少年は、長期に渡り家で虐待を受け学校ではイジメを受け。
彼は、絶望と言う物を知った………
そして………
彼は、親が服用していた睡眠薬を少しづつ盗み一定の量が集まると全て一度に服用し自殺するのであった。
しかし………
彼の自殺は、成功せず閉鎖病棟に入院する事になる。
一人、少年は閉鎖病棟の個室で鉄格子の付いた窓の隙間から見える空を何時も眺めていた……
15歳の少年は、他人を拒絶し全てを憎み嫌悪する。
「…………………」
少年が閉鎖病棟に入院して一ヶ月を過ぎようとしていた。
彼の母親は、腫れ物に触るように一週間に一度、少年の面会に来る。
「勇治君、気分はどうだい?
まだ死にたいとか思ってる?」
少年が空を眺めているといつの間にか彼の病室に担当医が現れ少年に訪ねる。
「何で死なせてくれない………」
少年は、そう呟くように担当医の居る方向を見ずに聞く。
医師は、理由を何時もの模範解答をすると少年の病室を出ていく…………
「……………」
彼は、ずっと他人を拒絶し自分の病室から一歩も出ずに居た………
そんなある日……
ある女性は、少年の担当医から少年の事を聞き自分に任せて貰えないかと提案する。
少年に手を焼いていた担当医は、彼女に希望を託すようにそれを了承し閉鎖病棟に入る事を許可した。
「……………」
少年は、何時ものように空を眺めていた………
不意に扉が開き見慣れない女性が入ってくると唐突に彼女は、マシガンのように自己紹介を始める。
「こんにちは〜♪♪
今日から君のカウンセリングをする事になった岬って言います。勇治君……だったよね?
宜しくね……」
微笑みながら自己紹介を終えると腰まである黒髪の女性は、握手をしたいらしく手を出す。
「……そう……」
少年は、それだけ答えると視線を戻し空を眺める…………
「って……待ちなさい………
お姉さんは、挨拶や握手を求められたら一応するべきじゃないかな〜と思うんだけどな〜?」
額に青筋を浮かばせながら自称お姉さんは少年に話し掛ける。
「……………」
少年は、まるで自称お姉さんの声や存在を感知していないのか空を眺め続けている。
「ん〜〜♪♪」
彼女の目が座り言葉とは、裏腹に少年の肩を掴むとぐるりと一回転させ自分に少年の顔を向かせると………
「お・姉・さ・んは、返事をしてくれないと悲しくて心が痛むんだけどな〜〜♪♪♪♪」
眉を引くつかせながら少年にお姉さんは、もう一度話し掛ける。
「離せ!!!」
声を荒げ少年は拒絶するように彼女の手を乱暴に払い睨みつける。
「え…………」
彼女は、初めて少年の眼を見る。
絶望の底に独りでずっと居たかのように誰も信用せずに全てを拒絶するような眼………
「……………」
冷たい眼で彼女を睨み終えると視線を空に戻そうとすると……
「……グス……
ごめんね……勇治君
いきなり君の心に踏み込むような事して……クスン……」
突然、女性が泣いてしまい少年に謝罪をし始めてしまう………
「!!!!????………いや……
ご……ごめん……
俺が悪かった…………
その……だから……
泣かないで…」
いきなり泣き出してしまった女性に混乱し、慌てて何とか泣きやんでもらえないかと少年も謝り始める。
「やっぱり
勇治君は、聞いた通り優しい子でお姉さん安心しましたよ〜〜♪♪♪」
何事も無かったかのように微笑みながら少年に抱きつく自称お姉さん。
「………はい?」
泣いていたと思った、女性がいきなり微笑みながら自分に抱きついて来た事を理解するのに一分程掛り、その一分後に自称お姉さんは、少年によって病室から追い出され
少年がふて寝したのは、言うまでもない…………自称お姉さんの岬が来て数週間が過ぎ去った。
最初の一週間は、あれ以来少年は岬を無視し続けていたが………
次第に少年は、毎日のように自分の病室に居座り林檎やアップルパイを持ち込んでは少年の病室で食べたり煙草を吸い出したり極めつけは少年に飲酒を強要したりと明らかにカウンセラーと見えない行動ばかりする岬に呆れたりしたが
何時もいつの間にか隣に居て幾等無視しようとも必ず近くに居てくれると言う安心か油断なのかは、少年に理解出来無かったが居心地が前より良くなったのは間違いなく……
明らかにカウンセラーじゃない行動を常日頃する自称お姉さんのせいだと認識していた。
「自称お姉さん……またアップルパイですか好きですね……」
毒を吐くのは、前と変わらず空を眺める少年………
変わったのは、自分から自称お姉さんにこうして話し掛けたり
彼女が用意してくれたお茶を飲むようになった事だろう。
「だ〜か〜ら〜勇君!自称じゃなくて私は、本当にまだお姉さんです!」
口調は、怒ったように聞こえるが彼女は相変わらず……嫌……前よりも彼女は、優しく少年に微笑むようになった。
「たく……カウンセラーらしくないカウンセラーだよな」
自然に少年の顔に笑みが溢れる、けど折角の笑みはカウンセラーらしくないカウンセラーは見ることが出来ない。
「むぅ……私をエセカウンセラーと言いたいんですか?お姉さんは、悲しいですよ?
