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Only Sense Online  作者: アロハ座長
第1部【初心者の町と弓使い】
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Sense37

 明後日の準備、とは言ったものの、ただポーションの原料買って、製作するだけだったりする。

 挑む敵はゴーレムと同等のブレードリザード。

 ゴーレムに挑んだ時、作ったブルポを殆ど使わなかったな。それとミュウの口ぶりだと、現在使われている回復薬は、効果の高いブルポとハイポらしい。

 ミュウたちのレベルだとブレードリザード程度に回復薬は余り必要ないだろうし、大量にあれば絶対に安全と言うわけでもないし、攻略の成功率が極端に上がるわけじゃないが、不安要素はなるべく消したい。というかぶっちゃけ、ミュウがやる気の時に限ってろくなことが起きない気がする。

 だから過剰かもしれないのを承知の上で、ブルポを百個ほど作った。

 これだけ渡しておけば、色々と安心出来るだろうし、ミュウとまだ見ぬそのパーティーメンバーたちは、別の機会でも使えるだろう。


 おっ、調合のセンスのレベルが上がった。


 調合や合成のスキルでの作製は、一個に対して発動すれば成功率が高いが、経験値的に低い。逆に、一度に大量に作れば、その中の何個かは、生産失敗になるが、経験値の入りは大きい。

 最近慣れたものでブルポ程度ならどれだけ増やしてもスキルで一発だ。失敗は無くなったのだから原料の損失も少ない。


「うーん。ブルポだけを渡すのも見栄えとか、面白さがないよな。なんか、ちょっと面白いものを」


 あわよくば、俺の店の宣伝になるようなアイテムでも渡したいものだ。

 インベントリの中に、ちょうど良さそうなアイテムとか無いか探してみる。

 実用性を考えるなら、ハイポとMPポーションとかのポーション詰め合わせセットとかは、インパクトあるよな。なんかお歳暮見たいなノリで。

 

「って、所帯じみてるって……エンチャントリングとか……は無理。あんなものおいそれと人には渡せないって」


 便宜上、付加術を施したアクセサリーをエンチャントリング。と名づけてみた。我ながら安直な名だと思う。

 そう言えば、素材にも技能付加が出来る。渡すアイテムが無ければ、作ってみるのも一興。ちょっと、実験してみるか。


「えっと、あった。これにキーワードは、【エンチャント】で良いよな。【技能付加】――付加・アタック」


 攻撃上昇の付加をただの石に施してみる。

 付加の赤い光を受けた素材は、壊れる事無く無事、手の中に収まっていた。


「名づけてエンチャントストーンって所か? 発動キーは【エンチャント】」


 手に握られたエンチャントストーンは、俺の思考とキーワードを感知して、内包されたスキルを開放し、砂となってその役目を終えた。


「へぇー、ただ呟くだけじゃなく、発動する意志がなきゃ駄目なのか。検証が必要なこと多いな」


 出来上がったエンチャントストーンと唯の石の違いにについて、思ったのだが。


「唯の石とエンチャントストーンって見分け付かないし、普通に持つ分だと石って大きいな」


 拳大でごつごつした石なのだ。中には持ち辛い石だってある。


「こう、ただ出来ました。って無骨に渡すのもアレだよな。ちょっとな。そうだ、物質を加工するのにちょうどいいスキルあるじゃん」


 俺は、取りだした新たな石に自分の持つスキル欄から【研磨】のスキルを選択して発動。

 ごつごつとした石は、つやつやな表面で持ちやすい大きさになった。


「これだ、これ。これくらい握りやすい大きさ。でも色がそのままってのもな。エンチャントは、種類ごとに色が付いてるからそれに合わせて染色してみるか」


 攻撃上昇なら赤、防御なら青、速度上昇なら黄色。そして、魔法攻撃なら橙色で魔法防御は緑。と発光する。

 俺はそれに合わせて、石を研磨し、染色で種類ごとに分けて、色と対応するエンチャントを施していった。


「おっ、ゲームになんかこう言ったアイテムあるよな。一時的にステータス上昇するアイテム」


 まあ、このゲームの場合、調合センスの上位調薬でモンスターの肉とポーション類で作る薬がその類ってタクが前に言ってたような気もしなくないな。


「……それに、何気に付加術のレベル上がっているし……これって攻撃魔法とかも、放った扱いでレベル上がるのか? それに攻撃魔法を込められたら凄くない? 魔法を込めた書物とか、一回だけ魔法を使えるアイテムとか」


