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孫子、老子の解説  作者: 楠乃小玉
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五行の思想硬度、傾向と対策「火」

火が有益に生きるための対処方法

火の性格は陰と陽で極端な差異ができる。

火の特質としてあげられるものが「執着心の欠如」である。

ものごとに執着しない。これは仏教的見地からいえば、「煩悩がない」ということであり、

一見して聖人君子に見られがちである。しかし、執着心がないということは反面、正義や信仰に

対する執着心がないということにもなる。

陰火の特徴

良心が異常に欠如している

他者に冷淡で共感しない

慢性的に平然と嘘をつく

行動に対する責任が全く取れない

罪悪感が皆無

自尊心が過大で自己中心的

口が達者で表面は魅力的


陽火の特徴

悪事に対する執着がない。ストーカーのように他人を執念深く恨みつづけたりつけまわしたりしない。

他人に感心がなく、相手が悪事を働いたことのある人でも有能であれば登用する。

自分にこだわった思想がないため、誰にでも頭をさげられる。そのため人気者になりやすい。

自分が不利益になると分かれば、自分の目的に固執しない。危険を察知すると逃げる能力がある。

罪悪感が皆無、また人から攻撃されても恨みを持たず、利益になる人なら平気で迎合できる。

利益に忠実で、長年支えてくれた部下でも営業成績があげられなければ平気で解雇できる。

口がうまく、ポピュリズムを利用し、大きな組織を構築できる。大衆扇動ができる。


このように、悪い方向に出れば災いをもたらすが、良い方向に向けば、組織の潤滑剤となり、

巨大な組織には必要不可欠な存在となる。

こだわりがないため、研究や探求には不向きで、執着心がないため、研究職分野では成果をあげにくい。

その反面、人がもっている知識を収集する能力に長けている上、自分には何もないので、

それら思想や発送のいいとこ取りのパッチワークによる知識を披露し、衆人、とくに大衆からは

非常に優秀な人物と見なされて尊敬を集める。

大衆が「天才だ!」と褒め称え英雄視する人物の大多数が火である。

大衆が描いている英雄像、マンガや小説に出て来る英雄、支配者は、よくこのように描かれるが、

実際には独自開発能力がなく、人の知識をコピーして使用するのでアントレプレナーにはなれない。

大衆が実際の英雄や成功者の実像を知ったとき、それは地道な反復練習と試行錯誤の繰り返しという

砂を噛むような単純作業の連続であり、その地味さに失望することが多い。

それに対して、火はどのような下層の者にも利益があると思えば迎合し、頭をさげるので、

大衆はそれを喝采する。それだけではなく、不利益になる者に対してはそれが正しい者であっても

こだわりなく、躊躇せずに攻撃し、徹底的に叩き潰すので、そういう点も大衆の鬱屈した感情を発散させ、大きな支持を集めることとなる。

 しかし、実際に自分がトップに立ち、独断で何でもできる立場になると実際、自分に信念の指針がないため、迷走し、失敗することも多い。


火剋金

火礼は金義を剋する。

火にとって大事なのは自己利益であり、自己利益を害する正義は潰そうとする。

つまり、自分が1セントの利益を得るために平気で十人の人を殺せる。そこに躊躇はしない。

自分が超法規的立場にあり、人を殺しても罰せられない立場にあれば、利益のために人を殺すことに

躊躇しない。

これは陰がきわまった特殊な事例であり、実際には火といってもその深度はさまざまであり、

一般の火であれば、当然、人を殺すことを躊躇する。もっと卑近な例では、人事部長であり、

会社の利益のためには長年一緒に働いた部下も解雇できる。という程度の事柄である。

その他、「お金がもったいないから障碍者は殺してしまおう」という発想を口に出さなくても

心の中でおもっていたりする人もこれに該当する。

金がもったいないから老人は殺そう。地方に棲んでいる馬鹿どもは価値のない人間だから、

