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第二十二話
「妾は龍之介様の子孫にあたる。たしか妾が十一代目じゃったか」
「その龍之介のことなんだが………なぜ彼は出てこないんだ?」

途端に水都の表情が暗くなる。

「時間がないのじゃ。龍之介様も、藤之介も―――」
「二回目に会った時もそう言っていたな」
「………体の時を止めることは即ち成長や老いを止めることじゃ。それはかなり体に負担をかける。【鬼】は霊力も物凄く高い。しかしだからといえど術が長く続くわけではない。じゃが二千年前、二人はある『誓約(せいやく)』をかけた」


「相手を倒すためだけに過ごす」




















しかしそれも二千年も続いてしまえば術にも綻びが出るというもの。

「しかし唯一生き長らえる(すべ)がある。それが【修羅の珠飾り】じゃ。それは他人の精神をも操る力を持っておる。一石二鳥というわけじゃ」
「して、儂らは何をすればよいのじゃ?藤之介はどうやら仲間がおるようじゃし」

夜一はなぜか猫姿になって水都の前に座っている。楽なのだろうか。

「番号で呼ばれている仮面の男共はすべて藤之介の分身じゃ。身体は虚じゃがの」

少々ややこしいが、まずある程度強くなった虚を生け捕りにし、【修羅の珠飾り】の出来損ないを虚に食べさせる。そもそも【修羅の珠飾り】とは物語の男の驚異的な負の感情の塊である。それを【心珠(しんじゅ)】という。それはとてつもないほどの霊力が込められており、そして感情でもある。つまり一つのことに異様なまでの執着がある意思の塊でもあるわけであるわけだ。感情の塊である心珠は虚が無くしたもの。心の穴は塞がるが、虚自体より霊圧が高い心珠に支配される。心珠は虚の霊圧を喰らい呑み込み、藤之介の分身と成りうるのだ。

「しかしなんでまたそんなモンが夏梨の中にあるんだ?」
「少々厄介なことになっておる」

そもそも何故たかが一つの無機物を探すのに二千年近くかかっているのかというと。

「その心珠は3つから10ぐらいの、霊力の高い、女児の体内に潜むのじゃ。その間は気配が希薄になり探しづらい。そして10を過ぎればどこかに飛んでいってまた3つくらいの女児の体内に入る。それの繰り返しじゃ………これが中々に難しい」
「なんか生きてるみたいっスねぇ」
「うむ、どうもそのようなのじゃよ」

心底嫌そうにため息をつく。

「2〜300年くらい前じゃったか。一度だけ心珠が子供の体を乗っ取りよった。その時に()うたのが、」

『捕まえられるものなら、捕まえてみよ』

「もの凄く、腹がたった」





「ともかく、心珠には意思があるようなのじゃ。だから今回なぜこの歳になっても夏梨の中にあるのか、即ち気に入られたようでの。なんとか出せぬものかと今、龍之介様が思案中なのじゃが」

なかなかに、手強い。

「まあ暫くは奴らもあまり襲っては来ぬじゃろう。奴らも妾達も月の満ち欠けによって強さが変動する。満ちると共に弱くなり、欠けると共に強くなる」

特に藤之介勢は番号の低いモノが特に顕著らしい。番号が低ければ低いほど強いのだという。






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