ジャンル「ショートショート」 800~900字程度
目が覚めたとき、少女は自分の知らない場所にいた。そこは思わず目を細めたくなるほどに明るい空間。
寝起きの少女の視界にまず飛び込んできたものは、金色の壁だった。……。少女は目をこすり、もう一度正面にあるものを確認する。しかし、金色の壁は消えない。
……。振り返ってみる。するとそこにも、――やはりというべきかなんというか、正面と同じように金色の壁がそこにあった。また右を向いても、壁。左を向いても、壁。上を向いてみたならそこに広がるは金色の天井、視線を落とせば自分の立ち姿を真下から映す金色の床。少女のいる場所はとにかく、一分の隙も無く金色だった。
少女は混乱した。昨夜は確かに自分の寝室の布団に入ったはずだった。なのに目を覚ませば、そこはなぜだかやたらと金色。自分の寝室がここまで悪趣味な金ぴかに染まっていた記憶は無い。では、ここはいったいどこなのか。自分はどうしてここにいるのか。誰かがここに連れてきたのだろうか。しかし、誰が何のために?
おまけに……。少女はぐるりと壁を見渡してみる。どうもこの牢(らしき空間)には出入り口と見られる穴や扉がひとつも無いようだ。それでは、自分はそもそもどうやってここに入ったのだろうか?
……っ。考えれば考えるほど積み重なってゆく疑問、そして同時に押し寄せてくる不安と恐怖。――もしかしたら、自分はもう一生ここから出られないのではないか。少女は自分の胸に溜まってゆく気持ちをとうとうこらえきれずに、泣いた。助けを求める声がきっと誰かに届くことを信じて大声で喚いた。
そして一方、牢の外では。
「……。何事なんだこれは……」
鉈を持った老人が、中から子供の喚く声の聞こえる金色の竹を前に唖然としていた。
原作で竹を切る高さが頭上より上だったという描写に安堵したのは私だけではないはず
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