ブックリスト登録機能を使うには ログインユーザー登録が必要です。
Chapter:5 抵抗
Episode:49
 向こうから、難を逃れた兵士たちが迫ってくる。

 先行しているシルファ先輩に続いて、タシュア先輩が出た。幸い心配したほど、体調が悪いわけじゃないみたいだ。
 その周囲へ、敵兵が殺到する。

――それなら。

 敵の陣形を見た瞬間、なにをすべきかが分かる。
 これがあたしの……力だ。

「空の彼方に揺らめく力、絶望の底に燃える焔、よみがえりて形を成せ――フラーブルイ・クワッサリィっ!」 

 先輩たちめがけて、炎系最上位を放つ。
 周囲に集まっていた兵士たちが、劫火に晒され灰になる。

「やれやれ、無茶をしてくれますね」
 タシュア先輩が苦笑する声を聞く。ただその声は、どこか面白がっているようだった。

 炎の中から光の尾を引いて、シルファ先輩が敵陣へ踊り込む。
 淡く光る髪と身体。紫水晶の双眸。
 大鎌が風を鳴らし、舞うように弧を描く。
 刃が閃くたび、敵が倒れていく。

 さらに猛火の中から漆黒の剣をたずさえて、タシュア先輩が歩み出る。
 焔に照り映える白銀の髪。白い肌。紅い瞳。
 そしてなにより、冷たい死神のまなざし。

「おや、他の方は見ているだけですか? それでよく、軍隊として成り立っていますね」
 揶揄するような口調。

「うわぁぁぁぁっ!!」

 耐え切れなくなったのか、兵士たちが闇雲に突っ込んできた。
 白と黒の刃が閃く。
 たちまち先輩たちの周囲に、骸の山が築かれていく。
 そしてあたしは。

「幾万の過去から連なる深遠より、嘆きの涙汲み上げて凍れる時となせ――フロスティ・エンブランスっ!」

 魔力全開の冷気魔法を、立て続けに後方へ放つ。厚い氷壁が出来て、ここから学院へ続く唯一の道がふさがれる。
 こうしておけばいくらプロの兵士でも、そう簡単には侵入できないはずだ。
 さらに足止めされた兵士たちに、呪文を叩きこむ。

「猛き龍の咆哮、風の悲しみはそらへといのちを返す――ウラカーン・エッジっ!!」
 放たれた竜巻が辺りを薙ぎ払い、風の刃が兵士たちを切り刻んだ。

 恐らく初めて目にしたのだろう。常識を無視した魔法戦に敵がひるむ。
 瞬間、容赦なくシルファ先輩のサイズが振るわれた。
 一閃、二閃。
 たちまち骸が積み重なる。

「――ば、化け物っ!」
「言うことはそれだけですか? もう少し、独創性がほしいものですね」

 先輩の辛辣な言葉。
 そしてあたしも、その兵士の言葉に傷つくことはなかった。
 化け物でもいい。
 この学院を、あたしは――守る。




Web拍手 ←Web拍手です

FT小説ランキング  毎日OK:FT小説ランキング“ルーフェイア・シリーズ”に投票
 順位だけ見たい方はこちら

NEVEL Ranking  月に1回:NEWVELランキング“ルーフェイア・シリーズ”に投票


◇イラストいろいろです。随時募集中です♪◇
シエラ学院制服  Blue Ocean  ルーフェイア・シリーズ

自サイト美術室はこちら
掲示板はこちら。お気軽にどうぞ♪


筆者サイト
↑筆者サイトへ
最新話へのリンク、改行なし版等があります


+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。