補助金カットしよう。農民はお荷物だから、市場開放して失業させよう。など、彼等はこれを

「合理主義」昔であれば「道理にかなっている」と言って推奨する。


水剋火

火のもっている知識は寄せ集めであり、冷静に分析すると、それは矛盾に満ちている。

また、自己利益のために嘘をつくことに躊躇しないので、よくしらべれば、それが嘘であることが

多々ある。

火の人が、水の非難や攻撃に感情的になって反撃しても失敗する場合が多い。

なぜなら、火による攻撃は恫喝や圧力によって相手を沈黙されるという手法が主流であり、

理論的整合性がない場合が多い。論戦において、内面に思想やこだわりのない火は、まず相手が

よほど無能でないかぎり水には勝てない。

ここで火がとるべき対処は「黙殺」「無視」である。通常、頭のいい火はこの「無視」「黙殺」「なかったことにする」を多用する。

マスコミでは常用されている対処法である。


火生土

これこそ火の最大の利点である。

自分の中に何もない。こだわりがないから、人の意見を簡単に取り入れることができる。

どんな思想をもった人とも仲良くできる。こだわりがないからこそ、強烈な信念をもった人でも、

わだかまりなく付き合える。相手が間違った思想をもっていても指摘しない。むしろ迎合する。

大衆がもっている空気、その時の雰囲気にあわせて、相手が望んでいることをいってくれる。

よって、狂信状態にある土信の大衆にとってはたまらなく魅力的な存在であり、火を崇拝することとなる。

これを、商業的営業にいかせば、物凄い利益を会社にもたらすし、大衆の空気に乗って扇動し、

たとえ間違っていても、信の人海戦術によって「どうです、みなさん!」「パチパチパチ」という

ふうに空気による圧欲をかけることによって、政治家、弁護士、また、政治家を利用して自分に利益があるように法律を変える政商にはうってつけの能力である。大衆、土信はもっとも数が多く、これを

操れるということは、組織のトップに立ち、組織を牛耳ることができる能力を持っていることに等しい。


木生火

火がエネルギーを得るためには、木の同情をひかねばならない。木の本性は感情であり同情である。

よって、だからこそ、火は水を高圧的に攻撃してはならないのである。火が水を高圧的に攻撃しているのをみると木は水に同情して火を助けない。

火が巨大な力を得るためには木の同情を買わなければならない。そのため、

虚偽であっても、自分は本当に加害者であっても、徹底的に自分が被害者であると主張することによって

大きな支援を得ることができる。土信に大衆迎合し、木仁に対して被害者ビジネスをすることによって、

火は巨大な力を得ることができる。よって、火はこれらの法則性を遵守しているかぎり、もっとも

権力の頂点に立つ可能性が高い。支配者として君臨する可能性が高いのである。


火比和火

火にとって火は使いやすい。また火は利益をもとめて集まるので、自然と火の回りには火が

集まる。しかし、火は仲間に執着せず、平気で逃げるので、いくら巨大化しても、火による組織は

脆い。よって、周囲は応用力がなくても土信と木仁によってかためなければならない。


火と類推される有名人

ゲッペルス

ムッソリーニ

スターリン

高師直

橋下徹

長谷川豊

岡田斗司夫

山野車輪

火の対処法のおさらい

水を攻撃しない。黙殺する。

土に大衆迎合する。相手が間違っていても空気をよんで、むしろ煽り立てる。

スケープゴートを見つけて大衆が袋叩きするのを煽る。

木の同情を引く。自分は被害者だと主張し、それを土に流布させる。水がその矛盾点を指摘して横槍を

入れてきたら「被害者を攻撃するのか」「被害者が嘘を言うわけがないだろう!」と自分が言うのではなく、土のうち、信頼できる者数人を使って扇動し、水を黙らせ、自らはただ、涙を流し、苦悶の表情をうかべる演技を木に見せる。これで、反論はたとえ相手が正しくとも封殺できる。


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