表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/8

2

「ちょっとここで待っててね。」





さっき見えた焚き火のすぐそばまでヒロさんに連れられてきた。多分、この先に仲間がいるんだろう。


ヒロさんは私をみて微笑んだ後、草木をかき分けて、焚き火の方へむかった。


男の人が、何人かで話している声がする。何を言っているかはよく聞こえない。





しばらく空を眺めて待っていると、ヒロさんが戻ってきた。



「またせて、ごめんねぇ。許可もらったからおいで。」


優しそうな微笑み。明るいところで見ると、ヒロさんの髪は紫色に染められていることがわかった。




ヒロさんに連れられて、草木をかき分けると、大きな焚き火の横に、どっかりと男の人が2人、あぐらをかいて座っているのが見えた。1人は体格もしっかりしているごつい男の人。髪の毛はオレンジ色に染められてる。

もう1人はほっそりしていて、頭が良さそうな顔をしている男の人。少し、顔立ちが女性的だ。髪の毛はみごとな金髪。



オレンジの人は、イライラしているのが、一瞬で伝わってきた。金髪の人はそんなにわかりやすく態度に示していないけど、瞳がすごく冷たい。


こんな目を向けられたのって初めてかもしれない。


しくったかな。

ついてくるべきじゃなかったかも。



金髪の人が私をしばらくみつめる。

なぜか、すごく怖い。

全てが見透かされそうな気がして。


「君は、どこから来たの?」


声色は優しい。それが余計に恐怖心を倍増させる。


「……それを言うことはできません。」


それだけしか言えずに、したを向くと、沈黙が流れた。すごくつめたい、沈黙。




オレンジの方がヒロさんをちらっとみて口を開く。


「……まぁいいよ。ヒロが拾ってきたんだ。何かあったら責任はお前が取れよ。」


「うん、わかってるよ、アキ。」


ヒロさんはオレンジの人、もといアキさんの目をじっとみつめて答えると、私の方に振り向いて微笑んだ。


「じゃあおいで。」


ヒロさんにまた手を差し出され、おとなしく乗っけると、そのまま手を引かれて馬車の方へ連れていかれた。


途中で、焚き火の方をちらっと振り返ると、2人は私のことをじっとみつめていた。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