ジャンル「ショートショート」 字数 700~800
赴任してから勤続7年。私は2年目からこの学校で生徒指導を務めている。
色々と問題を起こすやんちゃ坊主や、タバコ吸う奴。ときに警察のご厄介になる連中に特別な指導を加えるのが私の仕事だ。
基本的に奴らは大人って連中を信用しちゃいない。そりゃあそうだ。奴らが曲がったのは、多かれ少なかれ大人の影響ってもんがある。
けど奴らだって根っこは良い子ちゃんって呼ばれる生徒たちと変わらない。愛情をかけてやれば、それに報いようとしてくれる。愛情あっての教育。それを信念に掲げてやってきた甲斐あってか、奴らも多くは私を慕ってくれている。
――ある日の休み時間。3年の男連中が私のところにやってきた。こいつらは本当に似たもの同士。波長が合うのだろう。4人は何をするにしてもつるんでいて、良くも悪くも、よく一緒に私のところにやってくるのだ。
「センセー! 土産は何がいい?」
「土産? どっか行くのか」
「シューガク旅行だよ! しょうがねーから何か買ってきてやるよ」
ニコニコしながら言うやんちゃ坊主たち。私は照れを隠すように頭を掻いた。
「ああ。何でもいいよ。任せる」
「よっしゃ。俺のセンス楽しみにしてろって」
「でもお前めっちゃセンスねーじゃん」
「は? そんなことねえし。じゃあ誰が一番センスあるもん買うか勝負すっか?」
――そんな売り言葉に買い言葉で始まったお土産のセンスコンテスト。どうも奴らが送ってきたお土産を評価して、誰が一番センスあったかを決めたらいいらしい。
まあ似たもの同士のこいつらだ。そう差がつく判断をする羽目にはならないだろうとは思っていた。
そして今、私の前に4つの品が届いたわけだが……。
「まさか全員が木刀を選んできやがるとは」
職員室の机上に色とりどりの木刀が並ぶ。
なんでディズニーランドへ行って木刀なんだ! しかも4人とも木刀とか、どれだけあいつらは似たもの同士なんだという話になる。
――けど被りまくってしまったものの、あいつらなりに真剣に考えてくれたんだ。ちゃんとお礼を言わなきゃな。
そんなことを思っていると、お土産を送ってきた4人が私のもとへやってきた。
そして目を輝かせて、聞いた。
「なあなあ! 誰の木刀がいちばん良かった?」
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