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第七十八話 ムウの技その六
「ここは私にお任せ下さい」
「ですがインプ達位は私達が」
「そうです。やらせて下さい」
「大丈夫ですよ」
「私が戦いたいと言えばどうでしょうか」
 だが彼はここでこうも告げた。
「私がそう言えばその時は」
「それは」
「その場合は」
 こう言われるとだった。彼等は急に言葉に力を失った。そう言われるとどうしてもであった。
「そうですよね。ムウ様の御言葉なら」
「黄金聖闘士の方の御言葉ですし」
「それは」
 従うしかなかった。聖域で黄金聖闘士の言葉に異を唱えられるのはアテナか彼女の代理人である教皇以外には存在しないからである。
「わかりました。それじゃあ」
「ここはムウ様にお任せします」
「それで」
「有り難うございます。それでは」
 ムウは彼女達の言葉に応え穏やかに微笑み。そうしてであった。
 一歩前に出る。そうして言うのだった。
「では戦いましょう」
「そうか、アリエス、貴様がか」
「貴様が我等の相手をするのだな」
「それでいいのだな」
「はい、それはもう決まりました」
 穏やかな微笑みはそのままであった。
「それでは御願いします」
「ふん、覚悟がいいな」
「そう言っておこう」
「では。遠慮はしない」
 こう述べてであった。じり、と間合いを詰める。そのうえで彼に一斉に向かって来た。
「受けよ、我等の力!」
「この技をだ!」
 言いながら一斉に槍を放つ。無数の槍が彼に襲い掛かる。
「ムウ様!」
「危ないです!」
 青銅の四人はその槍の嵐を見て一斉に言う。
「このままでは!」
「ムウ様が!」
「いや、大丈夫だよ」
「そのまま見ていいよ」
 しかしであった。その四人にここでも魔鈴とシャイナが言ってきたのだった。
「このままね」
「驚く必要はないよ」
「けれどあれだけの槍が来たら」
「如何にムウ様でも」
「それに」
 四人は彼女達に言われてもその狼狽を消すことはできなかった。それはどうしてもできなかったのである。
「ムウ様よけようとなさりませんし」
「あのままじゃ本当に」
「万が一のことが」 
 このことを心から危惧していた。しかしであった。
「だから黄金聖闘士だよ」
「あたし達とは違うんだよ」
 二人はそれでも言うのだった。
「それも全くね」
「だから見ておくんだよ」
「黄金聖闘士の力を」
「ここで」
 四人は今の二人の言葉の意味はわかった。それは、であった。
「そうなんだ、それじゃあ」
「そのムウ様の御力を」
「そうだよ。よく見ておくんだよ」
「黄金聖闘士ってやつをね」
 二人の言葉は真剣そのものだった。そうして。 
 無数の三叉の槍が今まさにムウを貫かんとする。ここで、であった。
「クリスタルウォール」
 こう言うとだった。彼の周りに四方八方を四角く囲む形で透明な水晶を思わせる壁が出て来た。それが彼を包むのだった。
 槍がそれに触れるとだった。全てはじき返してしまった。そしてその槍達は。
「ぐわあああああっ!」
「馬鹿な!」
 主のインプ達を貫いたのだ。そのまま跳ね返った結果であった。
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