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こみゅしょう!~俺と彼女のコミュ障脱却大作戦!?~ 作者:TK

第一章

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「おーおー三人そろってご到着か。これは樹、両手に花ってやつか」
 俊之の家について早々、このからかいの言葉である。
「ふふふ溝部君、いつの間にか私まで毒牙にかけていたのかな?」
 この二人は相変わらず二人で俺を弄ぶのが好きなようだ。
「……」
 どう反応していいのかわからなくなってる上野さんはとりあえず今は放っておこう。
「そんなことより、さっさとお前の部屋で勉強会だろ」
 適当に流してさっさと案内しろと促す。
「はいはい、用意はできてるから先に行って待っててくれよ。俺は飲み物とか持ってくからさ」
 わかったよと返事をしていつものように俊之の部屋に向かう。
「あ、それじゃあ私手伝うね~」
 藤井さんは俊之の手伝いをしに行った。必然、上野さんと二人きりになる。そのまま俊之の部屋に入ると
「ちょっと溝部君! 最初から藤井さんが一緒にいるなんて聞いてないわよ!」
「それに関しては途中でばったり会ってしまったからしょうがないだろ……」
 あそこであのまま別れていくのも何となく難しかったからな。
「私の方は心の準備ができてなかったのよ! いつもよりは、まあ、ましだったけれども……」
 あれはむしろ逆効果だ。というわけにもいかず
「少しは話せたなら多分大丈夫。今日一日頑張ってみようよ」
「それはいいんだけど、あなたなんだか藤井さんと話すのにもう慣れてない?」
 藤井さんがやたらと話しかけてくるからこっちも少しは慣れていたのだろう。
「駅までの道中でな……ずっと話しかけられたんだよ……」
「そ、そう……なんか、ごめん」
 俺の苦労が少しは伝わったようだ。コミュ力が高い人はむしろ喋ってないと落ち着かないのだろうか、というくらい藤井さんは話しかけてくるからな。喋らないとそれはそれで間がもたないから助かる面もあるけれど、やはり苦手な女子との会話はまだまだ苦痛である。
「でもあなたが私以外の女子にも慣れ始めているのは確かなのよね。だとしたらまあ、よかったんじゃない? 一応成果は上がってきてるってことなんでしょ。あとはそうね、私も頑張らなきゃダメよね」
 彼女は誰に対しても基本コミュ障なので俊之と藤井さん、そのどちらもが大きな課題になっている。
「ひとまずは女子同士ってことで、藤井さんと話せるようになっておくといいんじゃないかな。ほら、俺だって同性なら大丈夫なわけだし」
 異性よりもハードルは高くないはずだ、という風に提案する。
「私は別に男子が苦手っていうわけじゃないんだけど……後々のことを考えたらそれがベストでしょうね」
 どちらも等しくハードルは高かったようです。
「まあどちらとも普通に話せるようになるのが本当はベストなんでしょうけれど、さすがにそれは難しいわよね。少しずつ慣らしていく感じで行かなくちゃ」
 とりあえず方針も固まったところで残る二人の足音が聞こえてきた。俺と上野さんはささっと勉強道具を取り出して、布団のかかってない俊之のこたつの上に並べ始めた。
「おっ、二人ともやる気満々ね」
 ニヤニヤしながら藤井さんが入ってきた。彼女は台の上にお盆ごとコップを置いてわざわざ俺の隣に座ってきた。小さめの正方形の台なんだからそれぞれが四ヶ所に分かれて座ればいいのに、また俺をいじりに来たんだな。しかしこれは、そうとはわかっていても、
「近い近い近い近い!」
 体をくっつけてくるとは、藤井さんは一体どういうつもりなのか。いや百パーセントからかいなんだろうけどこれはやばい。何がやばいってもうマジやばい。いい匂いするし……。ダメだダメだこれ以上は身がもたん。俺は急いで隣の辺に移動した。
「あらあら~そんなに恥ずかしがらなくてもいいのに~」
 どっかのおばちゃんみたいな口調で彼女はまだからかおうとしてくる。俺はもう顔が真っ赤になってるはずだ。さらに恥ずかしい。
「ちょ、ちょっと、そっそこまでよ。溝部君、嫌がってるでしょ」
 ここでまさかの上野さんの助け舟だ。ちょっとどもってるけどナイス!
「おっとこれはなんだ? まさか樹を巡っての女の戦いが勃発しているのか?」
 火に油を注ぐとはまさにこのことだ。ここで俊之が上野さんの助け舟を見事に破壊した。ほら上野さんもなんだか変な顔になってるから! あの無表情になりかけてるから!
「ホントいい加減にしてくださいお願いします……。というかさっさと勉強始めようよ」

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