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OlphaとAmeca

作者: 山羊ノ宮

ザクッ。

オルファはスコップに足をかけ、土をえぐる。

着飾った綺麗な豪奢な服も土に汚れ台無しになっている。

白磁の様な肌も、淡い茶色の髪も、ラピスラズリのような青い瞳も、ただ今は土を掘るためだけにそこに存在する。

「ねえ、オルファ。そんなことして楽しい?」

碑にちょこんと座ったアメカが足をぶらぶらとさせ、オルファに問う。

ザクッ。

オルファはアメカの方を見向きもしないで答える。

「別に楽しいからしているんじゃないから」

「そっか。楽しくないんだ。じゃあさ、そんなの放っておいて僕と遊ぼうよ。ね?」

「ううん。ごめんね。私まだいっぱい掘らなくちゃいけないから」

そして、オルファは穴を掘り続ける。

そんなオルファの様子をつまらなそうに見ているアメカ。

元気良すぎて跳ねてしまっている自身の黒髪を直したり、臙脂えんじのチェックのジャケットのボタンを手持ち無沙汰にいじっているが落ち着かない様子。

「あのさ、オルファ。そんな穴掘ったって意味なんて無いと思う。もっと意味のあることした方がいい。僕はそう思うんだけど」

「そうね。意味無いかも。でも、穴を掘るほかに何か意味のあることなんてあるのかしら?」

「えっと・・・それは・・・例えば、僕らの子供を作るとか・・・」

言い淀んだアメカにオルファは手を止め、微笑む。

「それこそ意味の無い事だわ。必要無いでしょ、この世界に」

オルファの言葉に眉を寄せ、唇を尖らすアメカ。

そして、オルファに背を向けいじける。

「きっとオルファは僕の事なんて嫌いなんだ。だから、遊んでもくれないし、僕の事なんてどうでもいいんだ」

アメカの体をそっとオルファの腕が包む。

「そんな事無い。皆いなくなってしまったこの世界で、私と貴方はこの世界に残された最後の二人。どうでもいい訳ないじゃない」

「じゃ、じゃあ僕と遊んでくれる?」

「それはだめ。全部終わったら、ね?」

「・・・うん。じゃあさ。僕も手伝うよ。だったら遊べるようになるの速くなるよね」

「どうかな?もっと遅くなったりして」

「そんな事無いよ。僕、足引っ張ったりしないよ」

「そう。じゃあ、期待しているわ」

「よーし!頑張るぞー!!」

両腕を天に突き上げるアメカ。

その様子を見て微笑むオルファ。

荒れ果てた世界。

地平線まで伸びる林立した墓碑。

そして、穴を掘る二つの人形の姿があった。


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― 新着の感想 ―
[一言] 良いSFでした。 人のために働く人形が死者のためにできることは、確かに穴を掘ることくらいかもしれません。少し趣は違いますが、トルストイの『人はどれほどの土地がいるか』という話を思い出しました…
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