 そんなアイテムがあるはずだ。MP使わずに無駄に長い詠唱とかカットして発動。

 百発の魔法をガトリング砲のように放つとか。まさに、ロマン。

 もう、そういう事は気になりだしたら試さずにはいられなくなった。



 所持SP12

【鷹の目Lv28】【魔法才能Lv28】【魔力Lv26】【錬金Lv18】【付加術Lv3】【調合Lv29】【合成Lv20】【細工Lv21】【生産の心得Lv19】【地属性才能Lv1】


 控え


【弓Lv18】【調教Lv1】【速度上昇Lv11】【発見Lv8】




 非戦闘時なので、弓を外して属性の才能を取得した。何故、地属性を取得したかと言うと、若干不人気なのか知り合いでこの属性持っている人がいないためだ。いや、不人気と言うほどじゃない。ただ見栄えとかそういうもので他が優先されているだけだ。

 魔法を取ったからってもちろん魔法職になんてなりませんよ。いちいち、杖とか魔法書のセンスも一緒に取らないといけないんだから。それなら地魔法のアイテム生産のためだけに絞るって。


「地属性の魔法。初期は、これ一つだけか」


 地魔法の≪スキル≫には、【ボム】の一つだけ。試し打ちしてみたが、黄土色の発光と爆発。正直、同じ爆発なら炎や光の方が鮮やかなのは確かだ。


「地味だけど、六つある魔法の属性のうち、これだけ弱いって事無いよな。石には、エンチャントできるか?」


 試しに取りだした石だが、割れた。二度三度付加しても割れるのだ。

 つまり、石では、素材としてのランクは足りない。試しに鉄のインゴットに付加をしてみたが駄目だった。鉄インゴットですら駄目。となると、他に使えそうなアイテムは、宝石だけだ。

 宝石も小さいサイズから付加して行ったが駄目だった。中サイズの合成宝石は、強度が足りずに崩壊。残すはペリドットの中サイズだけ。


「小さいサイズには流石に無理だったな。次のサイズが駄目だったら今日は諦めて寝よう。キーワード【ボム】に設定。【技能付加】――ボム」


 黄土色の光を発し、手に残るペリドットの宝石は、無事だった。


「うーん。属性魔法はかなり高いランクの素材じゃないと無理。ってことか。最低でも宝石の中サイズってことは……」


 まだ未確定だが、最上級の魔法なんかを封じ込めることは、困難、もしくは不可能。ということ。

 ゲームバランスを考える上で、一撃必殺とか、時間とMPの消費が大きい強大な魔法を事前準備でなしでキーワード発動できるのは、チートとしか言いようがない。それを回避するために、攻撃用の魔法を込める素材のランクは高く設定されているのかもしれない。


「あはははっ……マジかよ。妥当だと思うけどさ」


 それにもう一つ。俺のMPゲージだ。一番弱い魔法を込めるだけで、三割は消費した。普通に唱えると一割も使わないのだが……

 エンチャントストーン作製でMPの消費が気にならないのは、エンチャントの魔法ランクの低さや本来、付加からの派生だから消費が少ないと考えられる。

 そして仮に上位の攻撃魔法を込めるためには、どれほどのMPが必要になるのか、足りない場合は、失敗と考えるのが妥当とすれば、上位の魔法を込める事は困難だ。


「素材に、俺自身のMPの保有量。あとは、自分自身が魔法を極めなきゃいけないこと、か」


 エンチャントストーンと同様に名づけるなら、マジックジェム。って所だな。


「マジックジェムは、数を揃えられないな。まぁ、自分用の奥の手とか虎の子の一つと思っておけばいいか」


 俺は、座ってMPを回復をさせながら、余っている中サイズの宝石にボムの魔法を施して行った。

 最終的に二十個ほど作ったところで、地属性のレベルが二つ上がっていた。

 なんか、時間掛かるし、魔力回復のセンスでも取ろうかな? とか思ってしまったが、そう言う実験的な事をするにはもう遅い時間だった。

 今日はもう寝て、明日の防具の受け取りの時にマギさんたちに相談しよう。



何度も、改稿などしてすみません。様々な意見にぶれぶれですみません。読み直して変わっているな。と思われると思います。すみません

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