こんにちは。しほです。
一週間空くと、前回の話の流れとか忘れちゃうかもしれませんね。それでも未だ続けて詠んでくださっている方々に改めて感謝を。ありがとうございます。
12月半ばに卒論提出なんで、それ以降頑張り次第でペース戻せると思います。気長に待っていただけるとありがたいです。
ふふ。楽しんでいただけるといいな。
ではどうぞ。
聖11(10月24日、1)
一
〈水島君、遊ぼ〉
十月二十三日の晩、そのメールは突然届いた。文末についた、ピンクの音符の絵文字。僕はこのテンションを持つ知り合いを、身内を除いておおよそ一人しか知らない。
名乗らず、前置きなしに、その用件のみを乗せてそれは届く。僕はある顔を思い浮かべながら、とりあえず誰なのかを尋ねる。返信してから一分もたたず、再び携帯は鳴り出した。そうして僕はその小さな画面を見ながらげんなりする。
携帯を置くと、机に両肘をついて両手を組み、額にあてがう。そうして深く息を吐く。
〈やだなー、俺だよ俺、ツトム君☆〉
誰だよ。
「よっ」
カモメの水兵さんのようにスチャッと挨拶すると、鮫島先輩は僕を向き直った。十月二十四日、土曜日。部活を終えた後の午後四時半。
結局あの後、続きのメールでこうして呼び出されたため再び校舎に戻り、例の通り屋上まで上がる。着くとそこには、大分傾いた日をその半身に浴びて鮫島先輩がニコニコしながら待っていた。
日はだいぶ短くなった。五時前であるにも関わらず、もう太陽は西のかなたへ沈もうとする。少し肌寒い。季節も日を重ねるごとに変化しようと試みる。その穏やかな冷気は、僕と鮫島先輩の間をそっと吹き抜ける。
「『よっ』じゃないですよ。何ですかあのメールは」
僕はため息をつくようにそう口にする。鮫島先輩は、座って足の裏同士をくっつけたまま膝を上下に揺らすと、得意そうにあごを上げた。
「びっくりした? 俺そーゆーサプライズ大好きな人間なの」
「聞いてませんよ」
この返答は鮫島先輩がどういう人間なのかについてであって、僕が聞いているのはあくまであの突拍子もないメールのことについてだった。
鮫島先輩はうれしそうに笑うと、「弟子に教えてもらった」とやはりニコニコしながら膝を揺らす。犬の尻尾のようである。だがやはり、決してかわいくはない。
「・・・・・・で、何ですか?」
「ちゃんと送ったじゃん。『遊ぼ』って」
鮫島先輩は「ねー」と言って体を斜めに傾けた。至極楽しそうである。
「遊ぶって・・・・・・何をしてですか?」
「何をシテだって? 水島君やーらし」
誰かこの人を殴ってくれ。もしくは一発だけなら殴ってもいいという許可をくれ。やっぱり苦手だこの人。
僕は聞こえよがしに深いため息をつくと、額を押さえた。
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