付き合い6
翌日仕事が終わり彼女の部屋に行ったが彼女は起きない。睡眠薬の影響か?
テーブルの上に無造作に置かれた頓服薬と書かれた薬の中には「ベゲタミンA」と書かれていた。
昨日の事を思い出し彼女を起こした。しかし一向に起きない。仕方がないので俺は夏樹の着信履歴から昨日の番号を控え新宿に向かった。
新宿に到着し俺はその番号に電話した。
「プルル...... プルル....... プルルル..........」
「はい」
「あ、俺夏樹の代理で金を持ってきたんですけど」
「んだよ。あいつ直接持ってこいよ」
「どうすればいいですか?」
「あん?とりあえず今から言う所に来てよ」
「解りました。」
男から指定された場所は駅から離れたマンションだった。「こんなトコなの?」と拍子抜けしたがマンションの古さからくる外観が不気味で中に入っている店舗は怪しい店ばかりだった。
汚いエレベーターに乗り指定された階に着き部屋を探した。
廊下は薄暗く周囲の街灯や看板の明かりが部屋を探す手掛かりになる位だ。
指定された部屋の玄関ドアにはカタカナの看板が取り付けられていた。この看板だけでは何の店かさっぱり解らない。
インターホンを鳴らすと歩いて来る音が聞こえ扉が開いた。
「高橋さん?」
「はい」
「どうぞ」男はそう言うと中へ案内してくれた。
男はどちらかと言うとイケメンで年は俺より2・3歳上と行った所だ。
部屋の中は元々住居であったとは考えられない間取りで奥に狭い打合せ室があった。男はそこへ俺を案内し何処かへ行ってしまった。
「なんかヤバイ人とか連れて来ないよな?」そんな事を考え待っていると男がやってきた。
「どうぞ」そう言い男は俺に缶コーヒーを渡してきた。
「ありがとうございます」
「じゃあ約束のお金いいかな?」
「はい」そう言い俺は銀行から降ろしてきた30万を渡した。
男はしっかりと金額を確認し言った。「あんた彼氏?」
「そうです。」
「いつから?」
「まだ付き合ったばかりですけど」
「仕事は何してるの?」
「普通のサラリーマンです」
「そう」
「この金あんたのだろ?」
「そうです」
「やっぱり。あいつには返せないもんな」
「えっ?」
「まぁ俺があんま言う事じゃないから余計な事は言わないがあの女は止めた方がいい」
「はぁ」
「あいつがやってる仕事も知ってるだろ?」
「はい。でも止めてくれます」
「止められないよきっと」
「???」
「君が代わりに払ってくれたからアドバイスとしてもう一度話す。あの女は止めた方がいい」
「はぁ、ありがとうございます。じゃあ俺は失礼します」
「それとあの・・・」
「なに?」
「今後彼女には金を貸さないでもらえますか?例え彼女が借りたいと言ってきても」
「そんな事言われなくてももう貸さないよ。この金だって俺が個人的に貸してた金なんだから。どうせ貸した所で返ってこないだろうし」
何だか良く解らなくなった俺は礼をし店を出た。1ヶ月に何百万も稼ぐ女が返せないってどういう事だ?
不気味なマンションを後にし俺は自分の住むアパートに帰った。
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