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第七話 恐怖の集結その七
「やっぱりここは動くべきじゃないだろ」
「いや、動くべきだ」
 向かい合って言い合っている。
「動かないとこの場合何にもならないぞ」
「下手に動いてどうするんだ」
 聖闘士達は完全に二つに分かれた。だが肝心のデスマスクはそれを周りに置いても平然としていた。暫く何も言わずただ話を聞いているだけだった。しかしやがて耳穴を小指でほじりながらゆっくりと口を開いたのだった。
「まあ動くのがいいな」
「それではデスマスク様、すぐに」
「いえ、それは」
 ディオとジャミアンがそれぞれデスマスクに対して言った。
「行きましょう」
「ここは様子見を」
「罠でも何でもな。安心しろ」
 小指についていた耳垢を息を吹いて吹き飛ばす。そうしながらの言葉だった。
「大丈夫だからよ」
「ですがこちらより数が多ければ」
「ましてや敵にはおそらく無数の雑兵が」
「ああ、関係ねえ」
 ゾルダとレンタスに対して答えた。
「雑魚は幾らいても雑魚なんだよ」
「雑兵は、ですか」
「安心しろ、あいつ等なら御前等でも平気で潰せる」
「御前等でもって」
「ちょっとデスマスク様」
 流石に今の言葉にはクレームをつけるのだった。デスマスクも笑ってそれに返す。
「何だ?けれどそうだろ」
「いや、俺達でもですね」
「やっぱり聖闘士ですから」
「まあ御前等の出番は多分そいつ等の相手だけだ」
 しかしデスマスクは彼等にこう告げてそれで終わらせようとしてきた。
「狂闘士のうち何人かは俺が相手する」
「じゃあ残りは」
「最低六人位は」
「ああ、残らねえだろうな」
 実にあっけらかんとした返答だった。
「間違いなくな」
「えっ、けれど何人かなら」
「やっぱり残る筈じゃ」
「御前等には残らないんだよ」
「残らないって何故?」
「その時になったらわかるさ」
 やはりそれ以上は言おうとしないデスマスクだった。
「その時にな」
「そうですか」
「まあとにかくだ。行くぞ」
 ここまで話して立ち上がってきた。
「もう居場所はわかってるんだよな」
「あっ、はい」
 ブラウがデスマスクのその言葉に答える。
「それはもう」
「じゃあそこに案内しろ。こっちは派手に動くぞ」
「派手にですか!?」
「追跡なのに」
「馬鹿、もうこっちのことは読まれてるんだよ」
 デスマスクは怪訝な顔になった六人に告げた。
「俺達が追うってことはな」
「それ込みで、ですか」
「そういうことだよ。これでわかったな」
「まあそういうことなら」
「そうなりますね」
 彼等もデスマスクの話に納得した。言われてみればその通りである。デスマスクの読みがここでは最大の武器となっていた。
「わかったらすぐに全員で出るぜ」
「ええ」
「七人で、ですね」
「ここでの戦いはこれで決めるからな」
 こうも六人に対して告げた。
「そのつもりで行くぞ。いいな」
「了解」
「それじゃあすぐに」
 こうしてデスマスク達はロファールの追撃にかかった。彼等はわかってのことである。またカナン達も彼等の動きを正確に把握したうえで動いていた。
「来たな」
「はい」
「今確かに」
 ユニとリィナがカナンに対して述べる。彼等はライプチヒ郊外の森に待機している。そこにはサムソンとアトロムもいる。やはり戦衣で既に武装している。
「出たのは七人」
「ここに来ている聖闘士全員です」
「そうか、全員か」
 カナンは二人の話を聞いてまずは左手の指を口に当てた。その姿で思索に入った。
「一人は予備で残すと思ったのだがな」
「キャンサーも来ております」
「あの男もか」
 リィナの言葉を聞いてまた考える顔になる。
「はい、彼等の先頭にいます」
「そのうえでロファール追撃の指揮を執っています」
「ふむ」
 ここでカナンは右手を掲げた。するとそこに水晶を思わせる球体の透明の画面が現われた。見ればそこにデスマスク達が映っている。彼等も森の中を進んでいた。針葉樹林から成るドイツの森の木々の間を縫いながら先を行くロファールの追撃を仕掛けていた。
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