しょうがないですね……まぁ言うつもりでしたしカウンセラーとして………と言うより私個人の経験からでしょうか?
カウンセラーらしい御話し………聞く気ありますか?」
エセカウンセラーは、毒を吐く少年に微笑みながら彼の肩を掴み強制的に彼の頭を自分の膝に乗せると少年の眼を見据える。
「膝枕は、辞めてくれ………と言っても辞めませんよね………
まぁ聞きますよ。」
完全に抵抗を諦めた少年は、少し……少しだけ良い匂いだな〜とか落ち着く……とか思ったりしつつエセカウンセラーの眼に視線を合わせ彼女の話を聞こうと彼女が言葉を口にするのを待つ。
「素直ね♪
じゃぁ私が思う命の意味と本当に生きると言う意味を勇君には、聞いて貰おうと思う。私は、思うんだ命はその人が生きた道を命って……
人生を命と言えるんだと私は思いますよ♪
だけどね命って一個しかないから大切にしろと言う人も居ます、確かに命は、一個しかありませんけどね勇君……勇君は、もう心に沢山の命を貰ったんじゃないかな?
勇君が一緒に人生を歩んだ人の命を心の中に記憶してね♪
今だって私と一緒に居るだから
勇君は、私の命に触れて心に記憶してくれてると思ってる♪」
微笑みながら少年にそう語り掛ける。
「………模範解答よりは、良いけど……何か本当にカウンセラー何だなって納得してしまいそう………」
少年が此処に来て妙に納得したようにしかし恥ずかしいのか天邪鬼に呟く。
少年には、まだ理解出来ていないが何と無く自称お姉さんの話は、素直に受け入れて良いと思った。
「何だと〜〜♪♪
お姉さんは、少し悲しいよ?」
微笑みながらペシペシと軽く少年の頭を叩くと彼女は、言葉を紡ぎ出す。
「そう思う私だから、本当に生きると言う意味を勇君に知って欲しい。
今の勇君は、生きていないから………
生きるって事は命を継続させる事、勇君
自殺をするって事は、命を終わらせる事だよ?
私は、そんな命を認めませんよ?
勇君は………本当は………とっても優しくて真っ直ぐな子なのに……
それを隠して生きてるのは、悲しいです……
勇君……確かに人間は醜いよ?
