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Only Sense Online  作者: アロハ座長
第4部【生産職の日々と仕込みは戦い】
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Sense179

 戦闘職にとっての派生アイテムと生産職にとっての派生アイテムの意味合いは、違いがある。

 戦闘職の派生アイテムは、一種の武器としてである。便利か、そうであるかは別として。

 例えば、鎖鎌などは、鎌と分銅のような投擲の二つの要素が絡んでいる武器と見ることが出来る。

 または、セイ姉ぇは、杖と棍の形状の近い一つ武器で二つの事がカバーできる。魔法の威力上昇と打撃武器としての性質。

 似た形状で派生武器の他に、別々の武器のベースが組みあがったような派生武器も存在する。

 こちらは、斧と槍を組み合わせたハルバードや刀と槍を組み合わせたグレイブなどが当たるだろう。

 最近だと、エミリさんの鞭と剣の性質がある連接剣なども組み合わせの派生武器。

 派生アイテムの方が、便利な様に聞こえるが、やはりその辺は様々な調整が入る。

 

 ただ、生産職にとってのアイテムは、使うべき対象ではなく作るべき対象だ。

 そして、派生アイテムとかは問わずアイテムは、三つの方法で作られる。

 一つが、リアルの知識と自身の才覚を頼りにアイテムを作っていく方法。これは、最初は成功率は低いが回数をこなしてレシピを確立する方法。今やっているビーズ・アクセサリー作りに近い方法だ。

 次に、ゲームでその分類のアイテムを実際に見る。ダンジョンや他の生産職が作ったものを調べて、レシピを確立する。他の生産職の協力があれば、容易に出来る。

 最後に、ゲーム内の文献や資料などで生成方法や素材の情報を仕入れて、レシピを確立する。これは、本の解析で得られるレシピだと思えば良い。だが、断片的な情報では、素材だけ指定されて、手順は手探りな場合があるから才覚も必要である。これは以前、素材情報だけで蘇生薬を再現した状況に近い。


 以上、三つの方法で作られるが、同じ素材を使った派生アイテムや個人の技量で同じアイテムでも威力に違いが出る。


 今回とる方法は、二番目の実物を見てレシピを覚えて貰う方法だ。

 幸い、使う弓矢のレシピ自体は、簡単だ。


「と、いう事で必要センスは、【合成】と【錬金】を使う。まぁ、必要な材料は、この辺で手に入るから、足りなかったらライナとアルが取りに行ってくれるそうだ」

「ええー。師匠、横暴です」

「パーティーのために少しは働け。レベルが上がれば、知り合いの生産職に特定のアイテム採取を頼まれるんだ。その練習だと思え」

「「はーい」」


 二人は気の抜ける返事をして、伝える素材の採取に向かう。

 鳥の羽は、ミルバードのドロップ。木の枝や石は、森の中を探せば見つけることが出来る。

 随分、懐かしい様に感じる。


「まずは【合成】だ。合成に必要な生産キットは、俺が貸すから気にしなくて良い」

「えっと……そんなに簡単に出来るんですか?」

「ああ、低レベルでも出来るレシピだ。最初は失敗するかもしれないが、成功すればちゃんと出来る」


 取り出した生産キットは、魔法陣の書かれたシートが二枚。合成と錬金のそれぞれの道具だ。

 合成は、複数種類のアイテムを合成する。だが、場合によっては、段階を経て作ることで対応できる事を説明する。

 その様子を真剣に、前傾姿勢で聞いてくる姿に倒れそうだ。

 まぁ、何時までもくどくどと説明するよりも見せた方が早い。調合や細工とは違い、外部的な工夫をする余地はあまりないセンスだ。

 実際、手元にある木の枝と羽で鏃の無い木の矢を作って見せたら、これだけ? と言う様なキョトンとした顔は、ちょっと笑いそうになった。


「実際、これだけなんだ。【合成】はアイテムの組み合わせ。【錬金】は同種のアイテム同士。って事を覚えておけば大丈夫」

「は、はい」

「練習で石の矢を作ってみよう。今度、余裕があるなら、鉄の矢を教える。まずは、通常の矢で練習してから機械弓に使われているサイズの矢を作る」

「分かりました」


 緊張しているみたいだが、実際にやってみた所、問題は無さそうだ。

 そして、俺の実演では、通常の矢よりも短いダート矢を作って見せる。素材が足りないために、必要な量は確保できないが、ユカリがダート矢作成を覚えるには、十分な量だった。

 ライナとアルが戻ってくるまでに失敗しながらも、作る事に成功する。

 素材調達の二人も戻ってきて、検証に必要量を揃えることが出来、リーリーもくみ上げた。


 円盤にセットされたダート矢。二挺の機械弓を両手にぶら下げて、緊張した面持ちで立っているユカリ。


「じゃあ、始めていいよ!」


 リーリーの掛け声と共に、二挺の機械弓を使い、目の前の草食獣たちを相手に撃っていく。

 左右で一定の間隔で放たれる短い矢。威力は武器依存で低いが、断続的に放たれるそれは、十分過ぎる様に感じる。だが、最初は狙いの付いていた矢も次第に外れるようになり、それに合わせてユカリの焦りもこちらに伝わる。

 それを見越して、リーリーが検証の停止を声に出す。


「ユンっち。どう思う?」

「俺に意見を聞くのか?」

「弓使いとしての意見だよ」


 とは言っても、戦闘スタイルが違いすぎる。俺が気にすべき点は、ステータス的な面だろう。


「片手撃ちで断続的に打つと反動で弓全体がブレるんだろう。DEXの強化が一つ」

「だね。二挺同時使用の場合、DEXにマイナス補正が掛かるのかも。ボーナスはDEXにしようか。ユカっち、武器貸して」


 二人で意見を出し合う姿を見て、どこか申し訳なさそうに機械弓を渡して来るユカリ。別に、そんな感情を抱く必要ないのに。


「まぁ、装備で追加効果のDEXボーナスを掛けたから。もう少し、色々と試して貰える」

「……はい」


 自信の無さそうなユカリは、同じ様に撃っていく。目に見える程の変化はないが、本人の表情から多少の手応えはあるようだ。

 移動撃ちなどの技術や上空に向けた時間差射撃などの技術は今は無理としても固定砲台としての活躍も期待できそうだ。上手くタイミングと連射を合わせれば、連鎖チェーン攻撃でボーナスも期待できそうだ。


「凄いです。ありがとうございます」

「僕らも納得の物が出来たよ。その二挺の機械弓は、ユカっちの物だよ」

「って言っても矢の補充は、多分他人に任せられないから普通のクロスボウと比べるとどっちが手間か分からないけどな」

「いえ、これが良いです!」


 少し力んで言ったユカリの様子に微笑ましく感じる。


「じゃあ、これで俺たちの依頼は完遂って事で良いのか?」

「そうだね。ユンっちもお疲れ様。それじゃあ、依頼の特注・機械弓を二挺作製。費用は――六十万G」


 場の空気が一瞬凍った気がする。

 いや。実際、レティーアの表情が凍り付いたのは印象深い

ちょっと短めで終わり方が唐突だけど、次回

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