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第七話 恐怖の集結その一
                   恐怖の集結
 前哨戦を終えたデスマスクは指揮下にある聖闘士達を集めてまずはライプチヒの市街に戻っていた。そこで彼等と街の食堂で食事を摂っていた。食べているのはドイツ料理だ。
「しかしドイツ人っていうのはな」
「どうしました、デスマスク様」
「あれだな」
 こうディオに答える。樫の木で作られた椅子とテーブルに座ってソーセージやアイスバインやギドニーパイを食べている。それとやはりジャガイモも。
「痛風になりそうな食い物だな」
「ビールですか?」
「ソーセージにしろそうだろ」
 それも指摘する。
「あとアイスバインにこのジャガイモだってな」
「ジャガイモもですか」
 レッシュに対して答える。見れば今あるのはマッシュポテトとジャガイモのパンケーキである。ドイツ料理としては実にオーソドックスな組み合わせだ。他にはザワークラフトもある。
「バターつけて食うだろ」
「はい」
「それもたっぷりとな。だから危ないんだよ」
 デスマスクはそれも危ないと言うのだった。
「ビールに豚肉、それにバター。こればっかりだと確実に痛風になるぞ」
「確かに」
「そういえば」
 ジャミアンとゾルダがそれに答えた。
「そういう組み合わせですね」
「じゃあ食べ過ぎたら」
「実際痛風多いだろ」
 デスマスクはそれも知っていた。話しながら黒ビールを口に含む。普通のビールよりも濃厚な味が口の中を支配する。それを味わいながらの言葉だった。
「ドイツってよ」
「そうらしいですね」
 今度答えたのはアンタスだった。
「やっぱり。デスマスク様の仰る通り」
「ならない方がおかしいんだよ」
 デスマスクはこうも言う。
「ビールばっかりだとな。余計にな」
「じゃあワインは」
「ワインの方がいいんだ」
 だが今飲んでいるのはビールだった。矛盾してはいる。
「健康にはな」
「そうですか、やっぱり」
「ドイツも結構ワイン飲んでるけれどな」
「ええ、確かに」
「それは」
 これについては他の面々も知っていた。モーゼルワインはあまりにも有名だ。彼等が今いるギリシアではそもそも昔からワインが好まれている。神話の時代から。
「それでもビールが一番多いな」
「やっぱりそれですか」
「ああ」
 ここでデスマスクはその黒ビールをまた一杯やるのだった。結構なハイペースだ。
「ビールだな、とにもかくにも」
「ビールですか」
「昔はこれをパン代わりにしたらしいしな」
「ああ、それは知ってます」
 アンタスが答えてきた。
「知ってたか」
「麦ですからね、やっぱり」
「そういうことだ」
 デスマスクも答える。飲むパンと呼ばれる時もあるのは今も同じである。これは有名だ。
「だから朝とかにな。卵を入れてグイッとな」
「卵をですか」
「これはこれでコレステロールが溜まるよな」
 そのうえでまたコレステロールの話をする。
「だからドイツ人っていうのはな。痛風が多いわけだ」
「ビールって危ない飲み物なんですね」
「酒は全体的にそうだって言われているけれど」
「何事も程々なんだよ」
 そうは言いながら当人はとことんまでそのビールを飲んでいるデスマスクだった。言動と行動が見事なまでに一致していない。
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