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こみゅしょう!~俺と彼女のコミュ障脱却大作戦!?~ 作者:TK

第一章

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「はーい、それでは文化祭実行委員を始めたいと思います。まずは――」
 さて、実行委員というのだからもちろん集まりなどもあるわけで。今俺たちは会議室に集まって初めての会議に参加しているわけだが、周りにいるのは何ともやる気に満ち溢れているような人ばかりで何となく場違いかなと思ってしまう。同学年の男子には見知った顔もいるが、そいつらは揃ってなんでお前がいるんだ見たいな目で見てくる。いやまあさ、今まで自分が積極的にこういうのに関わらなかったのは確かですけどね? みんなひどくない?
 前にも言ったがうちの学校の文化祭は他校に比べて比較的早い時期に行われる。それゆえ準備期間というものも少なく、各クラスすることが決まってからの猶予は一か月弱ぐらいだろう。その後にはすぐにテストも控えていたりするので精神的にもなかなか厳しいものがある。そう思うと最小限のことにしか参加してなかった去年の自分が恥ずかしくなってくるんだが。
 またその期間の短さから、どうやら実行委員もなかなか忙しいらしい。それぞれの役割はもちろん、クラスの方についても手伝いがあったり、放課後も残っていろいろしたりするのは当たり前のようだ。
 総務や会計は基本的には三年生がやってくれるらしいが、それはつまり俺たちが動き回る仕事をするということらしい。人と関わることも必然的に多くなるし、それこそよく知らない他の実行委員と連携していかないといけないのだ。
 実行委員長の話で分かったことだけでもなんだか不安になってくるがここまで来たのならばやるしかない。
 一、二年生が受け持つのは写真での記録や備品の各クラス、部活への貸し出しの管理、ステージの機材関係全般、展示関係などなどまだまだいっぱいあって、どう考えても今いる人数じゃあ足りない感じなんですが……。どうやら話を聞いていると責任者とかに実行委員をつけるだけで人数は有志で集めるんだとか。
 ひとしきり説明が終わったところでまずは自己紹介だと実行委員長が自ら自己紹介を始める。え、何こういうのあるんですか? 順番が回ってきたがひとまず学年、組、名前だけ言って座る。上野さんも普通にできたみたいでとりあえず一安心。よくよく考えてみれば彼女はクラスでの自己紹介も自分の名前だけだったような気がする。
 ようやく自己紹介も終わり今度は役割分担を決めることになる。どうやら移動して話し合って決めろとのことで会議室もなんだか騒がしくなってきた。二人離れて別の係になってしまっては今後彼女と連携が取れなくなってしまうので先にどれにするかを決めておく。
「上野さん、どの係にする?」
「そうね、備品の貸し出しとかがいいんじゃない」
 俺は別に写真以外なら何でもよかったので首肯した。備品の貸し出しならば適度にいろんな人に関わりながら仕事をすることになるので案外俺たちにピッタリかもしれない。それに人数もそんなに控えてる必要もないだろうしクラスの方にも結構顔を出せるかもしれない。
 そんな風に考えていたたところ、同じく実行委員の長山がこちらに向かってきた。長山とは去年クラスが一緒だったのだが、普通に話す程度の関係だ。
「溝部が実行委員なんてなんか変な感じだな。それに上野さんと一緒なんてうらやましいなおい」
 そして彼は上野さんファンの一人である。後半は小声で言っていた。
「俺にも心境の変化があってな。まあそういうことでよろしく頼むよ」
「ふうん。そんなことより上野さん、俺長山って言います! よろしくお願いします!」
「え、ええ。よ、よろしく」
 俺に対する態度と違いすぎるだろ!
「それよりなんか用か長山」
「ああそうだった、二人はどこの係がいいんだ? 一応みんなに聞いて回ってるんだけど」
 さすがまじめな長山だ。もうすでに一、二年を仕切り始めているらしい。
「それなら俺たちは備品がいいぞ」
「俺たちってことは上野さんもそれでいいんですか?」
 上野さんがうなずくと
「了解です。それにしても溝部は女子とまともに話せるようになったのか? 上野さんとすでに話しているとは何とも意外なのだが」
「俺ってそんなに露骨に女子と話せない人間だったのか……。まともに話せるかどうかはともかく、前よりはマシになってると思うよ」
 長山はさらに、それにと付け加えて俺に耳打ちをすると
「上野さんってあんな感じだったっけか? なんか以前とイメージが違うんだが」
 何とも返答に困る。
「そ、そうかな? もとからこんな感じじゃないかな」
「そうだっけな。まあいいかひとまずまた後でな」
「はいよ~」
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