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  ずれた毎日 作者:泰兎
六話目
僕はマンションで一人暮らしをしている。
と言っても、そのマンションを経営してるのは僕の父の堅城俊彦で、父さん自身も同じマンションで暮らしている。
ならなんで一緒に住まないのかって?
それはね、父さんが別の人と同棲してるからなんだ。
その同棲相手は、戸籍上では僕の母親となっている人。要するに、再婚相手ってこと。別に母親として認めてない訳でもないし、嫌いな訳でもない。
いい人なんだ、うん。家事は完璧だし、美人だし。ちょっと天然入ってるけど。
ただ、父さんの再婚が突然過ぎて頭が着いていかないだけ。
本当の母さんは小5の頃、伊織が引っ越した後すぐに交通事故で死んでしまった。

父さんが結婚して出来たのは、母親だけじゃなかった。
なんと、妹まで出来た。
妹は僕の1つ下で、中学3年生。
名前は須能五月すのうさつき。今はもう堅城五月だけど。
母親の葉月はづきさんは、五月ちゃんのことを5月の英語読みでメイって呼んでいる。捻ってるんだか捻ってないんだか微妙な感じだ。僕にしてみれば、サツキとメイでト○ロの姉妹を思い出しちゃうんだよね。
閑話休題。
僕が父さん達と一緒に暮らしていないのは…
僕ら子供が目を背けたくなる程の新婚さんっぷりを、同じ部屋の中で堂々と発揮するのに見かねて、自主的に移動したから。
五月ちゃんも居づらかったのか、空気を読んだのか、はたまた呆れたのかは分からないけど、僕同様に別室へと動いた。
そういうわけで、一応ではあるが僕は一人暮らしとなっている。
このマンション、一般的なマンションより家賃が高い。一月の家賃で他のマンションの家賃1・2年分は払える。そんなバカ高い所に誰か住むのかと思ったら、もう満室で空き待ちの人もいる程人気らしい。金持ちは何を考えてるのやら。
中でも、僕の住む部屋は最上階なので一際高い。部屋数とその質が、高価さを物語っている。
父さんという繋がりがなければ、僕は立ち入ることすら許されない場所だ。
ともかく、一人で暮らすには寧ろ広すぎる部屋なので、人一人増えたところで問題はない。
ないんだけどね…

「いつのまに父さんと話をしたの!?」
「昨日だ。たっくんと話をするのなら、俊彦おじさんとも話をすべきだと思ってな。生徒名簿から住所を調べ出して伺ったのだ。」
「そんな犯罪行為をあっさりと…。」
「あっさりと許しを頂けたぞ。それだけじゃなく、お願いしますとまで言われてしまった。」
父さん、なんてことを言うんだよ…
「荷物の手配もすでにして貰ってある。流石は俊彦おじさん、行動が早かった。この時間ならすでに私の荷物がたっくんの部屋に届いているはずだ。」
「そんな勝手な!僕に断りもなく!?」
いくらなんでもそれはないだろう、僕の知らないところで話が進み過ぎだ。知っていれば良いって問題じゃないけど。
「ダメなのか?」
「当たり前です!」
父さんもみーちゃんも何を考えてるんだ。常識的におかしいじゃないか、いくら幼馴染だからって突然一緒に住むのは非常識すぎる。いや、幼馴染とかそれ以前に、年頃の男女が一つ屋根の下で一緒に生活をするだなんて良くないことだ!
「年頃の男女や一つ屋根の下だなんて、意外と年寄り臭い考え方をするんだな、たっくんは。」
「年寄り臭くて悪かったね、どうせ僕のウォークマンは演歌や懐メロでいっぱいだよ!…ってなんで僕の思った事が分かるのさ!?みーちゃんエスパー!?それとも僕はサト○レだったのか!?」
「いや、普通に声が出てたぞ。」
「えっ、ホントに!?」
「あぁ、私は非常識らしいな。」
げ、本当だ。
「あぁ、そ、それは言葉の綾って言うか、何て言うかその…」
ヤバイ、言葉がでない。
「フフ、そんなことはどうでもいい。どうしても一緒に住むのはダメか?」
「ダ、ダメです、絶対ダメ!」
助かった、このままさっきのをネタに責めてこられるかと思った。
「なら仕方がないな。」
ほっ、諦めてくれたみたい。どうなることかと――
「俊彦おじさんから、どうしてもたっくんが納得してくれなければ言う様に言われた言葉があるんだ。」
「え?」
何だそれ!父さん、何を言ったんだ!?
「14歳の――「ぜひ一緒に暮らしましょう。」
なんてものを引っ張り出してきてくれたんだ。それが知られたら僕は外を歩くことが出来ないじゃないか。
「い、いいのか!?本当にいいのか!?」
もう好きにして下さい。
いかがだったでしょうか。
これで、伊織と泰斗の二人暮らしが決まりました。決め手となった父の言葉の中身は、いずれ明かされることでしょう。あまり深いものでもありませんが(笑)
数話先の話まで出来上がっているので、しばらくは毎日更新する予定です。
よろしければ、次の話もご覧下さい。


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