなら、なんでもいいやっ♪)
蘭の顔は、苦笑いから明るい笑顔に変わる
それと同時に、空には満開の花が咲き始めた
ヒュ〜 ドーン
「あっ!花火始まっちまった。行くぞ、蘭!」
「え?うん……」
新一はギュッと蘭の手を握り、花火が良く見える所までかけていった
☆☆☆☆☆☆
「……んねぇちゃん、蘭ねぇちゃん!!」
「えっ?な、何コナン君?」
コナンに呼ばれ、蘭は現実に引き戻される
「金魚、とれたよ♪」
「え??」
コナンは、金魚が入ったビニール袋を蘭の顔の前に突き出す
でも、中に入っている金魚は真っ赤な金魚ではなく、黒い金魚だった
「あげる!赤い金魚じゃなくて、ゴメンね?」
「ううん、全然いいよ♪ありがとう、とっても嬉しいヨ☆」
蘭はニッコリと、心から笑った
そんな蘭の顔を見て、コナンもニッコリと笑う
(真っ赤なあの金魚は、俺が新一に戻ったらとってやるよ、蘭。それまでは、デメキンで我慢しとけよな?)
ヒュ〜 ドーン
「あっ!花火始まっちゃったぁ〜見やすい場所とろうと思ってたのに……」
「クスっ☆だから、あんなに急いでたのね?」
「う、うん………」
(いつかまた、一緒に見にこようね 新一)
(いつか絶対、絶対に戻ってくるから待ってろよ 蘭)
ヒュ〜 ドーン
花火は、2人の再開を祈るように
何度も何度も、色とりどりの満開の花を空一面に咲かせっていった
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