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第三話
「つまり―――」
「うん、悪ぃな。なんで避けんのかわかんねぇや」
「でも避けてるったって、無視するわけじゃないし全く関わろうとしないわけでもねーし」
「でも一応な、多分だけど心当たりがないこともない」

「夏梨ってさ、兄貴の一護さん同様霊感が強いだろ?虚、だっけ?から冬獅郎に助けられたこともあるし」
「冬獅郎が帰ってからもそういうことが結構あったみたいだし………」
「アイツ、狙われてんのは自分だからってオレらにはなんも言わねぇんだよな。全部抱え込んで黙って………」

話している内に今まで溜め込んでいた気持ちが出てきたようで四人はどんよりと沈んでいった。

「しかも高校から一護さんのとこに居候してっし―――」
「はぁ?だって黒崎一護は………」

正式に死神へと登録を果たした一護は、そのまま欠員だった13番隊の副隊長に就任した。しかし卍解も出来るし少々好戦的でもあるため、卍解のできない11番隊の隊長になるのでは、と噂されていたが、本人に出世向上がないのと隊士達が隊長である更木を尊敬しているというのもあり、丁重に辞退した。それに一護には医者になるという夢もあったし、何より13番隊隊長の浮竹が一護を気に入ったという事実もある。
そして今現在、無事に医学部を卒業しただいま大病院にて研修中である。そして医学部に進んだと共に実家を出て、高二から付き合い始めた井上織姫と同棲し、二十歳の時に結婚。今は小さな借家で暮らしているのだと、ここに来る際に資料で読んだ。だが、まさか夏梨がそんな新婚の家に居候するとは思えなかった。出会ったときから日番谷と同じくらい察しのよい夏梨。

「………何かあるな」
日番谷は顎に手を当てて思考を巡らす。
「っつか冬獅郎はなんでまたここに来たんだ?しかも転校なんて形までとって。そんなに長期間なのか?」
「………ほぼ永住するつもりだ。ここは重霊地としてさらに虚が活発化してるからな。黒崎一護と平隊士、その他の特殊能力者だけじゃあ追っつかなくなってきたからな」

両親もなく、身軽な一人身。さらに隊長格の中では一番若く、長さは誰よりも短い。つまり面倒事を押し付けるのに一番最適なのだ。そしてこんなことはずっと続くのであろう。隊長の誰かが死に、日番谷よりも若い者が就任しない限り。
(だが、今回だけは面倒事じゃなかった、な………)
ここだけなのだ。この容姿で最初から怖れなく接してくれたのは。それは彼女、夏梨を筆頭に。この四人は初めは恐々としていたが一度口をきけば、特に気にせずに接触してきた。

ブーッブーッ

日番谷の携帯が鳴る。白の二つ折りの携帯を開くと虚の出現を表示していた。しかもメノス、ヒューズ、それ以上が10ほど。固まって移動中である。まるでなにかを追いかけているようだった。

(増加の原因かもしれねぇな)
「虚、か?」
「あぁ。じゃあな」
「気をつけろよ」
「また明日な」

日番谷は店を出て瞬歩でその場から去っていった。



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