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Chapter:2 予感
Episode:12
「どういうことさ?」
「それって、どういうこと?」

 ナティエスと言葉がかぶる。
 同じことをミルも思ったんだろう、きゃいきゃいと騒ぎたてた。

「どしてどして? 学院内っていちおう、武器の使用って禁止だよ〜?」
「たぶん……ンなこと言ってらんなくなる。
――ああ、もう見えるか」
「?」

 イマドが彼方を指差した。
 つられて視線をやると、たしかに大きなものがいくつも海に浮かんでる。

「あ、船だ〜♪」

 こういうときもどっか抜けてるミルが、嬉しそうに言ってのけた。
 ただあたしはそこまで、能天気には構えらんない。なんせ見えてるのったら、艦砲を備えた編隊だ。胡散臭いことこの上ない。

「ねぇ、誰かに知らせた方が良くないかな?」
 不安げにナティエスが言う。

「いや、必要ないと思うね。あたしらが気付くんだ、先輩たちなんてとうの昔に知ってるだろうさ」
 案の定、そこへ緊急事態を知らせる鐘が鳴った。

「――やだ、もしかして全部鳴ってる?」
「みたいだね」

 東西南北と中央、五つ全部がいっせいに鳴り響いてる。つまり、「総員戦闘配備」だ。
 合わせて通話石――共鳴現象を利用して互いに話せる特殊な石――を通して指示がでた。

『これから所属不明の船団および部隊と、戦闘に入ると予測される。よってA編成にて迎え撃つ。総員、戦闘配置に付け』

「やっぱそう来るか……」
 ため息まじりにイマドが言う。

「あんたの言うとおり、部屋へ戻って装備を出した方がよさそうだね」
「わ〜、ひっさしぶりに実弾撃てる〜♪」
 ミル、あんたどこまでズレてんだい。

 ただこういうことは、たまーにあると先輩から聞いてた。
 次々と優秀な兵士を送り出してるこの学院は、傭兵学校の老舗中の老舗だ。そのせいか、時々この学院を逆恨みしたり目の敵にしたりで、攻めてくるのがいるっていう。

 しかも協定でMeSはどこも原則、所属国が感知しない。だから内陸部ならまだともかく、うちみたいに陸から離れた島なうえに相手が所属不明とくりゃ、本当に知らん顔だ。
 つまり、援軍は一切アテに出来ない。あたしらだけで、あの船団をなんとかしなきゃいけないってことだ。

『攻撃隊は船着場と海岸へ即時展開せよ。それ以外は編成に従い、それぞれの場所で待機するように。
 なお、これは演習ではない。全生徒そのつもりで当たるように。繰り返す、これは演習ではなく実戦である』

「A編成なら、あたし低学年の担当だ♪」
 放送を聞き終えたナティエスが嬉しそうに言った。この子は小さい子の面倒をみるのが好きだ。

「ともかく一旦寮へ戻ろう。丸腰ってワケにはいかないだろうしね」
「うん」
 バタバタとあたしら、一斉に寮へ戻った。




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