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Only Sense Online  作者: アロハ座長
第1部【初心者の町と弓使い】
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Sense20

 ここ三日ほど【OSO】へのログインは、夜の十時からの一時間だけだった。

 他にやらなければいけない事とかがあったり、出かけなきゃいけないことがあったり。正直、ゲームばかりにかまけていられない。

 纏まった時間が取れないので、ポーション調合とマギさんのお店に納品だけ。正直、納品する数が少ないな、と思って、思い切って新しくもう一つ農場買いました。

 そして余り離れている所だと移動に面倒くさいので、隣接する土地を貰えるように頼んだら――


「そういう事だったら、手数料でさらに2000Gの合計5000G掛かるぞ」


 とNPCが言ったことに憤りましたが、しぶしぶ買いました。

 所持金が30Gになりました。またもや金欠、しかも時間が纏まって取れないから畑の下準備もまともに出来ないから収入源にはならない。

 結局、マギさんの所には少ない数のポーション納品。夜は、ログインしていないようで店番のNPCが買い取ってくれる。マギさんが設定したのか、NPC価格じゃなくてマギさん価格。


 ポーションの供給も円滑に始まり、転売屋も価格を下げ始めたことで、素材アイテムの薬草も少量だが買えるようになった。

 それでもお金が欲しいのだが、武器や防具、それに化石の鑑定と先は長い。

 他にも、金属のインゴット化やアクセサリー作り、解毒草、解痺草の栽培とやる事が多い。ちょっとセンスの幅広げ過ぎて収拾がつかない感じになっている。最悪、畑を管理出来なければ、俺もNPCを雇わなければいけなくなりそうだ。ただし、お金があればの話。


 そして今日、俺は炎天下の中で巧の家の前にいた。


「おーい、巧? 早く開けろ。暑くて焼け死ぬ」

「入れ入れ」

「おじゃまします。ほら、巧。アイスだ」

「サンキュー」


 お土産のアイスを二人で食べながら、向かい合う。


「宿題どう?」

「ばっちり写した。ありがとな」

「毎年の事だから良いけど。それで、今日は何の用事だ?」


 今日ここにいるのは巧に呼ばれたからだ。まあ、巧に呼ばれた場合は、十中八九ゲーム絡み。違うとしても二言目にはゲームだ。


「サービス開始、一週間でポーションも安定供給し始めてもう第二の町に俺は辿り着いた」

「へぇ~」

「何だよ。その気の無い返事は」

「別にどうでもいいしな。そんなことで呼んだのかよ」

「いや、違う。次の町に行ったプレイヤーは、ポータルで町と町を転移出来るようになったんだ。だから次は第三の町に行くために西の方向に攻略を進めるようだ」

「ふーん」

「でな。その攻略のために俺達のパーティーにお前が入ってほしいんだ」

「何でだよ。俺は生産職だぞ」


 俺の訝しげな視線を受けて、巧は淡々と答える。


「お前は、調合センスと合成センスを持っているからアイテムによる回復が期待できるんだ。それに、この前の戦いでエンチャントも有効だと分かった。だから回復役のミニッツも魔法の才能取得して攻撃に回るし、メンバーも前回と同じにする予定だから付加の秘密がバレる心配はない」

「いや、でもな」

「何か問題でもあるか?」

「ありすぎて困っている。初心者装備と金欠、あとポーションの材料がないことと、あとは畑」

「畑って、お前、あんなものにどうして金使うんだよ!」

「なんで畑に対して否定的かな?」

「そりゃ、β版での経緯を知れば誰だって農業やらんわ」


 巧の説明を端的にするとこうだ。


 β版には、そもそも南地区は存在せず、かまぼこ状の町だったのを、β版の最後の二週間のアップデートで追加。

 何人か試したが、その時追加された種子アイテムが入手できなくて何のためにあるのか分からないとのこと。


「だから、農場持つ人間なんていないんだよ。運よく種子を見つけても、畑は20マスあるから20個の種を集めないと効率が悪いんだよ」

「へぇー。じゃあ、もっと買ってポーション長者だな。あははははっ」


 β版では、錬金は不遇だし、種子が追加された時、殆どの人が薬草の下位変換を試さなかったんだろう。それに、正式オープンで変換しても、農場の事とかの詳しい情報は少なそうだし。第一、一級線上で戦っている巧が言うんだ。半数以上のプレイヤーが『農場クソ』の認識だろう。


「農場の話は置いておく。その内、アップデートで何か農場補正が掛かるかもしれないしな。それで? 手伝ってくれるか?」

「うーん。最近は、生産ばかりで弓のレベル上げてないから上げたいな。後は速度上昇のセンス。それにサンドマンやゴーレムの落とす鉱石系のアイテムは魅力的だな」

「分かった。でもそんだけで良いのか?」

「まぁ、後は敵のドロップ品は欲しいな。調合や合成、錬金のセンスは何が役立つか分からないし、後は植物系のアイテムは優先的に最低一個は欲しいな」

「また、細かい内容だな。はいはい分かったよ。じゃあ、他の面子にもそのこと伝えておく。じゃあ、こっちの要求は、ポーション×50と丸薬25個だな」

「はぁ!? 無理だって草食獣の落とす胆石が足りない!」

「大丈夫だ、薬草と胆石は俺持ちだ。ってか、大体、敵のドロップは装備の持ちこみ以外、インベントリの肥やしだ」

「それなら良いけど。何時だ?」

「明日と明後日だ。時間は後で連絡する。明日がサンドマンで肩慣らし、明後日がゴーレムに行く。たぶん、レベル的に無理そうだったら、信頼できる助っ人呼ぶわ」


 うーん。まあ巧が信頼できるっていうやつだし、問題ないか? それにアイテムさえあれば≪レシピ≫で速攻生産できるし。あー、でもまあ足りなければ、道中の西の林で採取すれば良いし。


「了解。じゃあ、今日は、もう家に帰って準備整えるわ。アクセサリーでも作製してみる。防御力が紙扱いだけど、ないよりマシだし」

「おう。じゃあ、よろしく」


 うーん。パーティーでボスMOBに行くのか。ちょっと楽しみだな。

 先ずは、鉄鉱石のインゴット化は時間が掛かるけど≪スキル≫使えば成功率は低いけど早いし。今あるインゴットだけでアクセサリーを作ってみよう。

改稿・完了

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