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FILE01:薬師の娘。
どこか一皮剥けたオルガの哀愁漂う広い背中。

そんな彼の背を、ゆったり観察するかのように見ながらヤンは、「今日もわが国は平和だなぁ。」と、暢気に考え、彼を尻目に自分一人だけ入れた一杯のお茶をズズズと静かにすすった。





今まで信じていた幼馴染に突然、
『実はあんたのこと嫌いだったの☆馬鹿だから。』

−…的なことを、高らかに宣言され、カミングアウトされたオルガは、呆然とその場に座り込んでしまった。

今にも砂になって飛んでゆきそうな勢いだ。

内心、未だ狭い作業場に居座る只今茫然自失中のオルガを邪魔だな。とか、うざいな。とか、むしろそのまま砂になって消えて欲しいな。…等とヤンが思ったことは内緒だ。


「−…はぁ。」

しかし、しかしだ。あまりにも哀れなオルガの姿を見ているうち、少しだけ…、本当に少しだけ、ヤンは内心一人で反省しだした。

街で質問攻めされた腹いせに、ついついオルガにきつく八つ当たりしてしまったのは事実だから。そのことがほんのちょっぴり、ヤンの良心を痛める。

しかしその一方で、
まぁ、こいつも聖女様のことで私に聞きに来たわけだから同罪だよな。
むしろオルガを虐めて泣かせてもOK?みたいな。

と無情にも考える。

しかし結局ながらヤンは、

塵にも満たないその彼女の良心と、

まぁ…、いつまでもこいつに居座られても邪魔だしな。

という結論から、ヤンはオルガの話だけでも(いまさらだが)聞いてやることにした。


「で?お前は、いったい何を私に期待して、その噂の聖女様とやらのことを聞きに来たんだ?」

「えっ?!いいのか?」

「何だ聞きたくないのか?」

「いや聞きたい!」

「ならサッサと言え。」


ヤンが自分と話をする気になったと知るやいなや、すぐさま復活したオルガ。そんな男の姿を冷たい青い眼差しで観察しながらヤンは、あのまま放置した方が良かったかも。と、少しだけ後悔した。


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