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Chapter:2 予感
Episode:10
>Seamore
 昨日に引き続いて、あたしは校庭のベンチにいた。まぁミルのヤツに押し切られたってのが実際だけどね。
 けどそれほど悪くもない。けっこうあったかいんだ、ここは。

「ねぇねぇシーモア、それで今日ってば、どっか行くの?」
「そのつもりだよ」

 昨日ルーフェイアが言ってたのはホントだった。朝イチで外出禁止の解除が、部屋づたいに回ってきたんだ。
 しかも今日は休日で授業がないから、学内は町へ出ようとする生徒でてんやわんやだった。あたしみたいにのんびり日向ぼっこしてるなんぞ、マヌケもいいとこだ。

「早くしないと、船に乗り遅れちまうね」
「えー、でも船ってば、午後にならないと出ないって」
「そうなのかい?」

 どうもこの辺の細かい連絡が、最近はちゃんと回ってこなくて困る。

「うん、そうだよー。だからここで、日向ぼっこなんだもん」
「……あんたにそこまで考える頭があるとは、思わなかったよ」
「ひっどーい!
――あ、イマドだ」

 毎度のことながら、ミルの言動は唐突なことばっかだ。
 もっともウソは言ってないから、それだけでもマシとしとかなくちゃいけないだろうけど。

「シーモア、ルーフェイアのヤツ見かけなかったか?」

 同じクラスのイマドが、声をかけてくる。
 ダーティーブロンド。琥珀色の瞳。
 気さくな感じの好青年に見える。
――ただあくまでも見た目だけなんだよね、コイツは。
 なんせこの野郎、いざとなったら手段を選ばない。万が一ルーフェイアでも絡もうもんなら、マジ見境なくなるし。

「ルーフェイアは今日は見てないね。さっき部屋へ寄った時も、空っぽだったよ」
「そうか……」
「デートでもするつもりだったのかい?」
 突っ込んでみる。

「ばーか。あいつにデートなんて高尚なもん、分かるわけねぇだろ」
「たしかに」
 ルーフェイアの鈍さときたら天下一品だ。人のことはすぐ気が付くくせに、自分のこととなると、女子だってことも理解してるかかなり怪しい。

「しっかしあんたも、よく我慢してつきあってるよ」
「しゃぁねぇだろ。つーか、ガマンとかしてねーし」
「そりゃまた。でもアンタにはそうかもね」
 激ニブのところを除きゃ、あの子はえらくいい子だ。優しくて繊細で泣き虫で、思わずかばいたくなる。そのうえ素直で疑うことを知らないんだから、イマドが惚れたのも分かろうってもんだ。

「けどなんだって、あの子探してんのさ?」
 なんとなく気になって訊いてみる。
「別に大したことじゃねぇんだけどよ、メシ作るからついでに教えようかと思って」
「……はい?」
 ウソみたいな答えに思わず訊き返した。

「それってさぁ、なんかすっごいヘン〜」
 ミルがさらっと、ひどいことを言ってのける。

「そうは思うけどよ、なにせこないだ、泣きべそかきながら鍋と格闘しやがってさ。
 あれじゃどうしようもねぇって」
 これには爆笑。

「ルーフェイア、らしすぎ〜♪」
「あの子、才能ぜんぶ戦闘に取られちまったんじゃないのかい?」




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