けどね……醜いだけが人間じゃないんだよ……
だからね……もう少しだけで良い……信じることを諦めないで……
醜い事から逃げないで戦って………
本当に生きると言う事は、人を信じて諦めないで絶望せずに胸を貼って命を継続させる事だから
もし傷付いても他の人が敵になっても私は勇君のお姉さんで居るから
それが私の命であり本当に生きると言う意味だから」
彼女は、そう言い終えると少年を優しく……暖かく包み込むように抱き締める。
「………全く……貴方らしいな自称お姉さん……」
そう良いながら彼は、純粋な笑みを浮かべる。
「さて……難しい御話しは、終りですアップルパイを食べましょう…」
微笑みながらお姉さんがそう言うと少年を解放し彼女は、アップルパイを少年に進めると少年も微笑みながらアップルパイを食べつつやはり………
「自称お姉さん、このアップルパイまぁまぁ美味しいよ♪」
毒を吐くとやはり……
「だから自称お姉さんじゃなく……
本当にお姉さんです!!」
と返す岬とそれをからかう勇であった………命と本当の意味で生きると言う意味を岬が話してから一ヶ月が過ぎた
少年の口数が段々と増え自称お姉さんと良く喋るようになり彼女と少年は病院では誰もが知る程、まるで兄弟のように仲の良い二人として知られるようになった……
それに伴い毒吐きな少年の退院が決まり少年は、週に三回来る移動売店で頼んでいた
自称お姉さんの好きな林檎とアップルパイに林檎ジュースを買い、自称お姉さんを探して閉鎖病棟を歩いてると彼女を見付け駆け寄ろうとしたが少し驚かせようとゆっくり近付くと自称お姉さんが医者と話して居たので思わず立ち聞きする。
「ありがとう君のおかげであの子も退院出来るまでに強くなったようだね………」
あの子とは、恐らく毒吐きな少年の事であろう………
少年は、自分の事だと察すると少し近寄る。
「お礼何か言わないで下さい
私は、勇君と話せて………
最近じゃ毎日充実してる位です。
寧ろ私がお礼を言いたいです♪♪♪
あんな真っ直ぐで優しい子を見ていたら何故か癒されてしまいますから……」
自称お姉さんは、微笑みながら医師に話すと医師は表情を曇らせる。
「………まだ信じられないよ
岬さんは、恐くないのかい?
余命を告げられて……
下手をすれば………
明日、死んでもおかしくない状態なのに………何でそんなに明るく振る舞えるんだい?」
医師がそう告げる……
「多分、勇君に出会えなければ私は、恐くなって脅えてたかもしれません………
不思議何ですけどね、勇君と居ると私の不安や恐怖何て些細な事と思えるんです……」
微笑みながら医師にそう言い終えると医師は、一瞬驚いたような顔をし次の瞬間には医師も彼女に微笑み返しているのであった。
「!!…………」
少年は、お姉さんに気付かれないように離れると走り出す。
「嘘だ……嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ……あいつが………死ぬ……な…ん…て……嘘だ!!」
少年は、病室で壊れたように泣きながら嘘だと言い続ける………
その日、彼女が来る事はなかった所用が出来たと看護婦が少年に伝えた。
「……………」夜、少年が月を眺めていると病室の外で話し声が聞こえてくる。
「…全く……やっと退院なのよ
恥ずかしいったらありゃしないわよ……
あ〜あ……あんな子産まなければ良かったのに………
逸そ退院したら施設に預けるわよ、あんな息子いらないから
うん……また電話する
じゃあねぇ〜」
携帯を閉じる音が辺りに響き少年は、声から誰なのかを察する………
自分の母親だと……
眼に霞が掛るように曇る。
『汚い……、汚い………
岬姉さんみたいな人も居るのに………
あいつが……あいつが代わりに死ねば良いのに!!……何で……何で……岬姉が………』
少年は、心の中で叫ぶ
不条理に慈悲の無い……残酷な世界に……
彼は、決める絶対に岬姉さんと少年が呼ぶ女性に心配をかけまいと………
心を殺してでも彼女の前では、微笑んでいようと………あの日から、数日が過ぎ去り
少年は、どうにかボロを出さず……
彼女に心配を掛けずに退院まで1日と迫った夜、彼は月を眺めて居た。
「………………」
少年は、此所に来てからの事を振り返る。
目が覚めて、死ねなかったと絶望し空を眺めて過ごしていた日々………
それから、暫くして自分に大切な事を教える為に大切な時間を自分に使った。
お人好しの自称お姉さん………
「……………」
そんな事を思い出して居ると彼は、意識を手放し眠り始める。
深夜、悲鳴が病院内に響く………
「何だ!?」
少年が病室から出ると通路の奥から黒煙が廊下に充満し始めていた。
「……………」
少年は、火事だと認識すると驚く程に冷静になる………
この火事なら恐らく閉鎖病棟は、全焼するだろうと………少年は、考えると行動を始める。非常ベルを鳴らすと自分の病室に戻り荷物から最低限の荷物を取り、部屋に備え付けられている掃除用具入れの中に隠れる。
「誰かいませんか!」
看護婦が病室に取り残された患者がいないかチェックしに来る。
しかし
少年は、掃除用具入れの中である。
その上に緊急事態で注意力も散漫になっている…………
こんな状態では、少年を見つける事など当然のように不可能である。
「………ごめんね……岬姉さん……」
掃除用具入れから出た少年は、ふとお人好しの自称お姉さんに謝罪するとベッドに座り何時ものように夜の空を眺める。
紅く何もかもを燃やし尽す炎と黒煙が少年を包み込もうとしていた…………
少年が一人無意味に謝罪する10分前………
彼女は、病院の火事を知ると嫌な胸騒ぎを感じ家から飛び出し、病院の前に着くと避難した人の中に毒吐きで天邪鬼だけど本当は……誰よりも優しくて真っ直ぐな少年を探す。
「すみません!!
