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この作品には 〔残酷描写〕 が含まれています。

伝説の解放


*オリジナル小説ですので少々わかりにくい設定や辻褄の合わないものがあると思いますが、その際は無視するか、指摘をくださると嬉しいです。
*この設定がわかりにくい、説明を求める!と思われた方は、些細な事でもコメントしてください。
*題名やあらすじ、キーワードを見て無理だと思われた、もしくは悟られた方は読まないことをお勧めします。
*題名やあらすじ、キーワードとは微妙に内容が違う…時もありますが、その点ご了承ください。
*誤字脱字があるときは温かい目で見てもらえると嬉しいです。(報告してもらえるとより嬉しいです)
*コメントや評価をしていただけると嬉しいです。
*上記の点がオッケーな方は、お読みください。
“伝説と呼ばれた魔王は光に選ばれし勇者一行と封印の代償となった一人の少女によってとある地に封印された”

かの有名な魔王伝説はこの一節でピリオドが打たれている。ただ…現実においていまだにこの伝説が続いていることを…誰も知らない。

***

何かを代償として発動される魔法は攻撃や回復ならば高い威力を発揮し、防御は強く長く、封印となると信じられないほど長い年月の間その封印を保つ。そして、そのことは古くから知られてきた。本来、魔法というものは魔力だけを代償として発動するものだ。しかし、魔法の威力を楽に大きくしたいと考える者は尽きたためしがない。人道的な問題からその代償として人間が使われることはほぼないが、それでもやむを得ないということはある。

人を代償とするということから、長年とある禁書の棚に秘されてきた魔法。きっと、人の世界ではいまだに禁書の棚と呼ばれる大図書館に眠っているのだろう。

そんな魔法が、魔王を倒しきることができなかった勇者一行が魔王という脅威を一時期でもいいから封印するために使った魔法であった。

ただ、そんな魔法が実は人が内に入ることで閉められる封印だということを知る者はもう人の世にはいないだろう。

いや、はるか昔の人の世でさえ、知っているものは開発者とその周りのものだけに違いない。

何しろ、封印を解いたころにはもう封印の中のものに殺されたか、長すぎる生と暇に耐えきれず自殺してしまったか…誰も帰ってきた実例はなかったのだ。

たった一人、そのことを知る人はこの封印の魔法にとらわれた少女だけであった。

「ルー! この状態は何っ!?」

大量の本を広げて物思いにふける自分を叱咤する声に意識が浮上する。

その声の主は、封印の魔法にとらわれた少女だ。
まだ20代半ばにしか見えないその少女。

現在、体の年齢のみが流れないこの封印のうちにて、3216歳の少女。

そう、かの魔王伝説よりもう3200年もの月日がたったのだ。

少女は、元々の体質故か封印に入ったことで体の時が止められていた。

「すまない。魔法式を解く方法を考えていたんだが…やはりもう少しまたないといけないようだ」

外を見てみたいと、3200年も経ってようやく我儘を言うようになった少女である、我が妻のために私はこの封印を破る手立てを模索し始めた。

…それが、散らかったこの状態を招いているわけだが。

「別に…いいよ? …それより早く片付けてよ!」

少し顔を赤くして少女は、指をパチリと鳴らす。

すぅと風が部屋の中を通り抜けて本を傍らに積み上げていく。少女が魔法を行使したのだ。
私が魔法式を解くことを再開しやすいようにしているのも合わせて、随分と上手になった。

「さて、久しぶりの食事にしよう?」

どうやら作っていたらしい食事をまた、パチリと指を鳴らしてこの部屋に持ち込む少女。

随分と昔に聞いた少女の生い立ちから、封印前は毎日作っていたのを私は知っている。

いつも美味しい食事。

本来なら、いらない食事も楽しめるほどに。

一口、スプーンですくって口に入れたスープを味わいながら飲み込んで、私は少女に聞いた。

「……外に出たら…なにがしたい?」

もともと無口で、喋らないが故に色々と誤解を生んだ私をここまで喋るようにした少女はすごい。

少女はきっと、私よりもどこか強いところがある。

…あの頃、3100年以上も前は何一つ言葉を交わすことなく、ようやくぽつぽつと喋るようになった2900年ほど前。3200年もの時間はありとあらゆる柵を失くさせるほど長く、無情にもそこにあった。

「……買い物! …あと、旅行!」

3000もの年月を過ごしても、人との関わりがなければ人はそこまで成長しないものらしい。

どこか幼く聞こえる少女の声に私はくすりと笑いをもらして言った。

「…そこも行こうか」

あぁ、外の事も調べないといけない…な。

そう思いつつ。

***

パリン……

その音は世界の風を震わせて、響き渡る。

その中心に位置する2つの人影は笑いあったかと思えば、手を取り合って、ふわりと空中に浮いた。

「さて…どこから行こうか? ファナ」
「んーと、あっち!」

1つの方向を指さすファナと呼ばれた人影。

「じゃあ、そっちからだな……行こうか、ファナ」
「うん、ルー、いこう!」

そして、遠くの空の彼方へと2つの人影は消えていった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

*ルー(もとい、魔王)

作中では本名は出ていないが、魔王。3400年ほど前より魔王として活動した史上最強の魔王。魔法の天才で戦闘はほぼ魔法(ただし、体術ができないとは言っていない)。
元は人として生まれたが、劣悪な環境、人間関係しか持たず、死後魔人となって魔王へと上り詰めた。つまり人間側の自業自得…ともいえるかもしれない。
魔王の力というものは、いきなり体に表れ、その人の人格を支配するものである。そのため、もとは復讐だけであったはずが、人間全体への攻撃となった。
封印直後は精神的に荒れたが、魔王としての力が抜けたことで、落ち着くように。復讐は終わっていたので、自分の魔王としてやったことにしばらくの間呆然としていた。
性別は男。

*ファナ(もとい、少女)

こちらも愛称のみになってしまったが魔王を封印する当時、封印のいけにえとして差し出された少女。当時第一の魔力を持っていたが、下町の娘であったことより勉強も何もかも受けておらず宝の持ち腐れだった。とある宿屋の娘で家事能力は万能。王家によって魔王封印のいけにえに選び出され、家族は泣く泣く少女を手放すことに。
取り敢えずと、結界の魔法だけを教えられ、封印の代償となった。
しかし、代償になったのに死なず、あれと思い目を開けてみると、目の前に魔王がいてめちゃくちゃびっくり。
でも、家族といきなり引き離されたことでここにきて精神的ショックが強くなったのか長い間声が出せなくなる。
実は魔法に関してはルーと同じくらいの天才であった。つまり、育てれば魔王は倒せたのに、魔王と一緒に封印したことで行く先々で人々を巻きこむ天然夫婦が誕生することになった。
性別は女。

*勇者一行

少女を封印の代償にするとは前もって何も聞かされていなかった人たち。講義はしたかったが、すると大変なことになるのは分かり切っていたので、黙殺せざるを得なかった。


…何となくで書いて、何となくで付け足したので少々変なところが…。
“ピリオドが打たれている”というところが書きたかっただけ(笑)。
元のセリフで少女はツンデレなところがあったけれど…それはおかしいよねぇ…と思ってこっちに変えたり。
あらすじがあらすじしていないけれど、その点は目をつぶってください。

お読みくださり、ありがとうございました。

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