序章 『短編集』
『年賀状で不幸の手紙が届いた』(ss)
“この手紙と同じ内容の手紙を20人に送ってください。さもないと不幸が訪れます”
元日の朝。郵便受けを覗くとこんな文面の手紙が入っていた。しかも年賀状である。
「正月から馬鹿なことをやるやつがいるな」
春はまだ先だってのに。俺はため息を吐きつつ、それを机の隅に放っておいた。もちろん送ったりするわけはない。次の掃除のときにでも処分するつもりだった。
しかしこの不幸の手紙が思わぬイベントを呼び込むことになる。
「……当たってやがる」
なんと不幸の手紙のナンバーが、お年玉年賀ハガキの当選番号と一致していたのだ。
「皮肉なこともあるもんだ」
捨てなくて良かった。とんだ不幸の手紙だぜ。
しかも当たったのは二等。カタログから5千円相当のご当地グルメを選んでそれを取り寄せることができる。食いしん坊の俺には願ったり叶ったりだ。
そうして俺はグルメを取り寄せてそれをおいしくいただいた。しかしその次の日。俺はまたまた、思わぬ『当たり』を体験することになる。
「……まさか生牡蠣があたるとは……」
正月早々、まさかの食あたり。吐き気がひどくて餅もおせちも食えやしない。
不幸の手紙はやっぱり不幸の手紙だな……。病院のベッドで涙目になりながら、そんなことを思った。
ちなみに牡蠣が生食用ではないのに、主人公は火を通さず食べてしまった設定となっております。郵便局に落ち度はありません。
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