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孫子、老子の解説  作者: 楠乃小玉
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五行の思想硬度、傾向と対策「水」

ここでは陰陽五行の関係性を水を例にとって記述する。

陰陽五行の世界では、

自分と相手の関係の利益構造を10種類の名称であらわしている。それは、

自分剋相手

自分が軽蔑し攻撃する相手のこと。

陰「偏財」陽「正財」

陰陽五行では自分が嫌い、排斥しようとする者からこそ自分が物質的利益を得ることができるとする。


相手剋自分

自分を嫌い、不利益をもたらす相手。

陰「偏官」陽「正官」

自分が不利益を蒙り、酷い目にあいながらも、献身的に相手に尽くすことにより、権威や名誉が得られる。しかし、やりすぎると身を滅ぼすこととなる。しかし、古来、自己犠牲で身を滅ぼした人はの名誉は

子々孫々までつらえられ、語り草になる。それは、そんな自らの破滅を望む人が稀有であるからともいえる。通常、幸せに人生を全うしたいならこの分野にはあまり足を踏み込まないほうがよい。


自分生相手

陰「傷官」陽「食神」

自分が与える相手、生徒、弟子、教え子、子供、子孫など。

自分には物理的利益をもたらしてくれない。物質的には持ち出しになる。しかし、

精神的に自分をしたい、守ろうとしてくれる。子供が親を必死でかばおうとするのと同様、

飼い犬や飼い猫が必死に主人を守ろうとするがことく、自分をしたい、自分を助けようとしてくれる。

しかし、それは精神的安らぎであり、物質的に自分を豊かにしてくれるものではない。


相手産自分

自分の師匠、おしえ、導いてくれる人、与えるもの。

自分をそだて、利益を与えてくれる相手。

陰「偏印」陽「印綬」

自分に知恵を与え、導いてくれる存在。自分はそうした存在を敬愛し、弁護するが、

相手が世間的に孤立している場合は、世間から孤立し、不利益を蒙る場合がある。



自分対自分

自分の考えをひたすら増大した場合。

自分の考えが正しいのだ、自分が悪いものは排除するのだという思想に基づき、

悪を寛容せず、自分に同調する思想の持ち主だけをひたすら集め、増殖し、自分が悪と見なしたものを

圧迫し押しつぶし、抹殺する。

陰「劫財」陽「比肩」

陰の「劫財」とは財を失い、破滅するの意であり、比肩とは方を並べ相争うとの意である。

自分と同じ考えの者だけを集めて組織を作った場合、どちらにせよ、成功しないとの意である。


ここでは水を例題として記述してみることとする。

他の五行の関係もこの水の例に類似するものである。



思考高度、

最軟「水」

  「火」

  「木」

  「金」

  「土」

土がもっとも思想的柔軟性が低い。



知的なものを好む。

知的探求に快感を覚える。

真実が何か探求する好奇心が強く、多くの知識を追求しようとする。


論理的整合性が合っていれば、平気で前言を撤回する。

何が正しいかが重要であり、自分のメンツとか、恥をかくからごまかしておこう、などという

態度をとらない。

その場の状況に応じて、決断や行動を変幻自在に変化させることができる。

よって、状況変化への適応力がもっとも強い。


水剋火

水智は火礼を剋する。

間違った事を言った場合、相手が先輩や兄弟子、目上の人、その業界の権威、スターなど

礼の世界では反論してはいけない人たちにも平気で反論する。

相手の間違いを指摘し、メンツを潰す。このため火系の人から恨みを買いやすい。

火的なものを心から軽蔑している。

それは火礼が真実よりも物事の形式に最も固執しているからである。

権力、地位、立場、メンツ、虚栄心、支配、名声など火礼が最も高い価値があると考えているものは

水智にとって最も価値がないものであり、そうしたものを破壊する衝動が強い。

しかし、陰陽五行の世界では、


土剋水

水が倒せないものが土である。

土は物事を信じる。信じることが正義である。よって理屈をいう水に嫌悪感を感じ、攻撃する。

水が真実を求め、立場を変える行為を柔軟、美徳と考えているのに対して、土はこれを

変節、裏切りなどと取らえ、攻撃する。


しかし、人間は、自分が不利益になる方向性に魅力を感じる傾向がある。

水の場合は土である。水は土の無私の心が魅力的でたまらなく感じる。

自己犠牲によって自分の利益を捨てて、あえて、信念に殉する行為に心打たれる。

たとえば、特攻隊は戦略的には非合理な作戦である。パイロットの育成には長期間の日数と教育投資を

必要とするが、自己犠牲の精神によって自分の命すら捨てる行為に水智は「自分はそんな事はできない」と畏怖の精神をいだきがちである。

 これがエスカレートすると、自爆テロのような行為すら肯定してしまう。

しかし、そのような行為を肯定することは、水にとって不利益であり、社会的信用をなくす。

自らの利益を毀損し、身を滅ぼす行為であり、厳につつしまなければならない。

しかし、自然体でこのような法則性を把握していない水は、えてして不用意にそのような本音を

発露してしまい、知らず知らずに不利益を蒙ることがある。

智は何があっても生き残らねばならず、蓄積により知恵を次世代に譲渡する役割であり、

自己犠牲を実行してはいけない。その無理をエスカレートさせれば、

世間からもその行為は認められず、ただ、失敗に悲嘆する結果しかもたらさない。


水生木

水は木を育てる。木を増殖すれば、自分を精神的に守ってくれることとなる。

物質的利益は得られない。

教師であれば、生徒はいつまでも慕ってくれ、社会に貢献してくれる。

また、自分が窮地に立ったときは、擁護してくれる。生徒、未来、子孫的存在。


水生金

金は義であり正義感である。

知恵の人を助けるのは正義感の人であり、教授、官僚、警察、軍隊などに類する。

これらの存在は水を支援してくれ、色々な事を学ばせてくれる。

智である水が学ぶことによって人生を切り開くヒントが得られるものは、官僚機構、軍事戦略、組織論など。


水比和水

知的なものばかり集め、智が嫌悪する火礼、私利私欲のために悪にでも頭をさげる礼を全て

排除してしまうと、本音のぶつかり合い、感情のぶつかり合いで争いが起こる。

同属嫌悪こそもっとも大きな争いを起こす。

悪おも許容し、バランス、均衡のとれた社会を形成することが大事であると、

陰陽五行は教えている。

自分が好きなもの、自分が正義だと思うものだけを認め、悪を拒絶し完全に抹消しようとする行為は

自らに破滅をもたらすとの教えである。


水智と類推される有名人

織田信長

秦の始皇帝

田中角栄

カールマルクス

毛沢東

楠正成




人間は自分の本能のまま陰陽五行の法則性を知らずに行動すると、自然と自分が不利益になる方向性を

選択してしまう。

自分が利益を得たければ、自分が軽蔑する者とでも、我慢して付き合わなければならない。

水が嫌悪する存在は、火であり、火は政治家、政治、駆け引き、追従、迎合、形式などの類である。

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