一時停車バス
とにかく、最後まで見ていただくと、うれしいです。(*^〇^*)/
1つのバスに乗り込んだ。
「発車しまーす」
ついにこのバスは動き出した。その揺れの心地よさに、眠たくなってきた。
「あと10秒後停車しまーす。」
10秒経っても揺れがおさまらない。
窓をのぞくと、背景が止まっている。=時間が止まっているように見える。
右をみると、手をつなぐ親子。左をみれば、自転車にまたがる、一人の少年。
一見何もないようにみえる。が、まるで、絵のようだ。
「あと5秒後に発車しまーす。」
絵が動き出す。窓を開ければちゃんと風も入ってくる。
今さっきの時間は・・・。
「窓を閉めていただけますか?」
僕は、しっかりと窓を閉めた。
「では、改めて、5秒後に停車します。」
後ろをみると、道路を横断する親子。
前をみれば、自転車に乗った少年がバスを見る。
「では、3秒後に発車しまーす。」
「ちょっと待って!ちょっと、待ってください!」
運転手は黄色の結んだ髪をなびかせ、振り向いた。
「人の運命は、決して人の手で変えてはならないのです。あと1秒でばいばい、命さん♪」
揺れる僕の体。揺れる僕の手足。揺れる僕の心。
前のガラスに大きな赤色のバラが描かれる。
「では、ここで停車しまーす。」
右をみると、自転車に乗ったよく似た少年。
後ろをみれば、灰色のアスファルト。
左をみると、泣く子供。崩れる母親。
前をみれば、変わらぬ赤いおおきなバラ。
「これがあなたの運命なのでしょうか?」
運転手は、私に向かって、無邪気に笑う。
揺れる揺れる。僕の体・手足。
鼓動が高鳴って、前を見る。
普通のバスの中。
「夢・・・?」
「ご乗車ありがとうございます。これからが本当の運命です♪」
そのバスを後にする。
アドバイス・コメント等などがありましたら、よろしくお願いします。
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