第九十二話 神の力その一
神の力
処女宮においてシャカとケーレスは対峙し続けていた。
その中でだ。ケーレスは言うのだった。
「それでだ」
「それでとは?」
「バルゴよ」
シャカに言ってきたのである。
「貴様は私を怒らせた」
「だとすれば?」
「神の怒りを受けなければならない」
こう言うのである。
「それは言っておく」
「ではどうされると」
「答えは決まっている。つまりはだ」
「つまり、ですか」
「私のその技を受けて死ぬのだ」
言葉を出すうちにその小宇宙がこみあがってきていた。
「それを栄誉に思うのだ」
「栄誉だというのか」
「人でありながら神の技を受ける」
このことをまた話してきたのである。
「それを名誉と言わずして何と言うのか」
「私は別に名誉とは思いませんが」
シャカは冷静に返すのだった。
「それは」
「貴様がどう思おうとだ」
ケーレスの赤い小宇宙が動く。かなり禍々しい。
それを全身にまといながら技を放つ姿勢に入る。そうして。
「行くぞ、バルゴ」
「来ますか」
「これが神の技、よく見るのだ」
その言葉と共に放ったのは。
「デスハンキング!」
いきなり赤い無数の鞭が出て来てシャカに襲い掛かる。そのうえで座ったまま身動き一つしていない彼を捉えたのである。
そしてそのうえで首や両腕を絞めてきた。じりじりとである。
「これが神の技だというのですか」
「そうだ」
まさにその通りだというのだ。
「これこそがだ」
「そうですか」
「私の技だ。そして」
「そして?」
「これで終わりではない」
自信に満ちた冷酷な笑みと共の言葉であった。
「それも言っておく」
「では今度は何を」
「この鞭はただの鞭ではない」
これは見ればわかることだった。何しろ彼の後ろの空間から無数に出て来ているからである。まさに言うまでもないことだった。
「だからこそだ」
「ではこの鞭がさらにですか」
「私の鞭は動くのだ」
今度はこう言うのである。
「自らの意志でだ」
「生きた鞭という訳ですか」
「そしてだ」
ケーレスはさらに言ってきた。
「それだけではなくだ」
「むっ!?」
シャカの身体にだ。鞭から恐ろしい波動が向かって来た。そうしてそれで彼の身体を打つのである。
シャカはそれを受けながら。冷静に言ってみせた。
「魔の波動ですね」
「こうして力で打つこともできる」
また言うケーレスだった。
「さあ、これならばどうだ」
「そうですね」
しかしである。そのシャカの言葉は。神の攻撃を受けているとは思えないまでに冷静で落ち着いたものであった。
「流石に神であるだけはあります」
「そうか」
「これだけの力」
その攻撃に対しての言葉だ。
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