今回の内容は、会話文のみで出来ています。台本形式、ないしはそれに似た形の文が苦手な方はご注文下さい。
八十一話目
「いやー、暖まるねぇ」
「暖まるなあ」
「こうやって、おこたに入ってテレビを見ていると、お正月って気分になるよねー」
「まあ正月になる前からやっていたがな。と言うか、一月一日からこれだけ経って未だ正月気分は止せ。それではただの正月呆けだ」
「……ハハッ」
「何故か妙にムカつく笑い方だな」
「ところでだが、泰斗」
「なにー、美穂ちゃん」
「まずはその間延びした口調を止めないか?」
「こたつに入ってるとー、ついついこうなっちゃうんだびょふっ」
「すまない、ついイラッときてな」
「……アゴと頭が痛い」
「顎を付けてだらけているからだ」
「違うよ、アゴをつけてだらけているところを、美穂ちゃんが頭を叩いたからだよ」
「同じだろう」
「……ハハッ」
「……」
「痛っ!」
「アゴが更に痛い……」
「ところで泰斗」
「無視ですかそうですか」
「うるさい泰斗」
「はい、すいません」
「で、泰斗」
「はい、何でしょう」
「年が明けてから幾日経った訳だが」
「経ちましたねぇ」
「……まだ泰斗から聞いてない言葉がある」
「聞いてない言葉ですか」
「……何で敬語なのだ」
「いや、何となく」
「寂しさのあまり泣くぞ、私は」
「謝るから、泣くぞと言いつつ静かに涙を流すのは止めて。僕も泣きたくなる」
「なぜ泰斗まで泣く」
「人が泣いてるの見ると泣きたくならない?」
「赤ん坊か」
「それで、もう一度言うが」
「うん」
「今年に入ってから、泰斗がまだ私に言ってないことがあると思うのだがな」
「今年も残すことあと350日程」
「そんな歌丸師匠的な洒落を聞きたい訳ではない」
「悪かったから、足の指で僕の脚を抓るのは止めて。本気で痛い」
「わかれば良い」
「とか言いつつも、止めないのは何でだろう」
「ちょっと楽しくなってしまってな」
「脚が腫れる」
「涙目の泰斗可愛いな」
「このドS」
「このドM」
「本気で泣いてることに気付いて」
「本気で楽しんでいることに気付け」
「このドSぇ痛い痛い痛い!」
「泰斗は本当に愛くるしいな」
「痛い痛い痛い痛い!」
「今度こそちゃんと答えて貰うが」
「うん」
「何か言い忘れていることはないか?」
「うん」
「おい。……おい」
「えっ?」
「もう一度聞くが」
「うん」
「私に言ってないことはないか?」
「うん」
「おい」
「えっ?」
「え、ではない。即答はないだろう。せめてもっと躊躇え」
「躊躇えって……。じゃあ美穂ちゃんは、僕が何か隠し事をしてた方が良いって言うの?」
「そんなことしたら、毛という毛が全て消えてなくなると思え」
「消すって、剥ぐとか抜く以上に恐怖を感じるよね」
「そんなことよりだ」
「そんなことって言う程軽い内容じゃないんだけど、流してくれて良かった」
「もう五度目になるんだ、いい加減言って貰うぞ」
「言って貰うって言われてもなあ」
「少し考えればわかることだ」
「うーん……」
「仕方がない、ならばヒントだ。また新しい年になった、ならば色々言うことがあるだろう?」
「新年ねえ……あ!」
「どうだ、わかったのか?」
「うん、新年と言ったらこれしかないでしょう」
「……オチが見えている気がするが、言ってみるといい」
「それじゃあ。あけまして「違う」」
「泰斗は何回あけましておめでとうを言えば気が済むのだ。既に二三回は聞いてるぞ」
「おかしいな、僕は優に三桁はいくほどに言った気がするんだけど」
「泰斗も大層変態だな。そんなにもあけましておめでとうを言う奴などいないぞ」
「うん、そうだね。そのまま同じ言葉を返そうかな」
「なっ! 泰斗は私を変態だと言うのか!?」
「まぁ、ちょっと……」
「ならば変態同士お似合い夫婦だな!」
「あれー?」
「言っておくけど、僕がそんなにあけましておめでとうを言ったのは美穂ちゃんが僕に言うから返してるだけであって、別に僕が好んで言ってた訳じゃあないからね」
「ならば泰斗は、私に無理矢理言わされていたと言うのか!?」
「う、うん、まあ……」
「つまり、泰斗を従わせていたということだな。堪らない」
「このドS」
「そろそろ答え教えてよ。全然わかんないや」
「……本当にわからないのか?」
「えっと、ごめん」
「ならば仕方がない。ヒントだ」
「うん」
「はっ!」
「うわぁっ!」
「ああ、やはりこうしてると落ち着くな」
「ナニコレ、僕に抱きついたのがヒント?」
「いいや、これは私がしたかっただけだ」
「まあそんなことだろうと」
「私たち夫婦の間に言葉はいらないな。さすがツーカーの関係だ」
「何から突っ込めばいいやら」
「それでは答えだ」
「ああ、そう言えばそんな話だったね」
「……実に言い辛いのだが」
「えっ?」
「……忘れてしまった」
「いい加減にしなさい」
「「ありがとうございましたー」」
「って感じの漫才を新年会でやろうと思うんだけど、イリスはどう思う?」
「それで本気で笑いを取れると思ってるなら、ワタシが二人を本気で殴るわ」
「なっ! 今の私たちの漫才になんの問題があると言うのだ!?」
「入り方も良くわからないのか上に中盤も意味不明。ただタイトとミホがバカップルしてるだけじゃない。それで特に! 最後の終わり方は何よっ。中途半端、グダグダ、締まりのない! それから――」
「フルボッコだね」
「ああ。こうもダメ出しされるとは、思ってもみなかった」
「……僕は美穂ちゃんがあの内容でいけると思ってたなんて、思ってもみなかったよ」
いかがだったでしょうか。年明け一発目がこんなので良いのやら。明らかに間違ってる気がします。
今回は会話文のみでの構成。今回限り。二度とはやりません、やりませんとも。誰が誰だかわからなくなりますし。
普段の話ですら誰のセリフかわかるよう気をつけているのに、台本形式にしない限りセリフが混ざってしい困ります。私が。
宜しければ、次の話もご覧下さい。
そして。
大変遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。
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