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12話 地下23層への道

日間4位になりました! 本当に感謝しかないです! これからもしっかり更新していきたいです!

 地下23層まで行ってゴールドスライムを倒すと決めた翌日。


 俺は買える範囲でできるだけ高額なプレートメールを買った。

 ギルドでの報酬やそこそこ地下深くまで潜れるようになったおかげで貯金は貯まりつつあった。4万ゲインの中古品を買った。


 極論、即死しなければいい。

 それならミーシャに回復してもらえるし、ミーシャが敵を倒す時間も生まれる。


 ステータス的に俺の体力は相対的に高い。

 しっかり防御を固めれば地下深くに行くことも可能だ。


「一つだけ約束して。危険と判断したら絶対にそこで引き返すわ。まだ行けそうだって考えは絶対に捨てて」

「わかった」

 たしかにダンジョンで無理をするというのは悪手の中の悪手だからな。


 その結果、何が起こったかというと――


「あ、今日はここまでね」

「疲労が目立つ。ここまで」

「集中力が切れてるわ。ここまで!」

「ベビードラゴンの炎に対応できてないわね。ここまで」


 地下23層にはそうそう行かせてもらえなかった。


 そりゃ、そうだよな。

 低いレベルで突っこめば危うくなるに決まってる。


 ただ、経験値の高い敵と戦うことが増えたので、レベルもそれなりに上がった。


=====

ケイジ

Lv14

職 業:戦士

体 力:124

魔 力: 65

攻撃力:111

防御力:110

素早さ:105

知 力: 87

技 能:刺突・なぎ払い・兜割り・力溜め

その他:猫のパートナー。

=====


 はっきり言って冒険者としては一人前と言っていいところまで来た。


「壁を一つは越えられたわね」

 ある日、ダンジョン攻略中にミーシャが言った。

「冒険者にはいくつか壁があるようだわ。最初がLv10前後の壁。ここから敵がかなり強くなるから、怖くなる人たちが出てくる。無理をして死ぬ者も出てくる」


「わかるよ。過去に冒険者狩りをしてたのもそういう奴らだったな」

「その次はLv15あたりの壁。このへんから危険が増大するわ。地下15層ではゴーレムが出てくるし、無為無策だと体力が全快でも勝てない」


 たしかに一つでも手をミスると死ぬようになってくる。

「精神的にも疲れてきて、そのあたりで引退しちゃう人が多いわ。あるいは強敵と遭遇して死んじゃうとかね」

「俺がまさにそこにいるってことだな」


 その時は地下15層にいた。

 ゴーレムとはさっき遭遇したが、ミーシャが片付けてくれた。

 今回はまだ余裕があるが、過去はだいたいこのあたりで「ここまで」の声がかかる。


 実際、Lv13だった時に、ビヒモスに攻撃を受けて、体力の半分近くを持っていかれたことがある。

 用心はしすぎてちょうどいい。


 しかし、その日は16層へと降りる階段まであまり敵に遭わなかった。


 さらに17層への階段にも上手くたどりつけた。


 ついている。


 こういうのは流れというものがある。


 今、流れが来ている。


 17層、まだ来たことのないフロアだが、敵にはさまれると危うい一本道もエンカウントなしに突破して、18層に降りれた。


 18層はいきなりミノタウロスに襲いかかられた。

 棍棒がこちらに振り下ろされる。


「ご主人様に何するのよ!」

 ミーシャが猫パンチが棍棒を破壊してくれた。


「ちょっと危なかったけど、まあ、セーフってことで」

 そのあとも敵が単発で出てきたが、すべてミーシャが相手をした。


 そのまま19層目に突入。

 だんだんと23層目が見えてきた。


「はっきり言うわ」

 ミーシャも俺のことがあるから緊張感を切らせない。

 しかし、言葉はどこか高揚している。

「今回は、もしかしたらいけるかも」

「俺もそう思う」


 19層目はけっこう敵とエンカウントしたが、袋小路の部屋に逆に引き入れることでミーシャに倒してもらうことができた。


 その戦法は有効だった。20層目も袋小路を先に発見して、ミノタウロスやレッサードラゴンなどを撃退した。


 21層目は下りの階段の場所がわかりやすかった。

「おなか減ってきたな」

 正直、こんなに長く潜っていることがないので、時間感覚がおかしい。

 おそらく、とっくに昼食の時間も過ぎているのだが、とても食事をとる気になれない。

 もしパンを出して、においでモンスターが来たらシャレにならない。


「だったら戻る?」

「まだ進む。ミーシャを人間にしてやるんだ」

 目的を見失わないように、はっきりと口にした。


 俺は23層に行きたいんじゃない。

 ミーシャを人間にしたいんだ。

「絶対に死んじゃダメだからね」

「ミーシャのためにも俺は絶対生きて戻る」


 22層目はモンスターが眠っていて、その間に進むことができた。

 中身のない鎧は見るからに強そうだ。絶対に戦いたくない。

 巨大な目玉だけのモンスター、デビルアイは一時的に魔法を使えなくする魔法を得意とするはずだ。一定時間、ミーシャの回復魔法も使えなくなってしまう。これもできるだけ避けたい。


 そして23層へ降りる階段が見つかった。


 階段の前でミーシャが言った。


「行くわよ。ここで深呼吸して」


 俺はゆっくりと息を吸って、吐く。


「覚悟はできた」


 いざ、ゴールドスライムのいる23層へ。

明日も昼12時と夜11時頃の更新を予定しています。

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