二匹のメイド
「ご主人様、お帰りでしたか」
奥の方から、ドタバタとした足音と共に、ふにゃふにゃしたヘンな発音の主が近付いてきました。
「やだ、猫がしゃべってる」
モトバラは怪訝な顔をしましたが、
「君と同じだよ。誰だってしゃべるさ」
少年は笑っているだけ。そして猫を引き寄せ、
「ウデのいいシェフなんだぜ。コイツの料理を食べて、運が良けりゃHPが全回復する」
「HPって何ですの?」
「・・・いや、なんでもない」
「ご主人様、お食事などいかがですか?」
「ちょうど良かった。お腹空いてたんだ。頼むよ」
「おまかせください。ではシェフのスペシャルメニューをご用意します」
「そりゃ、ありがたい」
その時、何やら奥の方で叫び声が・・・
「キャーーー!避妊具あつい!!!」
「エ?」
「エ?」
「エ?」
「メイドの声だ。どうしたんだろう?」
少年はめずらしく驚きの表情で声の方へ走り、慌てて猫のシェフとハザマも追いかけます。モトバラはナニを勘違いしたのか更に慌てて、
「いいんですか? 今、行っちゃっていいんですか?」
かなりヤキモキした様子。それは無視され全員奥の部屋へ突入!!
☆☆☆☆☆
見れば、二匹のメイドスタイルの猫が目を回して倒れているではないですか。
「大丈夫か? メイド一号! メイド二号!」(そんなネーミングか。)
モトバラはまた勝手に違う方向で驚いていた。
「どちらもメスじゃないの・・・」
ぽっ(赤面)
メイド一号は皆の到着後すぐに気が付き目を開けて、
「すみません、ご主人様。リビングの空調を間違えて・・・」
「オーブンみたいに暑くしてしまいました」
メイド二号が話を継ぎ…。まるで『ザ・ちっち』のタイミング。
「“リビング暑い”って倒れたんだ」
くすくすくす、とハザマくんが笑っています。いつの間にか石化を解き、腕も治っている様子。少年もシェフも彼女たちの失敗には慣れているのでしょう。一緒に笑っています。
ただ…、
モトバラだけは頭の中が消化不良! 顔を赤くしたり青くしたり・・・。
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