閉鎖病棟に入院していた
黒髪で少し無愛想で毒を吐く少年知りませんか??」
近くに居た医師に聞いてみるがやはり…………
彼女の思った通り………
少年は、いない
そういえば最近様子が変だったと彼女は、不意に思い出す。
何処か無理矢理に自分を押し殺して微笑む少年…………
「死ぬ何て……
お姉さんが絶対に許さないから………」
そう彼女は、呟くと水を被り……
燃え盛る病院に迷うことなく、少年の病室に向かう……
「…………」
黒煙も炎も少しづつ少年に近付いて来る。
少年は、相変わらず夜の空を眺め………
自分の死を待つ…………
だがそんな少年を許さない者が居る
自分の危険など些細な事だと少年を家族のように思う、女性が息を切らし……
夜の空を眺める少年を見つける……
「勇君……
お・姉・さんは、今物凄く怒ってます……
何でか分かりますか?」
少年は、眼を丸くする。
来るはずのない人物が余命を宣告され何時死んでもおかしくないと聞いた人物が少年が死のうとしている事を見抜き………
今、少年の前に息を切らしながら立っているのだから…………
「あと少ししか生きれないのに何で……な……んで……
俺何かの為に……危険犯してまで……俺は、親に捨てられるようないらない子何だよ?」
少年は、涙を流し言葉にならない言葉を何とか言葉にし彼女に伝える。
「知ってたの!?」
彼女は、驚くと共に自分がこんなにも優しい少年に……
無理矢理に心を押し殺して自分に心配を掛けまいと微笑んだ少年に………
重荷を背負わせてしまったのだと……
彼女は、自分の迂濶さを呪うが改めて少年が優しい子だと知る。
だからこそ………
少年の命を此処で終わらせる訳には、行かない
嫌……必ず、命を本当の意味で生きて欲しいと切に願う……
だから……助ける!!
「勇君……私は、貴方が大好き……
家族のように思ってる
だからね……勇君が嫌がっても助けるそれで……
助かったら私の家族になって………
私さ……
一人っ子でね
ずっと勇君みたいな弟が欲しかったの……
こんな私がお姉さんじゃ嫌?」
少年を優しく抱き締めながら彼女は、話し掛ける。
少年は、一度だけゆっくり首を横に降り……
「嫌じゃない……」
と答えると彼女と少年は、炎が包み込もうとした病室から離れ……
助かる為に……
家族となる為に……
本当の意味で生きる為に走り出す。
あの火事から一週間後、少年は児童相談所に行き親の虐待をネタに縁を切り更に慰謝料を巻き上げると岬とのその家族に養子として家族となり……………
それから一ヶ月後、岬は……死んだ
最後まで少年……嫌……弟に微笑みながら安らかに……眠りについた……
少年は、泣かなかった
泣くのは、彼女に失礼だと………
だが、やはり耐えられず影で声を押し殺して泣いていた
しかし……
彼は、絶望しない
だって彼は、教えて貰ったのだから
命の意味と心に記憶した命の意味、本当の意味で生きる意味を大切な家族から教えて貰ったのだから………
月日は、流れ
彼は、恋人が出来……
そして結婚し彼の妻が女の子を妊娠し出産した
娘の名前は…………
自分に大切な事を教えてくれた人の名前である。
そう彼は、何時か娘に話すのであろう……
娘の名前と同じ自分の大切な家族であり
林檎が大好きな姉の事を………………
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