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-数字-
作:アルユ



<収監二日目>


-6時05分-



暗闇の中無数の光が高速にうごめく…。



その光は次第にゆっくりになっていく…。



…そして光はゆっくりと集まり、ある一つの数字を描き出した…。














…『5』…














光はすぐさま散らばり、徐々に消えていった…


ガバッ!!

ジョンは飛び起きた。
それと同時にベッドは寂れた唸り声をあげる。



「なんだ今の夢…。
…数字の…5?」



彼の夢の中で光が描き出したそれは紛れもなく数字の5だった。



その不思議な映像は気持ちの悪いほどに彼の目に鮮明に焼き付けられていた…。


「刑務所に入って初日の夢がこれか…気持ちの悪い夢だ…。」



彼はいつの間にかその数字に何か変な感触を覚えさせられていた。






ブーーーー!!

刑務所中に叫び声が鳴り響いた後、一斉にして蛍光灯が独房に唯一の光を降らせる。



「起床時間だ!これから点呼を取る!」
看守はそぅ言うと次々に房のカギを開けていき、囚人の点呼を取っていった。と薄暗い一本道を歩き出す。


その途中ジョンは一つの房に目を奪われる。


5番房…。


もちろんのこと5番房には誰も収監されておらず空っぽだった…。だがジョンはあることに気がつく。

「…ウィル!」
ジョンは看守に聞こえないよぅ小さな声でウィルを呼んだ。
「なんだ?」
ウィルが振り向く。

「5番だけ他の房に比べてやたらと綺麗過ぎる…」


-8時06分-






「考え過ぎだぜ相棒…」

二人は運動場の隅に座り込んだ。

「…5番房だけ綺麗に壁が塗り替えられてた。」

「だから考え過ぎだって相棒。塗り替えないといけないくらい汚かったんだろ。」

「…でもおかしいと思わないか?昨日看守は『建て直す時改装はほとんどされなかった。』と話してた。なぜ5番房だけ改装する必要があった…」

「んー…何でだろうなー…。」
ウィルは眉間にシワを寄せた。

「5番房だけ塗り替えなければならない何らかの理由があったんじゃないか…?それに6番の房だけがないことにも何かひっかかる…」
そぅ言うとジョンはまた頭を抱えた。


「おーいウィル!」

そこにファットがやって来た。

「よぅファット!タトゥーの具合はどうだ!」
そぅ言いながらウィルはファットと拳を当て合った。

「ばっちりだよ!見てくれ。」
ファットはシャツを捲り上げ、背中をウィルに見せた。

「お前なんて彫ってもらったんだ?」

「D.Dだよ。壁の外でオレを待ってる女のイニシャルさ!カッコ良く彫れてるか?」

「…あ、あぁ。確かに彫れてるが小文字で彫られてるぞ…。」

「うそだろ!?あのヤローまた間違えやがった!」

「あ、あいつ腕は確かなんだがなぁー…たまになぁ…」
ウィルは少し笑いながら話た。

「クソ!払った金を取り返してくる!おぃウィル!笑ってんじゃねぇ!」

ウィルは完全に笑っていた。
ファットはそぅ言って走って行った。


「タトゥーなんか彫ってもらえるのか?」


「…あぁ。31番房のフランクって男だ。格安で彫ってもらえる。腕は確かなんだがあぁやってたまに間違えるんだ。ジョンも彫ってもらいたかったらフランクに頼むといぃ。」

「いや、オレはいぃ。」

「なんだ、痛いの嫌か?」
ウィルは少し笑みを浮かべた。


「そぅいぅわけじゃない。」

「ハハ!そうか!」



ブーーーー!

「自由時間終了だ!全員房に戻れ!」


「戻るか相棒。」

「…あぁ。」

「なんだまだあのこと考えてんのか?気にし過ぎだ!それより今日でちゃんと仕事覚えてくれよ!?」
そぅ言うとウィルはジョンの肩を叩いた。


-18時20分-






ジョンはウィルにお祈りを教えていた。



「…なぁ、 相棒!お前の親父さんは神父か何かなのか?」


ジョンは少し溜め声で
「…オレに親父はいない。オレがまだ赤ん坊の時に捨てられた。…修道院の前でな。」



「…すまねぇ。悪いこと聞いちまったな…」


「いや、いぃんだ。」






「その話詳しく聞かせてくれよ」隣の房49番房のベンだった。



「…お前には関係ない話だ」
ジョンはベンを睨み付けた。
ウィルは黙り込む…。


「それどこの修道院だ?」


「言ったはずだ。お前には関係ない」
一度に色んな事が起きたせいか、ジョンは少し神経質になっていた



「親父さんを恨んでるか?」
ベンはジョンの言葉を無視して質問する。





「…………………………………。お前には関係ないと言ってるだろ!!!オレにかまうな!」
ジョンは感情的になり大声で叫んだ!そしてベンの胸ぐらを掴んだ!


「相棒止めろ!」


「オレを殴れるのか?修道院育ちのガキ。」



「なんだケンカか!?」
看守が割って入る



「相棒落ち着け!もぅそいつにかまうな…!」


ジョンはまだベンの胸ぐらをつかんだままだ。ジョンは息が荒くなっていた。


「相棒、落ち着け…落ち着くんだ。ベンを離せ。もぅかまうな。なぁ!…相棒!」


「…………」


ジョンはベンの胸元の手を話した。






「…行こう。」
ウィルはジョンを連れて房をへと戻っていった。





「…ベン。何かあったのか?」
看守はベンに訪ねた。



「いやぁ。何もないよ。」
ベンは房へと戻っていくジョンの背中を見ながら答えた。


「そうか。」
看守はそぅ言うとゆっくりと去っていった。






「もし殴ったりしたらどぅなるかわかったもんじゃねぇぞ!?何考えてんだ!相手はベンだ!」



「………………」
ジョンはウィルの言葉に応えず、ずっと黙り込んでいた。








その夜、ジョンは枕を濡らしながら眠った…。














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